カントリーエレベーターの合理的利用と水稲の栽培計画
島根県におけるカントリーエレベーター(以下カントリーと略記する)の導入は比較的新しく,昭和41年に出雲市農協に設置されたのが最初で,その後簸川平野の水田地帯に導入されている.これら施設の規模は,仕上げ籾重で2,000トン,水田面積にして300〜350haの生籾を処理し貯蔵する能力を持っている.このように大規模な施設であるだけに,その利用が不十分な場合には規模の経済性はマイナスの方向に作用し,利用農家への影響も大きい.そこでカントリーを運営する上での問題点とその対策を明らかにする目的で,農業機械科,作物科の協力を得て調査研究を行ったので,その概要を報告し参考に供したい.
調査は出雲市農協に設置されているカントリー(2,900トン規模の施設)と,利用の主体である農作業受委託事業組織(受託農作業班)を対象にした.なお,委託農家30戸についてもアンケート法により,その意向を調査した.
調査結果から明らかになった主な問題をあげると,まずカントリー側では,生籾の荷受け時期に問題が集中していて,特に入荷するいろいろの生籾を大量に処理することが困難なため,無理をしながら荷受けしており,乾燥,貯蔵過程で品質を低下する危険性があり,また能率の低下を余儀なくされている.次に受託農作業班のコンバイン利用上の問題では,土地基盤の悪いところがあること,稲の収穫作業が短期間に集中するため稼動日数の拡大が困難であること,したがって一部委託農家の要望にも応じられないことである.また委託農家側の意向では,受託農作業班のコンバイン使用技術を高め,利用料金を安くしてほしいことなどであった.
以上の諸問題を解消するための基本的な改善対策としては,カントリーの構造的な改良(いろいろの籾を受け入れるための複線ライン方式)が必要である.しかし,それにはばく大な経費がかかり,しかも十分な改善はできないと考えられる.したがって第二の側面である利用農家側において,稲の品種,作期,面積等を調整して対応しなければならない.
そこで出雲市の2,900トンカントリーを合理的に活用するため水稲栽培計画の一例を示すと下表の通りである.すなわち,カントリーの1日の荷受け能力からコンバインの台数がきまり,稼動日数をこの地方の降雨統計から試算すると,約40日を要することになる.品種は良質の4品種を選定し,作期の移動によって収穫期間を延長した.このような作朗別面積を一定地区内で確保するためには,土地基盤を整備するとともに.農協の受託作業班を中心に栽培協定をつくり,委託農家一農作業班〓カントリーのシステムの中で,個別経営はそれぞれ協力し合うことが必要である.一万作業を受託する農作業班とカントリー側では,適期に精度の高い作業を行うと同時に,作業の能率化により生産性の向上をはからなければならない.(経営調査料)


