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島根県農業技術センター研究報告第37号(2007年1月)p41-50


農外企業参入における地域経済効果と企業経営の展開方向


山本善久


摘要

 

 本稿では,島根県における農外企業参入状況を整理,類型化した上で,産業構造の把握と産業連関分析手法を用いて,企業の農業参入が企業自身及び地域ヘ与える経済的効果を測定し,企業経営の展開方向や支援の方向性について検討した.

  1. 島根県における農外企業参入の特徴は,別法人の有限会社を設立し、平地地域では食品製造業,中山間地域では建設業が参入する形態が一般的であり,導入作目は野菜,果樹が主体といえる.
  2. 企業の加工部門への参入が、生産部門への経済的波及効果を生み出し,それら加工,販売への事業展開により,企業自身が閉鎖型の経済効果(利益増幅・内部留保)を得ることができる.
  3. 農業・食品産業の県内自給率が低いため,生産額増加による経済効果の域外流失が多かった.
  4. 特に,農業生産部門と加工部門の連携の希薄さや産業構造の弱さが,域内での経済効果の留保を阻害する要因であった.
  5. 一方,加工業の生産額増加が農業生産部門へ与える経済的波及効果は高かった.
  6. 農業生産部門の雇用創出効果は高かった.
  7. 地域経済効果,企業利益向上を考えた場合,生産額の視点からは,生産部門と加工部門を連携させ,なかでも加工部門の支援と強化が必要である.雇用の視点からは,農業部門で効果が高いことから,農業部門への支援が求められる.

 

 以上のことから,企業参入により農業部門で雇用の場を確保し,なおかつ企業利益を向上させるためには,産業構造の弱い部分を強化する支援,すなわち,企業利益向上及び地域経済効果を高める関係機関,異業種との連携,加工,販売部門の導入と強化の2通りが必要となる.



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