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島根県農業技術センター研究報告第37号(2007年1月)p1-10


島根県のマンガン過剰水田に発生する水稲の黄化症状(第1報)症状と発生要因


野田 滋


摘要

  1. 水稲葉の黄化を伴う生育障害(黄化症)は,移植後1か月頃の分げつ期をピークに発生し,分げつが抑制され,生育量は低下した.
  2. 黄化症状は下位葉身の先端部から発現し,障害程度によっては上位に及んだ.また,黄化した葉身の先端に針状の枯れ込みが見られた.
  3. 黄化症水稲は外観的健全水稲に比べ体内中のマンガンと鉄濃度が高く,逆に窒素,リン,カリウムの3要素濃度の低い特徴が認められた.
  4. 金城町の水田作土は易還元性マンガン濃度が高い特徴が認められたが,障害と明確に関連づけられなかった.しかし,黄化症水稲は葉身中鉄濃度が一様に高かった.
  5. 現地の水田作土で湛水培養した結果,土壌溶液内にマンガンは15日,鉄は30日をピークに溶出して現地の発現時期とよく対応し,黄化症を再現することができた.
  6. マンガン濃度の高い周辺の山土を用い,マンガンのみ溶出する条件で湛水培養すると,水稲は黄化せず,葉身の先端部が針状に枯れ込んだ.
  7. 山土に有機物を添加し,マンガンに加え鉄も溶出する条件で湛水培養すると,水稲は黄化し,現地と類似した症状を再現することができた.
  8. 二価のマンガン及び鉄が高濃度含まれる培養条件下で1日処理すると,生育初期の水稲根の呼吸能はマンガンが30ppm以上,鉄は50 ppm以上で大きく阻害された.
  9. 水稲の黄化症状は土壌中に生成する過剰なマンガンと続いて生成される鉄によって、根の鉄排除能が低下して起こる鉄過剰症であると推察された.


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