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島根県農業試験場研究報告第34号(2003年2月) p47-59
島根県におけるイネばか苗病の発生とその防除対策

三島利夫・多久田達雄
摘要

 1984年の島根県におけるイネばか苗病の多発生要因の解析,圃場内におけるFusarium moniliformeの動向及び種子消毒法について調査した.その結果の概要は下記のとおりである.
  1. 本病の第一次伝染源である種籾のFusarium moniliforme菌保菌率には年次変動がみられ,多発した1984年は保菌率が高かった.島根県下には本病の主要な防除剤であるベンズイミダゾール系薬剤に対する耐性菌が広く分布していた.
     
  2. イネばか苗病に対するベノミル・チウラム剤の低濃度長時間処理による種子消毒効果は,浸漬液温が低いと防除効果が劣り,出芽温度,緑化期,硬化期が高温の場合には発病が助長された.
     
  3. 島根県における1984年の多発は,籾の保菌率,耐性菌率が高かったこと,さらに,種子消毒及び育苗期間の気象条件によって助長されたためと推定された.
     
  4. 水田及びイネから検出されるFusarium moniliforme菌はイネに対する病原性,ベンズイミダゾール系薬剤感受性の有無によって4つのタイプに分類された.これらの構成割合いは調査年次によって異なった.ベンズイミダゾール系薬剤感性菌ではイネ病原性を有する菌株の割合が低かった.
     
  5. ばか苗病多発生水田では発病枯死茎上にベノミル剤耐性菌でイネに病原性を有した分生子が多数形成され,発病株率が高いほど飛散数が多く,保菌籾率も高かった.無発病水田でもFusarium moniliformeの分生子の飛散がみられたが,分生子の飛散量と立毛中の籾の保菌率に一定の関係はみられなかった.これらの菌株はいずれもベノミル剤に対して感受性を示し,イネへの病原性はほとんどなかった.
     
  6. ベノミル耐性菌保菌種子に対するベノミル・チオファネートメチル水和剤の消毒効果は200倍液24時間浸漬の効果が劣った.しかし,20倍液10分間処理,0.5%湿粉衣処理の効果は高く,専用機による7.5倍液の吹付け処理では安定した防除効果がみられた.
     



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