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島根県農業試験場研究報告第32号(1999年3月)p35-50

 


水稲新品種‘神の舞’について


山本朗、高橋眞二、杉山万里、重栖睦弘、岩本正俊、安部浩、広沢敬之、神田正治、古山武夫、福田誠、藤原耕治、門脇義行


摘要

 島根県中山間地域を対象とし、良質で酒造適性が優れ、耐冷性、収量安定性の優れた極早生酒造好適米の開発に取り組み、新品種'神の舞'を育成した。

 

  1.  '神の舞'は1985年、'五百万石'に'美山錦'を交配し、その後代から育成した粳種である。F10世代で'島系酒48号'の系統名を付し、F12世代で島根県の奨励品種に採用された。

 

  •  本品種の育種法には集団育種法を適用した。

 

  •  新品種'神の舞'の特性は次の通りである。出穂は'五百万石'より2日遅く、成熟期は4日遅く、島根県では極早生に属する。長稈、穂重型で草姿は'五百万石'に近く、熟色は良く、無芒、脱粒性はやや難である。いもち病耐病性は中程度、白葉枯病に弱い。収量性は'五百万石'に優り、年次変動が小さく、収量の安定性が高い。品質は'五百万石'並みであり、酒造適性は'五百万石'並みかやや上回る。

 

  •  本品種は、島根県の中山間地域の地力中庸地からやや肥沃地の早植え栽培に適する。

 

  •  栽培にあたって施肥は'五百万石'並みとし、極端な多肥栽培は倒伏の危険があるので避ける。また、白葉枯病常発地での栽培は避ける。
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