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島根県農業試験場研究報告第31号(1997年5月) p61-75
市町村農業公社における農作業受託事業の運営実態と展開方向

竹山孝治

摘要

 市町村農業公社の農作業受託事業の実態調査を基に,運営上の課題と展開方向について検討した。

 

  1. 公社のオペレーターの10a当り出役時間は、圃場作業以外の移動などに要する時間が多いため、県内の先進的な集落営農に比べてはるかに多く、トラクター作業では約2倍、田植作業では2−3倍、刈取作業では3−4倍を要している。

 

  • 作業期間が限定される田植及び収穫作業での公社の保有機械1台当りの対応可能面積は、受託圃場が分散しているため、先進的な集落営農の約半分の10ha程度である。
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  • 中山間地域の傾斜地水田での全面作業受託は、法面を含む畦畔除草を前提にすれば、オペレーター1人当り5ha程度が限界である。
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  • 公社の作業請負料金は、集落営農組織よりもやや高めに設定することが、結果的に集落営農の受託面積の拡大や機械更新の円滑化につながり、公社と集落営農の棲み分けを可能にする。
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  • 圃場整備償還金負担が大きい場合、部分作業委託者の償還後所得は低いので、今後は圃場整備の10a当り負担額に上限を設ける等の施策が必要である。
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  • 「担い手型」公社は、独立採算に程遠い運営実態にある中で、特に全面作業受託での水管理や畦畔除草は経営的にマイナスとなる作業であり、傾斜地水田でのこれら管理作業者への肥培管理手当については、国土保全の観点からデカップリング政策として公的助成の対象とすべきである。
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  • 傾斜地水田領域において、公社は条件的に最も厳しい圃場の作業を受託することになるが、公社としての対応可能面積を考慮すれば、土地利用調整機能を強化し、公社からの再委託に対応可能な集落営農組織を中心とする担い手を数多く育成していく必要がある。
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