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島根県農業試験場研究報告第26号(1992年3月)p25-49

側条施肥による水田排水の水質改善と水稲の肥効増進

 


 


高見有一、伊籐淳次、山根忠昭


摘要

 側条施肥が水田からの水質汚濁成分の流出と、水稲の生育に及ぼす影響について、現地水田(2年間)とライシメータ(1年間)で、1984年から1986年までの3年間検討した。また、被覆肥料を施用した場合の窒素の流出と水稲の生育についても若干の検討を行った。

 

  1. 窒素の流出量は、降水量、用水管理、土壌の透水性などに大きく左右され、時期的には基肥施用後1か月以内と梅雨期に多かった。

 

  • リンの流出は梅雨期が最も多く、次いで基肥施用時と水稲収穣前の落水期であった。

 

  • 流入量を差し引いた差し引き排出量は窒素が−1.22kg/haから7.92kg/ha、リンが0.05kg/haから1.15kg/ha、CODが12.2kg/haから63.2kg/haで、1984年の窒素以外はいずれもプラスの値となり、いわゆる排出型となった。

 

  • 側条施肥法によって窒素は20%から58%,リンは15%から28%の流出量が削減されたが、CODの流出削減は確認できなかった。

 

  • 側条施肥法は、水稲の増収に結びつかない場合もあったが、施肥位置を通常の苗横3cmから8cmに離すことによって若干増収した。

 

  • 被覆肥料(「披覆尿素入り複合100日型」)を施用することによって、窒素の流出は多少抑制され収量も若干増加した。

 

 以上のように、側条施肥法は水稲の安定多収にはまだ検討すべき課題が残されているが、窒素とリンの流出削減には顕著な効果があることを実証した。


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