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島根県農業試験場研究報告第25号(1991年3月) p53-70
フタテンヒメヨコバイの生態と防除法

宮崎稔

摘要

 島根県におけるハウス栽培のブドウ園でのフタテンヒメヨコバイの発生消長、発育期間、休眠生態、被害及び薬剤による防除法について検討した。

 

  • 12月−1月に加温を開始するハウス栽培のブドウ園では3月−4月に幼虫の発生がみられ、露地より1世代多い年間4回の発生であった。
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  • 異なる温度での卵、幼虫の発育及び成虫の産卵前期間は低温ほど長い、いわゆる温度依存的な発育であった。
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  • 発育最低温度と育効積算温量についてみると、卵ではそれぞれ8.4度C、200日度、幼虫では7.2度C、384.6日度、産卵前期間では13.0度C、97.2日度となり、1世代では10.5度C、568.2日度であった。
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  • 5月上句−8月下旬は成熟卵を蔵卵した雌成虫がみられたが、9月以降の雌成虫では卵巣内に成熟卵は認められなかった。
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  • 本種の臨界日長は14時間であり、その感受期は幼虫の4齢−5齢期であった。また、産卵中の雌成虫も明期が14時間以下の日長を感受して、産卵を停止して生殖休眠する。
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  • 島根県出雲市付近で本種の臨界日長となる時期は8月下旬−9月上旬で、雌成虫の卵巣の発育が停止する時期と一致していた。
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  • 越冬成虫は成葉に好んで寄生するため、葉で最も強い集中分布を示した。
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  • 長梢剪定では、密度推定のための必要サンプル数は結果母枝で3本、結果枝で2本、葉で16枚以上であり、短梢剪定の場合より少ない量で十分であった。
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  • 本種はイエロー、レモンイエローの主波長が570nm−580nmで刺激純度の高い、冴えた色に多く誘引され、冴えたイエロー、レモンイエローの粘着トラップは本種成虫の発生消長調査に利用できる。
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  • 累積寄生虫数と葉の被害との間には高い相関が認められ、累積寄生虫数が2頭/葉以上になると葉の被害が目立ちはじめる。累積誘殺数と葉の被害との間の相関は、累積寄生虫でのそれよりやや低かった。
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  • カルタップ剤、NAC剤、MEP剤、ダイアジノン剤の殺卵効果は高かった。ただし、カルタップ剤の効果は卵殻から抜けでた状態で幼虫が死亡していることから、真の殺卵効果とは言えないようであった。
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  • カルタッブ剤、NAC剤では散布後25日−35日でも高い殺虫効果を示し、残効性が高かった。MEP剤、ダイアジノン剤では散布後5日−10日には殺虫効果が低下し、残効性は短かった。
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  • ハウス栽培のブドウ園での薬剤散布に常温煙霧法は、安全かつ省力的な方法として本種の防除に利用できる。
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