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島根県農業試験場研究報告第25号(1991年3月) p15-29
コシヒカリの窒素施肥反応と適正保有量

藤原耕治、古山光夫、山根忠昭

摘要

 出雲平坦部の灰色低地土水田において、コシヒカリの窒素施肥に対する反応について検討した。また、1アール当り55−60kgの収量を安定的に生産するための稲体地上部の適正窒素保有量を明らかにし、これに基づいて窒素の適正施肥量を決定した。

 

  • 無窒素で栽培した水稲の成熟期における窒素保有量は、5年間の平均で0.73kg/aであった。このうち、幼穂形成期までに0.38kg/a、幼穂形成期から出穂期までに0.20kg/a、出穂期から成熟期までに0.15kg/aの窒素が吸収されていた。
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  • 施用窒素の総量が0.6kg/aまでは、施肥量の増加に伴って玄米収量も高まったが、標準の施肥配分では、それ以上増施しても倒伏や登熟低下を招き、収量増加に結びつかなかった。そこで、基肥への配分割合を総量の30%まで減らし、穂肥の割合を70%とした結果、1984年には窒素0.8kg/a施用で71kg/aの多収が得られた。また、基肥窒素の施用位置が水稲の生育、収量に及ぼす影響についても検討した。
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  • 玄米収量55−60kg/aを得るためのコシヒカリの適正穂数はm当り420本、適正総籾数はm当り32,000粒前後と判断された。これらを確保するための稲体地上部窒素保有量の適正水準は幼穂形成期で0.52kg/a、出穂期で1.02kg/a付近にあった。
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  • 重窒素トレーサー法により求めた基肥窒素の利用率は側条施肥が34.3%、全層施肥が23.8%、表層施肥が13.8%であり、同法で求めた穂肥窒素の利用率は69.0%であった。差引法により求めた基肥窒素及び穂肥窒素の利用率は5年間の平均でそれぞれ50.6%、70.0%であった。
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  • 適正窒素保有量と土壌窒素供給量に基づいて求めたコシヒカリの適正施肥量は、基肥窒素が0.28kg/a、穂肥窒素が0.43kg/aとなった。実用的には、類似の灰色低地土水田における施肥基準として基肥窒素は0.25−0.30kg/a、穂肥窒素は0.40−0.45kg/aが適正な範囲であろう。
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  • 幼穂形成期の稲体窒素保有量を、その時期の草丈、茎数及び葉色値を説明変数とした重回帰式により推定した。
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