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島根県農業試験場研究報告第18号(1983年3月)p8-17

 


カツラマルカイガラムシの生態と防除に関する研究
4濃厚液少量散布の実用化


石井卓爾、安部浩、北村憲二、田中重義、板垣紀夫、野田博明、布野精治、田村明長、山根忠明


摘要

 クリは山間傾斜地で栽培されることが多く、カツラマルカイガラムシが発生した場合、従来の慣行防除法では散布のための用水を多量に必要とするため、上記立地条件のクリ園では防除が困難な場合が多い。そこで用水の少なくて済む濃厚液少量散布法を開発すべくー連の防除試験を行ない、所定の成果を得ることができた。

 

  • PAP乳剤、DMTP乳剤を用いた濃厚液少量散布は高い防除効果を有し、CVP乳剤でも可能であった。また、DMTP乳剤の農薬残留をみたが、実用上問題がなかった。

 

  • 濃厚液少量散布用機具としては、機械式ミスト装置付背負動力散布機を用い、第1世代、第2世代ともふ化開始2−3週間後に薬剤を散布することにより防除できた。

 

  • 濃厚液少量散布における散布回数は、慣行防除法と同様に2回散布する必要があり、1回散布では防除効果が劣った。

 

  • 散布量、散布時間、散布濃度等を比較検討し、高い防除効果を保持しながら防除の省力化を図れる散布法は次のようであった。PAP乳剤では50倍液の10L/10a、CVP乳剤では100倍液50L/10a以上、DMTP乳剤では100倍液25L/10aの各2回散布とし、これにより慣行濃度の1,000倍液250L/10a散布と同等程度の防除効果が期待できる。とくに、DMTP乳剤では安定した効果が得られた。
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