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島根県農業試験場研究報告第10号(1972年12月)p97-108

果樹に対するビニールフィルム地下敷込の効果について

 


 


藤田武夫、高橋国昭、宮川煦、角田重資


摘要

 島根県農事試験場敬川砂丘試験地および浜田分場において、1962年より1968年まで、地下ビニール貯水槽の形状、深さ、設置方法、栽培効果ならびに地下ビニール水路の構造、水の浸透、栽培効果などについて試験を行なった。

 

1.地下ビ二一ル貯水槽に関する試験

 

  • 地下ビニール貯水槽の埋設は明らかに砂丘地ブドウの生育、収量に効果がみとめられた。

 

  • 埋設様式では植穴下埋設の方が有効で、側面埋設の場合は受承面積の広い、逆台形の埋設が有効と考えられた。

 

  • ビニール貯水槽内外の土壌水分はかん水4日後で差は認められなかった。貯水槽内部の土壌水分は底面に近い所が高かった。

 

  • 根群分布はビニール貯水槽内および深耕して有機物を施用したところに細根分布が多く、深耕不十分なところには少なかった。ビニール貯水槽内に細根が多いのは特徴的であった。

 

2.地下ビ二一ル水路に関する試験

 

  • ビニール水路は幅50cm内外とし、その内底に給水管を設置しなければならない。また、水路勾配は1/300以下にすることが望ましい。

 

  • 水の移動分散については、水平移動最高21cm程度で少なく、垂直下向移動が著しい。

 

  • ビニール水路を利用した場合のかん水効果は砂丘地では1本の水路で水の浸透する水平方向の幅は水路の片側で40cmずつ計80cmの範囲にかん水される。山地階段畑では法鼻側の埋土部分によく浸透する。

 

  • 細根の分布は砂丘地ブドウの場合、水路内およびその周辺に多く、特に液肥を使用したものが根量はもっとも多かった。山地階段畑モモの場合、水路内の分布を少なく、法面基部側の深耕部分に多く、砂丘地ブドウの場合と同じく液肥を使用したものが根量は多かった。

 

  • 生育、収量におよぼす影響については、本試験ではホースかん水にまさる結果はえられなかった。
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