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島根県農業試験場研究報告第6号(1963年11月)p96-109

簸川平野の乾田化に伴う地力維持資材の効果について

 


 


川島慶夫


摘要

 

  • 簸川平野の乾田化後の地力維持資材の効果を知るため、壌土、砂上において堆肥、実用塩類(珪酸苦土石灰、鉄粉、酸化マンガン)客土、堆肥実用塩類客土の総合及び緑肥素藁について試験を行ない。壌土では1955年−'59年、砂土では1955年−'59年にわたっててそれぞれの生育、収量、および跡地土壌について検討した。

 

  • 生育収量においては堆肥、実用塩類の効果が認められたが、堆肥増施効果は供用品種により反応が異なり、累積効果が負に転位する場合があり効果は低い。実用塩類は壌土に比し少土における効果が著しく高いが、実用塩類の連用により生育収量に対する効果が減少する傾向があり、壌土では5年目ころから穂数が減少し砂土では2年目から穂数、増収効果の減少が認められた。客土の効果は認められなかったが堆肥、実用塩類、客土の総合改善により、累積効果が認められた。一方緑肥連用は減収傾向となり、素藁は堆肥との相違は認められなかった。

 

  • 跡地土壌のT−C、T−N、置換容量、置換性全塩基については、堆肥増施によりこれらの累積効果が認められ、実用塩類はT−C、T−Nが減少し、置換容量、置換性全塩基が増加、客土は置換容量の増加が認められた。総合改善では3者の相互作用によりT−C、T−Nはやや増加する程度であったが、置換容量、置換性全塩基の増加は著しく多かった。緑肥はT−C、T−Nが減少し、素藁は堆肥と同傾向であった。
    跡地土壌のT−C、T−N、置換容量、置換性全塩基と収量との関係は壌土で置換性全塩基、砂土では置換性全塩基、置換容量の増加と収量の増加との関連が窺われた。
    以上の傾向から堆肥と実用塩類の併用が地力維持増強の方向であり、土地条件が透水性大となるほど併用する堆肥の必要度が高くなる。
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