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作物(さくもつ)(めい) :  イネ

病害(びょうがい)(めい) :  疑似(ぎじ)紋枯病(もんがれびょう)


写真 疑似紋枯病

概要(がいよう)
 イネの葉鞘(ようしょう)紋枯病(もんがれびょう)によく()病斑(びょうはん)をつくる疑似(ぎじ)紋枯病(もんがれびょう)のなかには,赤色(せきしょく)(きん)(かく)(びょう)褐色(かっしょく)(きん)(かく)(びょう)褐色(かっしょく)紋枯病(もんがれびょう)灰色(はいいろ)(きん)(かく)(びょう)球状(きゅうじょう)(きん)(かく)(びょう)などがある。このうち島根(しまね)(けん)では褐色(かっしょく)(きん)(かく)(びょう)灰色(はいいろ)(きん)(かく)(びょう)発生(はっせい)(おお)い。これら病害(びょうがい)区別(くべつ)(むずか)しく,また発生(はっせい)生態(せいたい)防除(ぼうじょ)(ほう)についても不明(ふめい)(てん)(おお)い。現在(げんざい)島根(しまね)(けん)をはじめ全国(ぜんこく)各地(かくち)調査(ちょうさ)(おこな)われている。

病徴(びょうちょう)診断(しんだん)
 赤色(せきしょく)(きん)(かく)(びょう)(しゅ)として葉鞘(ようしょう)発生(はっせい)するが,まれに()(おか)すこともある。はじめ(した)葉鞘(ようしょう)黒色(くろいろ)不正(ふせい)(かたち)斑紋(はんもん)ができ,のちに(うえ)葉鞘(ようしょう)紋枯病(もんがれびょう)によく()楕円形(だえんけい)病斑(びょうはん)をつくる。病斑(びょうはん)葉鞘(ようしょう)中央(ちゅうおう)()に1()でき,中心(ちゅうしん)()葉脈(ようみゃく)褐色(かっしょく)で,全体(ぜんたい)(くろ)ずんで()えることが(おお)く,(やぶ)れたり,その部分(ぶぶん)から()れやすくなる。また,葉鞘(ようしょう)(あわ)()内側(うちがわ)病斑(びょうはん)をつくり,かぶさっている(がわ)健全(けんぜん)であることが(おお)い。葉鞘(ようしょう)組織(そしき)(なか)(さけ)肉色(にくいろ)(きん)(かく)をつくる。
 褐色(かっしょく)(きん)(かく)(びょう)葉鞘(ようしょう)(くき)(おか)す。上位(じょうい)葉鞘(ようしょう)では周辺(しゅうへん)褐色(かっしょく)中央(ちゅうおう)(はい)褐色(かっしょく)楕円形(だえんけい)不正(ふせい)(かたち)小形(こがた)病斑(びょうはん)(おお)くつくる。下位(かい)葉鞘(ようしょう)では比較的(ひかくてき)大型(おおがた)円形(えんけい)楕円形(だえんけい)病斑(びょうはん)をつくる。病斑(びょうはん)中央(ちゅうおう)()紋枯病(もんがれびょう)(ほか)疑似(ぎじ)紋枯病(もんがれびょう)にはみられない(ほん)(びょう)特有(とくゆう)褐色(かっしょく)(じょう)(せん)ができる。この(じょう)(せん)は,(ひかり)()かしてみると容易(ようい)観察(かんさつ)できる。葉鞘(ようしょう)組織(そしき)のなかや(くき)(なか)にはじめ白色(はくしょく)でのち暗黒(あんこく)(いろ)(たわら)(じょう)(きん)(かく)をつくる。
 褐色(かっしょく)紋枯病(もんがれびょう)(しゅ)として葉鞘(ようしょう)発生(はっせい)するが,まれに()(おか)すこともある。病斑(びょうはん)楕円形(だえんけい)で,中心(ちゅうしん)(はい)褐色(かっしょく)周辺(しゅうへん)暗褐色(あんかっしょく)(はば)(ひろ)輪紋(りんもん)ができることがある。(また)葉鞘(ようしょう)上部(じょうぶ)にできやすく,葉縁(ようろく)付近(ふきん)では上下(じょうげ)(なが)れるような病斑(びょうはん)をつくることも(おお)い。()では基部(きぶ)葉脈(ようみゃく)沿()って黒変(こくへん)し,(はげ)しいときには葉枯(はが)れを()こす。赤色(せきしょく)(きん)(かく)(びょう)病斑(びょうはん)とよく()ているが,(ほん)(びょう)場合(ばあい)葉鞘(ようしょう)のかぶさっている(がわ)病斑(びょうはん)をつくることが(おお)いので区別(くべつ)することができる。葉鞘(ようしょう)組織(そしき)のなかに()褐色(かっしょく)(きん)(かく)をつくる。
 灰色(はいいろ)(きん)(かく)(びょう)葉鞘(ようしょう)(あか)みを()びた淡褐色(たんかっしょく)(ちい)さな不正(ふせい)(かたち)病斑(びょうはん)葉脈(ようみゃく)沿()って褐色(かっしょく)斑点(はんてん)をつくり,周辺(しゅうへん)退色(たいしょく)黄色(きいろ)くなる。のちに病斑(びょうはん)(ひろ)がって不鮮明(ふせんめい)となり,葉鞘(ようしょう)枯死(こし)する。(はげ)しい場合(ばあい)(かぶ)全体(ぜんたい)枯死(こし)することもある。病斑(びょうはん)(うえ)やその周辺(しゅうへん)()(よう)(した)などに(おお)きさが0.3〜2mmの灰白色(かいはくしょく)(はい)褐色(かっしょく)(きん)(かく)がまばらにできる。また,(ほん)(びょう)育苗(いくびょう)(ばこ)()葉鞘(ようしょう)褐変(かっぺん)()こすことがある。
 球状(きゅうじょう)(きん)(かく)(びょう)明瞭(めいりょう)病斑(びょうはん)をつくらず,葉鞘(ようしょう)表面(ひょうめん)組織(そしき)(ない)にはじめ白色(はくしょく),のち褐色(かっしょく)黒褐色(こっかっしょく)(ちい)さな球状(きゅうじょう)(きん)(かく)多数(たすう)つくる。

発生(はっせい)生態(せいたい)
 疑似(ぎじ)紋枯病(もんがれびょう)紋枯病(もんがれびょう)にくらべて(うえ)葉鞘(ようしょう)進展(しんてん)する時期(じき)(おそ)いので,一般(いっぱん)()につくようになるのは出穂後(しゅっすいご)から収穫(しゅうかく)()にかけてである。
 赤色(せきしょく)(きん)(かく)(びょう)被害(ひがい)ワラや刈株(かりかぶ)(ちゅう)菌糸(きんし)(きん)(かく)伝染(でんせん)(げん)となる。また,病原菌(びょうげんきん)土壌(どじょう)(ちゅう)雑草(ざっそう)寄生(きせい)して,水田(すいでん)(かぎ)らず畑地(はたち)雑草(ざっそう)()でも存在(そんざい)しているため,これが伝染(でんせん)(げん)になることもある。
 田植(たうえ)(),これらからのびた菌糸(きんし)がまずイネ(かぶ)(ない)枯死(こし)()寄生(きせい)し,これを足場(あしば)にして上位(じょうい)葉鞘(ようしょう)進展(しんてん)するものと(おも)われる。紋枯病(もんがれびょう)よりもやや(おそ)発生(はっせい)する。
 褐色(かっしょく)(きん)(かく)(びょう)被害(ひがい)ワラや刈株(かりかぶ)(ない)(きん)(かく)菌糸(きんし)地表(ちひょう)土壌(どじょう)(ちゅう)(ふゆ)()伝染(でんせん)(げん)となる。ヒエはイネよりも(よわ)く,これら雑草(ざっそう)伝染(でんせん)(げん)となることもある。田植(たうえ)()(かん)もない(ころ)からイネに寄生(きせい)し,下位(かい)(よわ)った葉鞘(ようしょう)枯死(こし)葉鞘(ようしょう)伝染(でんせん)繰り返(くりかえ)しながら,出穂(しゅっすい)(まえ)から上位(じょうい)葉鞘(ようしょう)進展(しんてん)(はじ)める。県内(けんない)各地(かくち)(ひろ)発生(はっせい)がみられ,とくに山間(さんかん)()では紋枯病(もんがれびょう)よりも(おお)い。発生(はっせい)(はや)いときは5月中旬(がつちゅうじゅん)から,一般(いっぱん)には6月上旬(がつじょうじゅん)(ごろ)からみられる。また,乾田(かんでん)よりも湿田(しつでん)(おお)い。
 褐色(かっしょく)紋枯病(もんがれびょう)(ほん)(きん)はイグサ紋枯病(もんがれびょう)(きん)として従来(じゅうらい)から()られていた(きん)であるが,イグサ栽培(さいばい)有無(うむ)にかかわらず土壌(どじょう)(なか)には普通(ふつう)存在(そんざい)している。イネやイグサ以外(いがい)(おお)くの植物(しょくぶつ)寄生(きせい)したり,被害(ひがい)ワラとともに菌糸(きんし)(きん)(かく)(かたち)地表(ちひょう)(めん)土壌(どじょう)(ちゅう)(ふゆ)()伝染(でんせん)(げん)となる。疑似(ぎじ)紋枯病(もんがれびょう)のなかでは発生(はっせい)時期(じき)(おそ)い。乾田(かんでん)での発生(はっせい)(おお)い。紋枯病(もんがれびょう)のように止葉(とめば)葉鞘(ようしょう)まで進展(しんてん)することは(すく)ない。
 灰色(はいいろ)(きん)(かく)(びょう)被害(ひがい)ワラや刈株(かりかぶ)(ちゅう)菌糸(きんし)(きん)(かく)伝染(でんせん)(げん)となる。また,病原菌(びょうげんきん)土壌(どじょう)(ちゅう)雑草(ざっそう)寄生(きせい)して,水田(すいでん)(かぎ)らず畑地(はたち)雑草(ざっそう)()でも(ひろ)存在(そんざい)しているため,これが伝染(でんせん)(げん)になることもある。
田植(たうえ)(),これらからのびた菌糸(きんし)がイネ(かぶ)(ない)枯死(こし)()寄生(きせい)して増殖(ぞうしょく)し,出穂(しゅっすい)()以降(いこう)上位(じょうい)葉鞘(ようしょう)進展(しんてん)する。出穂(しゅっすい)()前後(ぜんご)降雨(こうう)(おお)いと急激(きゅうげき)発生(はっせい)する。
 球状(きゅうじょう)(きん)(かく)(びょう)詳細(しょうさい)(あき)らかではないが,被害(ひがい)ワラや刈株(かりかぶ)(ちゅう)(きん)(かく)菌糸(きんし)伝染(でんせん)(げん)となると(かんが)えられる。


 

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