島根県歯と口腔の健康づくり計画概要
1.計画策定の経緯
近年、歯と口腔の健康が糖尿病など全身の健康に関連していることが明らかとなり、歯科保健対策の重要性が認識されるようになってきたことから、平成22年2月議会において、議員提案により、「島根県歯と口腔の健康を守る8020推進条例」が制定されました。この条例の趣旨を踏まえ、生涯を通じた施策を総合的かつ効果的に推進するために、「島根県歯と口腔の健康づくり計画」を策定することとなりました。
2.計画の基本的な考え方
「島根県歯と口腔の健康を守る8020推進条例」第2条に、「歯と口腔の健康づくりは、障がい者、介護を要する高齢者等を含めたすべての県民が、生涯にわたり必要かつ良質な歯科保健医療サービスを等しく受けられるよう、適切に推進されなければならない。」と基本理念が定められています。
市町村、事業所、保険者、及び、保健医療福祉関係機関(以下、関係機関)と連携し、全ての県民を対象に、歯と口腔の健康づくりの知識の提供や動機付けを行うことにより、県民自らが歯科健診や歯科治療を受け、歯と口腔の健康づくりを実践する県民運動を展開するための基盤整備を行います。
また、関係機関が実施する施策が効果的かつ継続的に実施されるよう、歯科医師会等専門団体と連携し、専門的かつ技術的な助言及び情報提供を行うとともに、調整に努めます。
3.計画期間
平成24年度から平成28年度の5か年とします。
4.歯と口腔の健康づくりを取り巻く現状と課題
- 一人平均残存歯数は、80歳で12.8本です。8020を目指すには、県民が、歯と口腔の健康に対して、より一層高い関心をもつ必要があります。
- 一人平均残存歯数は、壮年期(40〜63歳)では7.3本減少し、高齢期(67〜80歳)では8.0本減少しています。壮年期でも高齢期と同じ程度の残存歯数が減少しており、壮年期を対象にした取り組みが重要です。
- 高齢期の生活の質を確保するには、残存歯数が減少しても、口腔機能を維持することが重要です。
- 市町村の取り組みは、乳幼児歯科保健対策と比較すると、成人歯科保健対策は不十分なです。
- 事業所においては、歯科健診を実施しているところが少ない状況です。
- 高齢者の歯と口腔の状況、全身の状況に応じた歯科治療や歯科保健指導がもとめられています。
5.歯と口腔の健康づくりのポイント
より身近なスローガン「奥歯を守ろう!口腔機能を守ろう!」をかかげ、県民自らが、むし歯や歯周病が進行する前に歯科健診や歯科治療を受け、歯と口腔の健康づくりを実践する県民運動を展開します。
6.対策の方向
(1)県民の大臼歯(奥歯)や口腔の点検の実施
歯と口腔の健康づくり経験の場の増加、奥歯や入れ歯、口腔粘膜の病気などの口腔の総点検
(2)事業所における歯科保健対策の拡大
唾液による歯周病検査の導入
(3)多様な手法を用いた住民への知識の提供
マスメディアの積極的活用、コンビニやドラッグストアとの連携
(4)糖尿病等を有する患者に対する歯科治療と歯科保健指導の実施体制の整備
歯科治療や歯科保健指導の標準化、医科歯科連携の推進
(5)高齢者・障がい者に対する良質な歯科治療と歯科保健指導の実施体制の整備
口腔ケアや口腔機能向上の取り組みへの助言、在宅歯科治療の推進
(6)歯科保健事業の評価や企画立案に関する市町村への協力
成人歯科健診・健康相談、妊婦歯科健診の拡大
(7)歯科保健医療従事者の確保
歯科衛生士、歯科技工士の養成支援
(8)災害時の歯科保健医療活動体制の確保
災害時のマンパワーや口腔衛生用品確保のための応援体制の確立
7.目標
平成38年に8020達成を目指し、年代ごとに目標残存歯数を掲げます。
平成28年 | 平成33年 | 平成38年 | (平成22年) | |
---|---|---|---|---|
50歳(45〜54歳) | 26本 | 27本 | 28本 | 25.56本 |
60歳(55〜64歳) | 23本 | 24本 | 25本 | 22.16本 |
70歳(65〜74歳) | 20本 | 22本 | 23本 | 18.58本 |
80歳(75〜84歳) | 16本 | 18本 | 20本 | 14.16本 |
8.計画の推進と進行管理
- 島根県歯科保健推進協議会や島根県健康長寿しまね推進会議等関係会議において、計画の推進を図ります。
- 毎年、島根県歯科保健推進協議会において事業実施方針を策定し、進行管理を行うとともに、島根県保健医療計画等関連計画や国の施策と整合性をとりながら推進します。
お問い合わせ先
健康推進課
・療養企画係/療養支援係(被爆者対策、肝炎医療費助成、ハンセン病対策、調理師・栄養士免許など)0852-22-5329
・難病支援第一係/難病支援第二係(指定難病、小児慢性特定疾病など)0852-22-5267
・健康増進第一係/健康増進第二係(食育、歯科保健、生活習慣病予防、たばこ対策、健康増進など)0852-22-5255
・子育て包括支援スタッフ(母子保健、不妊治療費助成など)0852-22-6130
・国民健康保険係/医療保険係(国民健康保険、保険医療機関及び保険薬局の指導など)0852-22-5270・5624
・がん対策推進室(がん対策の推進及び総合調整)0852-22-6701
FAX 0852-22-6328
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