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三瓶山の地形と景観

三瓶山の山体は、溶岩流と砕屑岩の累層からできています。外側に向かってかなり急な傾斜をなし、トロイデ型(鐘状)火山の特色をよく示しています。これに対し、裾野は凝灰角礫岩の層がつみ重なってゆるやかな傾斜をなし、西の原、東の原、北の原などの広々した高原を展開しています。

  

三瓶山の形成

三瓶火山は2つの大きな火山活動でできたと考えられています。その1つは日影山で代表される古三瓶火山をつくった活動で、もう1つは男三瓶山に代表される新三瓶火山をつくった活動です。

  
古三瓶火山の活動は今から約3万年前で、大量の軽石の噴出により始まりました。その噴出口は今の三瓶山の直下にあり、噴出物がまわりに軽石層としてたい積したり、周囲の谷間を埋めながら流下していったと考えられています。この噴出物の量は莫大で、地表が大陥没していわゆるカルデラをつくり、外輪山に囲まれた今日の三瓶山の広い裾野の原形ができたのです。

  
今から1万6千年ほど前、新三瓶火山をつくる第2の活動期を迎えます。古三瓶火山の活動と同様、軽石火山灰などの噴出をくり返して新三瓶火山としての溶岩円頂丘を形成し、など2次的爆発や崩壊が続いて火山泥流を裾野にたい積し続けました。
  

最後に室の内火山を中心とする噴火があり、新三瓶火山の中心部が吹き飛ばされました。これが現在の室の内火口で、今も二酸化炭素の噴気が続いています。

    

三瓶山の草原

三瓶山の山麓には、北の原、西の原、東の原と呼ばれる草原が広がっています。これらの草原は、森林が伐採された後、採草地や放牧地として利用されたためできあがったものです。このように人間の手によってできた草原は二次草原と呼ばれ、三瓶山山頂部あたりにある自然草原と区別されています。

  
日本の温帯では、採草地として粗放的に利用されるところはススキ草原に、放牧地として牛や馬に踏みつけられるところはシバ草原になります。ススキやシバの草原は放牧や採草などをやめてしまうと、やがてヌルデ、ウツギなどの低木が繁り、さらにアカマツ、クロマツなどが生え出して元の森林にもどってしまいます。三瓶山麓の草原にもすでにいろいろな低木やクロマツが生えてきており、草原から森林への移り変わりがはっきり見られます。草原を維持していくために、一部で幼木の伐採などが行われています。

    

三瓶山の池

三瓶山の池は、北の原の黒ぼく地に男三瓶から湧き出る湧水がたまってできた池で、水深はわずか1m程度の浅い池です。池の周囲を一周してみるとわかりますが、この池には流入する川も流出する川もありません。水底には水深と同じくらいの厚さで堆積物がたまっており、池の一生としてはもっとも老化した姿を見せています。

  

三瓶山北の原にある姫逃(ひめのが)池には、浮島が見られます。これはカキツバタ、エゾミソハギ、ヨシといった植物の根からできた小さな島です。水面に浮かんでいるので浮島と呼ばれ、風が吹くと移動します。以前は8個あった浮島もヨシなどが地底に根をおろしたために、現在では1個しか見られなくなりました。

   

   姫逃池の浮島の写真

 姫逃池の浮島

  


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