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島根県環境基本条例


環境基本条例

平成9年10月17日
島根県条例第29号

 

わたしたちは、緑豊かな山々からもたらされる清らかな水や心地よい大気に包まれ、人と自然が織りなす豊かな環境の恵みを受けて、今日のふるさと島根を築いてきた。
しかしながら、資源やエネルギーの大量消費などを伴う近時の社会経済活動は、人々の生活を物質的に豊かにし、その利便性を高める一方、環境への負荷の増大をもたらし、今日では、地域の環境のみならず地球の温暖化やオゾン層の破壊など人類の生存基盤である地球全体の環境さえも損なうおそれを生じさせている。
この島根においても、わたしたちの日常生活や通常の事業活動に伴う水質の汚濁や廃棄物の問題などが生じ、加えて、過疎化や高齢化の進行などにより森林や農地が有する環境の保全機能の維持が困難となる事態も生じている。
もとより、わたしたちは、健康で文化的な生活を営む上で良好な環境の恵沢を享受する権利を有しているとともに、良好な環境を守り、はぐくみ、これを将来の世代に引き継いでいく責務を有している。
今こそ、わたしたちは、自らの日常生活や社会経済活動の在り方を見つめ直し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築していかなければならない。
ここに、わたしたちは、島根の環境を保全し、快適な環境の創造に向けて取り組むことを決意し、この条例を制定する。
 


第1章総則

(目的)
第1条

この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに県、市町村、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
 

(定義)
第2条

この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2.この条例において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに県民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

3.この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の堀採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

 

(基本理念)
第3条

環境の保全は、県民が健康で文化的な生活を営む上で欠くことのできない良好な環境を確保し、これを将来にわたって維持することができるように、適切に行われなければならない。

2.環境の保全は、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会を構築することを旨として、すべての者の自主的かつ積極的な取組により行われなければならない。

3.地球環境保全は、地域の環境と地球環境が深いかかわりを有していることにかんがみ、すべての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。

 

(県の責務)
第4条

県は、前条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
 

(市町村の責務)
第5条

市町村は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、その区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
 

(事業者の責務)
第6条

事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

2.事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3.前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4.前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

 

(県民の責務)
第7条

県民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2.前項に定めるもののほか、県民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、県又は市町村が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

 

(年次報告)
第8条

知事は、毎年、環境の状況、環境の保全に関して県が講じた施策等に関する報告書を作成し、公表しなければならない。
 

第2章環境の保全に関する基本的施策
第1節施策の策定等に係る指針

第9条
県は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1)人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
(2)生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。
(3)人と自然との豊かな触れ合いが保たれるとともに、良好な景観の形成その他の潤いと安らぎのある生活空間の形成が図られること。

第2節環境基本計画
第10条
知事は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2.環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1)環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
(2)前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3.知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、島根県環境審議会の意見を聴かなければならない。

4.知事は、環境基本計画を定めるに当たっては、県民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

5.知事は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6.前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。


第3節環境の保全のための施策
(環境への配慮)
第11条

県は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。


(環境影響評価の推進)
第12条

県は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
 

(規制の措置)
第13条

県は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

2.県は、自然環境の保全上の支障を防止するため、その支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。

3.前二項に定めるもののほか、県は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

 

(経済的措置)
第14条

県は、事業者又は県民が自らの行為に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の環境の保全のための適切な措置をとることを助長するため、必要かつ適正な経済的な助成その他の措置を講ずるように努めるものとする。
 

(環境の保全に関する事業の推進)
第15条

県は、河川、湖沼等の水質の浄化、絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖その他の環境の保全上の支障を防止するための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2.県は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設その他の環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

3.県は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

4.県は、良好な景観の形成その他の潤いと安らぎのある生活空間の形成のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

 

(資源の循環的な利用等の促進)
第16条

県は、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用並びに廃棄物の減量及び適正な処理が促進されるよう、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
 

(環境教育及び環境学習の振興等)
第17条

県は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実により事業者及び県民が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。
 

(自発的活動の促進)
第18条

県は、事業者、県民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。


(情報の提供)
第19条

県は、第17条の環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに前条の民間団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。


(調査の実施)
第20条

県は、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測に関する調査その他の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
 

(監視等の体制の整備)
第21条

県は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定、検査等の体制の整備に努めるものとする。
 

(試験研究体制の整備等)
第22条

県は、環境の保全に関する施策の推進に資するため、試験研究の体制の整備並びに研究開発の推進及びその成果の普及に努めるものとする。

第4節地球環境保全の推進等
第23条

県は、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護、生物の多様性の確保その他の地球環境保全に関する施策を推進するものとする。

2.県は、国、他の地方公共団体、国際機関等と連携し、環境の保全に関する調査研究、情報の提供、技術の活用等により、環境の保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。


第5節推進体制の整備等
(推進体制の整備)
第24条

県は、環境の保全に関する施策を総合的に推進するため、その機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図るための体制を整備するものとする。

2.県は、市町村及び民間団体等と連携し、環境の保全に関する施策を積極的に推進するための体制を整備するものとする。

 

(市町村に対する支援)
第25条

県は、市町村が実施する環境の保全に関する施策を支援するように努めるものとする。
 

(国及び他の地方公共団体との協力)
第26条

県は、広域的な取組が必要とされる環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と協力して推進するものとする。
 

附則
この条例は、公布の日から施行する。
 



お問い合わせ先

環境政策課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
TEL:(0852)22-6379 FAX:(0852)25-3830
E-mail:kankyo@pref.shimane.lg.jp