アスベストの規制は、いつどのようなことが規制されていますか?
石綿関係法規の変遷については表のとおりです。
年号 | 法規、通達名 |
法規・通達の概要など |
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昭和35年 (1960) |
「じん肺法」制定 |
じん肺健診について規定(石綿も対象) |
昭和46年 (1971) |
「労働基準法特定化学物質等障害予防規則」(特化則)制定(5月1日施行) |
製造工場が対象、局所排気装置の設置、作業環境測定の義務付け(測定方法の規定なし) |
昭和47年 (1972) |
ILO、WHOの専門家会議等で石綿ががん原生物質と認められる |
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「労働安全衛生法(安衛法)」制定、「特化則」再制定(10月1日施行) |
安衛法が新たに制定され、特化則は同法に基づく規定に |
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昭和50年 (1975) |
「労働安全衛生法施行令」(安衛法施行令)の改正 |
名称等表示(石綿5%超対象) |
「特化則」の大改正(昭和45年ILO職業がん条約批推のため) |
石綿5%超対象、取扱い作業も対象、石綿等の吹付け作業の原則禁止、特定化学物質等作業主任者の選任、作業の記録、特殊健診の実施、掲示等 |
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昭和62年 (1987) |
学校施設における吹付け石綿の使用が社会的に問題となった |
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建築基準法第2条第7号に基づく耐火構造の構造方法を指定する告示 |
建築物耐火構造の規定から吹付け石綿を用いた構造の規定を削除 |
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昭和63年 (1988) |
「作業環境評価基準」(厚生労働省告示)制定(10月1日施行) |
法規に規定されている各種物質の管理濃度を規定(石綿も対象:2f/cm3) |
平成元年 (1989) |
「大気汚染防止法(大防法)・同施行令・同施行規則」の改正(12月27日施行) |
石綿を特定粉じんとし、特定粉じん発生施設の届出、石綿製品製造/加工工場の敷地境界基準を10f/Lと規定 |
平成3年 (1991) |
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)の改正(平成4年7月4日) |
特別管理産業廃棄物として「廃石綿等」を新たに制定。吹付け石綿、石綿含有保温材等の石綿を含有する廃棄物が該当 |
平成7年 (1995) |
阪神・淡路大震災 |
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「労働安全衛生法施行令」の改正(4月1日施行) |
アモサイト(茶石綿)及びクロシドライト(青石綿)の製造、輸入、譲渡、提供又は使用の禁止 <経過措置> 施行日前に製造され、又は輸入されたものについては、法第五十五条の規定は適用しない。 (製造等禁止製品であっても、施行日前に製造され、輸入されたもの、いわゆる在庫品は使用等が認められていた。) 安衛則及び特化則の規制対象となる石綿含有物の範囲を含有量が5%を超えるものから他の特化則規制対象発がん物質にあわせて1%を超えるものに拡大 (特化則は石綿の吹付け作業について規定。この時点ではクリソタイル(白石綿)は製造等は禁止されておらす、平成16年(2004年)まで高濃度の石綿含有成形板建材等が製造されていた。 クリソタイルを含めて石綿の製造等が禁止されるのは平成18年(2006年)である。) |
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「労働安全衛生規則」の改正(4月1日施行) |
耐火建築物等における石綿除去作業に関する計画の届出の義務付け |
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「特化則」の改正(4月1日施行) |
1.事業者は次の措置を講じたときは、前項のものを吹き付ける作業に労働者を従事させることができる。 (1)特定作業における保護具、作業衣等の使用 (2)吹き付けられた石綿等の除去作業における作業場所の隔離 2.解体工事における石綿等の使用状況の調査等による規制強化 |
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平成8年 (1996) |
「大防法」の改正(平成9年4月1日施行) |
特定建築材料(吹付け石綿)を使用する一定要件をみたす建築物の解体・改造・補修する作業が「特定粉じん排出等作業」となり、事前届出、作業基準の遵守義務を規定 |
平成9年 (1997) |
「大防法施行令・同施行規則」の改正(4月1日施行) |
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平成11年 (1999) |
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」制定 |
特定第一種指定化学物質として石綿が規定され、年間500kg以上使用する場合に、環境への移動・排出量を国への報告義務付け |
平成16年 (2004) |
「労働安全衛生法施行令」の改正(10月1日施行) |
建材、摩擦材、接着剤等10品目の石綿含有製品の製造、輸入、譲渡、提供又は使用の禁止 <経過措置> 施行日前に製造され、又は輸入されたものについては、労働安全衛生法第五十五条の規定は適用しない。 (製造等禁止製品であっても、施行日前に製造され、輸入されたもの、いわゆる在庫品は使用等が認められていた。) |
告示「作業環境評価基準」(平成17年4月1日施行) |
石綿の管理濃度を改正 |
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平成17年(2005) |
大手機械メーカーが従業員が中皮腫で死亡したことを公表し、アスベストが社会問題となった |
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「石綿障害予防規則」の制定(7月1日施行) |
特定化学物質等障害予防規則から、石綿関連を分離し、単独の規則である石綿障害予防規則を制定。解体・改修での規制(届出、特別教育、石綿作業主任者等)を追加建物所有者・管理者に、 (1)建築物所有者・管理者は工事請負人に石綿製品使用状況を通知努力義務(第8条) (2)建築物所有者・管理者は暴露のおそれがあるとき吹付け石綿管理・除去措置(第10条) |
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「大防法施行令・同施行規則」の改正(平成18年3月1日施行) |
吹付け石綿の規模要件等の撤廃と特定建築材料に石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材が追加。掻き落し、破砕などを行わない場合の作業基準を規定 |
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平成18年 (2006) |
「労働安全衛生法施行令」の改正(9月1日施行) |
製造、輸入、譲渡、提供又は使用を禁止する対象を、石綿及び石綿を0.1重量%を超えて含有する製剤その他に拡大 <経過措置> 施行日に現に使用されているものについては、同日以後引き続き使用されている間は、労働安全衛生法第55条の規定は適用しない。 (製造等禁止製品は、旧来のものについての在庫品についても、使用等を認めない。) |
「石綿障害予防規則」の改正(10月1日施行) |
(1)封じ込め又は囲い込みの作業も、除去作業に準じた規制強化 (2)石綿等が吹き付けられた建築物等での臨時の業務の規制強化 (3)作業記録の保存期間を40年間に延長 |
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「大防法」の改正(10月1日施行) |
法対象の建築物に加え工作物も規制対象となる |
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「廃棄物処理法」の改正(10月1日施行、一部8月9日施行) |
無害化処理認定制度を創設(8月9日施行)。 断熱材及び耐火被覆材も特別管理産業廃棄物とする |
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「建築基準法」の改正(10月1日施行) |
増改築時に吹付けアスベストの除去を義務付け |
年号 | 法規、通達名 |
法規・通達の概要など |
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平成20年(2008) |
「石綿則」等の一部を改正する省令等(施行期日:2009.4.1) |
・事前調査の結果の掲示 ・隔離の措置を講ずべき作業範囲の拡大、隔離の措置等 ・吹付け石綿除去作業について電動ファン付き呼吸用保護具着用を義務づけ ・船舶の解体等の作業に係る措置(施行期日2009.7.1) |
平成23年 (2011) |
「石綿則」の一部を改正する省令 |
船舶の解体等について、建築物解体等と同等の措置を義務付け |
平成24年 (2012) |
「安衛法施行令等」の一部を改正する政令(施行期日:2012.3.1) |
石綿0.1重量%超の製品の製造等禁止の猶予措置を撤廃 |
平成25年 (2013) |
「大防法」の改正 (施行期日:2014.6.1) |
届出義務者を発注者に変更、解体等工事の事前調査及び説明の義務化、作業基準の改正 |
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」(国土交通省告示) |
建築物の通常使用における石綿含有建材の使用実態の把握推進のため、同規定を創設 | |
平成26年 (2014) |
石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:2014.6.1) |
集じん・排気装置の排気口からの石綿漏えいの有無の点検、作業場前室の負圧状態の確認、損傷・劣化等石綿粉じん発散のおそれがある保温材等の除去等の対応の追加 |
平成29年 (2017) |
「石綿含有仕上塗材の除去等作業における飛散防止対策について通知」(環境省) |
石綿含有仕上塗材の除去作業における飛散防止対策について、吹付け工法で施工されたものについては吹付け石綿として扱うこととした。 |
平成30年 (2018) |
「安衛法施行令」、「安衛則」の改正(施行期日:2018.6.1) |
分析、教育用の石綿の製造・輸入・使用等を可能とした |
「石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:2018.6.1) |
石綿分析用試料等の定義、製造に係る措置、製造許可、届出等を規定 | |
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」(厚労省・国交省・環境省告示) |
3省連携により、国交省の旧規定の内容に解体時の事前調査に必要な知識を追加 | |
令和2年 (2020) |
「大防法」の改正 |
すべての建材への規制拡大及び作業基準の適用、事前調査方法の法定化・資格者による事前調査の実施、事前調査結果の記録の保存及び都道府県への報告の義務付け、取り残し等の確認及び記録の保存の義務化、直接罰の創設等 |
「石綿則」の一部を改正する省令(施行期日:一部除き2021.4.1) |
事前調査及び分析調査を行う者の要件の新設、計画届の対象拡大、事前調査結果の届出制度の新設、隔離(負圧不要)を要する作業に係る措置の新設、その他作業に係る措置の強化、作業計画に基づく記録・保存の義務化、石綿の有無が不明な建材に対して石綿が使用されているものとみなして工事を行うことにより分析調査を不要とする規定を吹付け材にも適用等 | |
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」の一部改正(厚労省・国交省・環境省告示) |
一戸建て等石綿含有建材調査者の講習規程を新設 |
※環境省「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル(令和3年3月)」、厚生労働省「これまでの主な政省令改正(労働安全衛生法令関係)」、「アスベスト問題に関する政府の過去の対応の検証について」、厚生労働省「労働政策審議会安全衛生分科会第25回議事録」などにより作成
お問い合わせ先
環境政策課
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 T E L: 環境政策課 [総務・予算、環境総合計画、環境マネージメントシステム] ・環境企画係 0852-22-6379 [脱炭素(カーボンニュートラル)、地球温暖化対策、環境学習、循環型社会] ・エコライフ推進係 0852-22-6743 [再生可能エネルギー] ・再生可能エネルギー推進係 0852-22-6713 [石綿(アスベスト)対策、大気汚染防止、騒音・振動・悪臭、水質汚濁、土壌汚染、温泉、フロン対策] ・規制係 0852-22-5277 [環境影響評価、休廃止鉱山・鉱害、公害紛争処理] ・モニタリング係 0852-22-6555 宍道湖・中海対策推進室 0852-22-6445 F A X:0852-25-3830 E-mail:kankyo@pref.shimane.lg.jp