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ごあいさつ

シンボルのしめ縄

 

島根県産業技術センターは島根県における産業振興とその継続的発展を支え、推進するために、産業技術支援、研究開発拠点として設置され、所員一同全力を挙げて任務を全うすべく取り組んでおります。すなわち、島根県条例の中に"産業技術の向上及びその成果の県内企業への普及を推進し、もって本県産業の振興を図る"と云う目的が明記されているわけであります。

中には、島根県の実情に合う、島根県内の企業の様々な問題解決のための支援をすればよく、島根県と云う規模と身の丈に合った活動をすればよい、と云う方もありますが、我々はそれだけでは決して役割を果たしたことにならないと思っております。産業、経済、社会の活力は決して安閑としていては維持、発展できるものではありません。常に努力が必要であります。日々の日常業務を淡々とこなし、対応しているだけでなく、常に前向きに行動する必要があると思っております。

 

バブル崩壊以来リーマンショックなど様々な困難な事態が発生し、かなり長い間厳しい状況下にあった日本は、平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震、巨大津波による東日本大震災、それが引き金になって起こった東京電力福島第一原子力発電所の重大事故とそれによる広域避難地域の発生などの深刻な事態のため決定的な大打撃を受けました。その後の政府のリーダーシップの欠如もあって円高、企業の海外シフトの加速などで、我国は大変な状況にあったことはご承知の通りであります。すなわち日本産業の存亡の危機にかかわるような状況が発現したわけであります。それまで当たり前と思っていたことが実は当たり前ではないということが多くの方に理解され始めたわけであります。たとえば電力不足により、日常生活、産業活動に大きな制約がかかり、当たり前のように使ってきた電気がいかに有難い重要なものであるかと云うことが強く認識されることとなりました。平成24年末の政権交代以来政府の積極的姿勢への転換により状況はよくなりつつあるように見えますが、決して楽観視して自動的に明るい方向への転換が進むと予断できるものではありません。すなわち基本的な状況、背景は以前と大きく変わっており、グローバル化が大きく進展している中にあっては並大抵ではない努力、大きな考え方の転換が求められているわけであります。

 

日本のこの様な状況の大きな変化は島根県のような地方の産業、経済状況、雇用状況などにはさらに増幅されて影響がおよび非常に難しい局面にあります。一般的に云いますと、東アジア、インドなどを始めとする国々の著しい経済成長が、新しい刺激となり景気向上の牽引力となる反面、これの地域の国々が強力な競争相手となってきた結果、島根県はもとより日本産業の将来が楽観できない容易ならざる局面にあると云っていいと思われます。すなわち島根県と云えども急激に変化するグローバル経済の真っただ中に組み込まれているわけで、常に世界を視野に入れて施策、研究、開発を行う必要があるわけであります。すなわち産業、経済、社会の活力の維持、発展は容易なものではなく、いろいろな難しい状況に立ち至ることがしばしばありますので、常に新しい可能性を開拓する努力も必要であります。

 

実際、様々な要因で状況が劇変することが歴史上しばしばあります。例えば、科学技術の極めて大きな革新的変化が起こった時、資源、環境から大きな制約がかかった時、国際間の経済力、技術力、労働力のバランス変化した時、天変地異、大戦争が起こった時などがあります。これらの状況は産業の種類や構造、社会のシステム、活力、生活を劇変させ、時には致命的な産業の衰退をもたらし、経済状況が一気に悪化し、社会が活力を失ってしまうと云う恐れが常にあります。

したがって、我々は伝統の技術、産業を維持発展すると共に常に状況を適切に判断し、将来を正しく見据えることによって常に新しい技術、産業を創造する努力を続ける必要があります。

すなわち、この島根県と云う小さな地域と云えども、世界を先導する新しい科学技術を創造していく必要がありますし、また、それが可能であると確信しております。これによって、島根県産業、経済の発展を推し進めるため、積極的に地域企業に開発した新技術を移転すると共に、域外からの企業誘致のきっかけを作り、さらに次世代を担う子供、青少年達に夢を与え、科学技術離れを止め、人材流出を抑え、逆に、積極的に人材誘致ができるよう、魅力の発信もしたいと思っております。また、島根県に進出された企業に対しても可能な限り最大限の支援を行っています。

 

そのためセンター業務としては、既存産業の技術支援、依頼試験、依頼分析、機器開放、技術研修、技術情報発信などを行うと共に、日々新たな研究開発を行い企業と一緒に新しい製品、事業の展開を図っている他、将来の産業発展の芽を生み、育てるために積極的にいくつかの課題を選定し重点的に研究を推進してまいりました。

特に、平成25年3月まで、新産業創出プロジェクトとして、近い将来極めて重要となると考えられる五つの技術課題を設定し焦点を絞って、世界を先導すべく全力投球を行っていまいりました。五つのプロジェクトは、〇熱制御システム開発プロジェクト、〇新エネルギー応用製品開発プロジェクト、〇ICT技術開発プロジェクト、〇機能性食品産業化プロジェクト、〇プラズマ熱処理技術開発プロジェクトであります。すなわち、日本のみならず、世界を先導すると云う心構えを持ってこれらの研究開発を推進してまいりまして、その成果が着実に出てきていると確信しています。

 

これらの経験、成果を踏まえ、平成25年4月からは先端技術イノベーションプロジェクトとして新たに九つのテーマを設定しさらに鋭意研究開発に着手しました。

具体的なテーマは、〇特殊鋼・素形材加工技術強化プロジェクト、〇溶射・気相成膜発展技術開発プロジェクト、〇レアメタル代替技術開発プロジェクト、〇次世代パワーエレクトロニクス技術開発プロジェクト、〇熱・シミュレーション応用技術開発プロジェクト、〇ヒューマンインターフェイス技術開発プロジェクト、〇有機フレキシブルエレクトロニクス技術開発プロジェクト、〇高齢社会対応の機能性素材開発プロジェクト、〇感性数値化・食品等高付加価値化プロジェクト

この新しいプロジェクト課題の設定、選定の基本方針は、〇基本的に研究員の提案であること、〇原則として県内企業との連携を視野、〇グローバル化の中で県内企業を活性化、新産業創出、出荷額、雇用増大をもたらすものであることとし、〇期間は原則5年間、〇副次的に企業誘致にも効果期待であるなどの観点もおき、国内外の産業界、技術に精通する有識者、学識経験者、経済界、県関係者の評価、提言も受け入れて決定したものであります。

 

いつも所員に云っていることの中に、自らの地域とその歴史に絶対の信頼、自信と誇りを持つべきであり、それが全てを可能にすると思われると述べております。

島根県は歴史上決して地方の特徴のない土地柄ではなく、それどころか、かつては日本を引っ張る、力強く先導する地域でありました。それは、例えば、"たたら"に始まる製鉄技術、中世において世界の銀の半分にも及ぶ産出を誇った石見銀山、日本の歴史解釈をひっくり返した銅剣、銅矛、銅鐸などの大量出土など、この地の金属関連の歴史を見れば明らかですし、信じられないほどの巨大な出雲大社の建造などを見ても、この地は日本を引っ張って来た、その時代時代の先端技術の本拠と云って良いように思います。

 

我々所員一同は、このような歴史的背景に誇りと自信を持ち、現在の難しい状況を解決するけん引役を努めるべく全力投入しているところであります。

私は当センターのシンボルとして文頭にある写真のような図を使っております。この図は出雲大社の巨大なしめ縄とカーボンナノチューブを撚って作った撚り糸の10万倍に拡大した電子顕微鏡像がスムーズに繋がっていることを示すものです。このシンボルで云いたいことは、この地、当センターは、古代からの伝統、高い技術と現代の最先端技術を融合し新しい発展をもたらす、非常に重要な開拓の中核拠点であると云うものです。

 

当センターは決して敷居の高い、難しいことをやっている機関ではなく、企業の皆様、県民の皆様にとっては最も身近で、頼りにできる機関、組織でありたいと思い努力しております。お気軽にお声をおかけいただき、様々な技術課題、科学技術に関する課題などについてご相談、ご利用をいただきたいと思っております。それがまた、我々所員の新しい刺激となり更なる発展に繋がるものと確信しております。

 

島根県産業技術センター所長の写真

島根県産業技術センター所長

吉野勝美


お問い合わせ先

産業技術センター

島根県産業技術センター(本所) 〒690-0816 島根県松江市北陵町1番
 TEL: 0852-60-5140 FAX: 0852-60-5144
 Mail: sangisen@pref.shimane.lg.jp

浜田技術センター(支所) 〒697-0006 島根県浜田市下府町388-3
 TEL: 0855-28-1266 FAX: 0855-28-1267
 Mail: hamagi@pref.shimane.lg.jp