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島根県水産技術センター研究報告第10号(2017年3月)

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報文

島根半島産アカアマダイの年齢組成推定(PDF;3,189KB)

松本洋典

(要旨)

アカアマダイは成長の雌雄差が大きいこと,単価が高いため得られる標本数が限られるなどの理由から,島根県海域においては年齢組成を適切に把握するためのAge-Length-Keyが構築されていなかった.そこで島根県東部の小伊津漁港に2015夏期に水揚げされたアカアマダイ漁獲物を用いて,銘柄別漁獲量データを用いた年齢別漁獲個体数の算出方法,および限られた数の標本から最尤法によってAge-Length-Keyを作成する方法について検討した.

得られたAge-Length-Keyは既知のアカアマダイの生物学特性および海域特性を十分に反映したもので,実用に際して矛盾は生じないと考えられた.今後はこの手法を利用して他の季節についてもAge-Length-Keyを構築する必要がある.

 

隠岐周辺海域のばいかご漁業における漁具の目合い拡大による効果について(PDF,2,030KB)

池田博之・為石起司・白石陽平

 隠岐周辺海域では,エッチュウバイを漁獲対象とするばいかご漁船が4隻操業しており,地域の重要な漁業となっている.しかし、平成12年以降,代船建造による漁船能力の向上により漁獲圧が上昇したこともあり,漁獲量が急激に増加したが,平成17年以降は減少傾向にある.

 そこで,資源の維持・増大及び持続的利用を図るための手法の1つとして,小型貝を保護するために漁具の目合いを7節に拡大した試験操業を実施し,資源保護の効果及び経営への影響を検証した.

 その結果,4隻全てのかごの目合いを拡大した場合,現状では出荷している小型貝を年間33万個保護できる一方で,漁獲金額は一時的に年間200〜300万円/隻減少すると試算された.しかし,数年後には保護した小型貝が親貝として再生産に寄与することで資源の持続的利用が可能となる上,単価の高い大型貝の資源量増加により,長期的にはその影響は緩和されるものと期待される.

資料

2015年の江の川におけるアユの産卵と産卵場の河床の状態(PDF,4,267KB)

寺門弘悦・曽田一志・古谷尚大・吉田太輔・高橋勇夫

 江の川における2015年のアユの産卵場の河床の状態等を調査し,造成の必要性を検討した.谷住郷の瀬およびセジリ上の瀬で少なくとも合計2,400m2程度の産卵の適地が見込まれた.これに親魚量が少ない事を加味し,江川漁協とも協議のうえ造成は行わないと判断した.その後の産卵状況の調査から,谷住郷の瀬とセジリ上の瀬で合計1,160m2で産着卵を確認し,事前調査の判断が妥当であったと考えられた.

 

マアナゴの漁獲不振にかかる漁場環境調査(PDF,1,837KB)

寺門弘悦・沖野晃

 あなごかご漁業でのマアナゴの漁獲不振の原因を調べるため,漁場内の2地点で底層水温および漁業者が原因と疑う魚群探知機に出現する反応(動物プランクトンと仮定)について調査した.その結果,反応を示す動物プランクトンは特定できなかった.漁場の底層水温は約7℃であり,マアナゴの摂餌活性が低下する水温帯であった.したがって,マアナゴの漁獲不振の原因は低水温によるものと考えられた.

 

中海における貝毒原因プランクトンの季節推移(PDF,5,695KB)

松本洋典

 近年,垂下式二枚貝養殖の可能性が検討されている中海水域において,2年間にわたって貝毒原因プランクトンについて検鏡調査を月1回,サルボウガイとアサリを対象とした麻痺性および下痢性貝毒についての毒性検査をそれぞれの出荷時期にあわせて4回実施した.

 確認された貝毒原因プランクトンは3種で,下痢性貝毒原因プランクトンではDinophysisacuminataDinophysiscaudata,麻痺性貝毒原因プランクトンではAlexandriumcatenellaであった.これらのうち最も頻繁に確認されたDinophysisacuminataは本水域における再生産の可能性が示唆された.

毒性検査では麻痺性貝毒,下痢性貝毒のいずれも検出されなかったが,今後も継続的に本水域でのモニタリングを継続し,出現プランクトンおよび二枚貝毒化の動向を長期的に把握する必要がある.

 


お問い合わせ先

水産技術センター

島根県水産技術センター(代表)
〒697-0051 浜田市瀬戸ヶ島町 25-1
TEL.0855-22-1720 FAX.0855-23-2079 E-Mail: suigi@pref.shimane.lg.jp