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島根の豊かな川と湖

ヤマトシジミの一生

 

 

シジミの生活史

 

卵と幼生期
水中で受精したヤマトシジミの卵は水中をただよいながら分割をはじめ、やがて幼生になります。幼生はしばらくの間湖の中を漂います。卵や幼生の発生にはある程度の塩分が必要です。幼生はしばらくは水の中を漂っており、この間に水の流れなどにより遠くまで運ばれることもあります。

 

産卵
ヤマトシジミは毎年夏の時期(主に6月〜9月)に卵を産みます。ヤマトシジミの雌は卵を、オスは精子をそれぞれの出水管から出します。卵の大きさは直径0.1ミリほどでとても小さいので、産卵はちょうど煙突から煙が勢いよくふきだす感じに見えます。
1個のメスは1回に数十万個の卵を産みます。産卵後すぐに水中でオスの出した精子とメスの産んだ卵が出会って受精します。

 

成熟
ヤマトシジミは殻長12mm程度になると成熟して卵や精子を持つようになります。ヤマトシジミにはオスとメスがあり、殻を開けて中の身を見ると雌雄の区別が出できます。卵を産む時期(主に6月〜9月)になると、身の色が白っぽく、雌は黒っぽくなってきます。オスの身が白く見えるのは体の中に精巣が発達してくるためで、雌の身が黒っぽく見えるのは体の中の卵ができてくるからです。

 

浮遊生活から着底生活へ
受精から1週間ほどで幼生には殻ができて稚貝になり、湖底に沈みます(着底)。着底したばかりのシジミは砂粒くらいの大きさなので人目にはつきませんが、調べてみると夏の時期には宍道湖底のいたるところに稚貝がたくさん見られます。着底した稚貝は湖底で成貝と同様の生活を始め、プランクトンなどを餌に成長します。

 

成長
ヤマトシジミの成長には時間がかかり、宍道湖で漁獲サイズ(殻長*17mm以上)になるには最低でも2年以上かかります。一例では生後1年で殻長5mm、生後2年で殻長10mm、生後3年で殻長15mm、生後4年で殻長18mm程度になります。(成長は生息環境によりかなり異なります。)
ヤマトシジミは水温20-25℃の春季・秋季にもっともよく成長します。ヤマトシジミは条件が良く人間の漁獲がない場所では成長を続けて大きくなり、殻長40〜50mmにもなります。寿命ははっきりしませんが10年以上は生きると思われます。

シジミの成長

宍道湖でのヤマトシジミの成長の一例

 

*殻長とは殻の横幅を言います。殻長の説明

 

 

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水産技術センター

島根県水産技術センター(代表)
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