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地域をあげてノーテレビ・ノーゲームに取り組むには                      (伊藤紀子さんへのインタビューから)

  平成21年度の第2回「子どもの生活習慣づくり」実践事例発表会を、去る11月15日(日)に隠岐の島町五箇生涯学習センターで開催すitouる予定でしたが、町内の新型インフルエンザ集団感染拡大を防止するため、共催の隠岐の島町PTA連合会と協議した結果、中止することとしました。

 そこで、「子どもたちをメディア漬けから守るために」と題して、当日ご発表いただく予定だった伊藤紀子さんに、直接インタビューし、ノーテレビ・ノーゲームの取組を推進する「秘訣」について伺いました。

 なお、伊藤紀子さんは、島根の子どもとメディアを考える会の代表として、また、松江市教育委員会小中一貫教育推進課指導講師としてご活躍です。7月に浜田市の県立大学で開催した第1回の事例発表会でもご発表いただきました。

 

 

ノーテレビ・ノーゲームに取り組むことにされた理由は?

 

  校長時代、家ではテレビやゲーム漬けで外遊びもしない子どもたちには、子どもらしい目の輝きや気力・体力が乏しいと感じていました。学力向上や生徒指導の充実等、取り組むべき教育課題は多いですが、まず取り組むべきは「テレビやゲームのない生活は楽しい」ということを子どもたちに体感させることだと強く思ったからです。

 

保護者や地域の皆さんを巻き込むには?

 

  情報発信が大切です。子どもにも保護者にも地域にも情報の内容が共通していること、全員が共感していくことがカギだと思います。テレビやゲームなどのメディアがもたらす害についての講演などを、子どもや保護者だけでなく、地域の皆さんにも一緒に聴いていただき、共感することから始めるとよいと思います。

 そして、テレビやゲーム漬けで外遊びをしない子どもたちの脳がどのようになるのか、脳メカニズムについてPTA役員会やPTA総会など様々な機会をとらえて繰り返し説明する中で、ノーテレビ・ノーゲームに一緒に燃えてくれる保護者を徐々に増やしていきます。その際、子どもの実態をアンケートや意識調査で明確にして、取組の必要性の根拠を示すと、より効果的です。

 さらに、ノーテレビ・ノーゲームによって生み出された時間で、子どもたちは読書をしたり、読書によって自分の知りたいことをさらに調べてみたり、家族団らんを楽しんだり、お手伝いをしたりと、自分の生活を自分で律するようになり、ひいては学力向上につながるということ、テレビやゲームの時間と家庭学習時間・学力には相関があるということを、学校だよりや地域の会合等で繰り返し紹介し、祖父母や地域の方など、学校の外の賛同者を増やしていきます。

 もちろん、取組を進める中で、子どもや保護者の変容を認め、学校だよりでPRしたり、顔を合わせた時を利用して伝えたりするなどの「肯定的な評価」や「エール」も必要です。

 

今後の取組は?

 

 ★松江市教育委員会の指導講師としては、小中一貫教育の取組のひとつとして、横の連携をコーディネートしていきたいと思います。各校区の保・幼・小・中の子どもたち・学校・保護者が共通理解のもとで、同じ目的(家庭学習の時間の確保とか家庭読書の推進、手伝いの薦めなど、各校区で決定)や方法で取り組んでいくことを支援することです。校区で協働して取り組む中で、地域全体にもノーテレビの趣旨が広まり、さらに松江市全体の取組に高まるよう支援していくことです。

 また、取組の推進にあたっては、その手段としてのノーテレビ・ノーゲームが意識されるようにしたいと思います。その際、ノーテレビはメディア否定ではなく、子どもが自分で「ノー」と言えるようにする自律の力、自分の生活をコントロールする力を育てるものであることを丁寧に説明していきたいと思います。

 さらに、将来、父親、母親となる中学生を対象に、子どもの成長と脳のメカニズムについての指導を私が直接行う機会をもっています。それにより、「キレル」原因やノーテレビ・ノーゲームの必要性が分かり、自分自身の生活を振り返るとともに、将来の親としての心構えが身に付くのではないかと考えています。

 

 ★島根の子どもとメディアを考える会代表としては、島根の皆さんに「子どものメディア漬けによる身体と心の発達の弊害」つまり人格の歪みや人と関わる力の未発達などの弊害を、「ノーテレビ・ノーゲーム」運動によりスイッチオフにすることができるということをお伝えしたいと思います。そのため、講演会の開催や会員が各地に出かけその趣旨を伝えるなどの取組を進めたいと思います。

 

インタビュアーとしての感想

 

 1時間あまりのインタビューでしたが、伊藤さんの熱意あふれるお話に引き込まれ、時間を忘れてしまうほどでした。やはり、ノーテレビやノーゲームをはじめとする子どもたちの生活習慣を確立することは、すべての学びを支える基盤であること、取組推進のキーワードは「連携」(家庭・学校・地域の連携、専門機関との連携、幼小や小中など異校種間の連携など)であること、さらには、連携推進には「情報共有」が重要であることを改めて感じました。

 子どもたちを取り巻く教育課題は多様ですが、課題解決のためには、「情報共有」しながら「連携」していくことが共通する「秘訣」だと思いました。

 健康づくり推進室として、今後も生活習慣改善の取組を推進していくわけですが、今回のインタビューを通して、多くの示唆を与えていただきました。

 なお、2009年8月25日に発行の「2009子ども白書」(発行:草土文化、編集:日本子どもを守る会)に、伊藤紀子さんの取組が掲載されています。

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