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「ボランティア・NPO団体」活動促進のための環境整備に関する提言

 

 

環境厚生委員会提言

「ボランティア・NPO団体」活動促進のための環境整備について
                          平成14年10月
はじめに
 平成7年の阪神・淡路大震災、平成9年の日本海重油流出事故の際に注目されたボランティアの活躍や高齢者福祉等を中心としたボランティア活動は「社会活動への参加ニーズ」が高まりつつあるなかで、平成10年に「特定非営利活動促進法(NPO法)」が施行されたことから、NPO法人格が取得できるようになり、数多くのNPO法人が設立され活動が活発になってきている。
 少子・高齢化が進み、人々の価値観や県民ニーズは多様化してきており、行政にすべてのサービスを求めることは、財政状況から見ても困難となっている。
県内各地において、様々なボランティア・NPO活動や県民の自発的な活動が見受けられ、地域に密着した活動が果たす役割も注目されるようになってきている。
 県民生活の向上と活力ある地域社会の実現のためには、県民、ボランティア・NPO、企業、行政それぞれの社会的役割が尊重されつつ、お互いに連携・協働してゆくことが課題となっている。
 環境厚生委員会としては、昨年から精力的に調査活動を行い、県内で活動している環境、福祉分野のNPO等との意見交換や県外先進県の事例・実情を調査してきたところである。
 自発的な意思と自己責任のもとに、目的達成に向け熱意を持ち、柔軟な発想で多彩な取り組みをしている活動の現状に、新しい時代における新しい形のコミュニティ作りに大きな役割を担うであろうことをあらためて認識したところである。
そこで、地域の抱える問題の解決に自ら積極的に取り組んでいるボランティア・NPOの活躍に敬意を表するとともに一層の活躍を期待し、広範な分野においてボランティア・NPO活動が健全に発展していくための環境整備について提言を行うこととした。
現状と課題について
 現在、本県におけるボランティア団体は、427団体が県に登録を行っており、その主な活動分野としては保健・医療・福祉の分野が40.3%、まちづくり37.3%、子どもの健全育成33.3%環境の保全31.9%などである。
 また、県内の特定非営利活動法人の認証団体数は30団体で(平成14年9月)「NPO法」制定後、平成11年度9件、平成12年度8件、平成13年度9件、平成14年度4件と着実に増加している。その主な活動分野は保健・医療・福祉24団体、相談、援助活動団体14団体、社会教育、まちづくり各9団体、子どもの健全育成8団体などである。
 県内活動団体は小規模な団体が多く、地域に密着した活動がおこなわれているのが特徴である。市町村における支援体制の充実も求められている。
なお、全国のボランティア活動団体数は約88,000団体、特定非営利活動法人は約8,000法人となっている。
 
○ボランティア・NPO活動の果たす役割について

*行政・民間企業が提供できないサービスの提供者
ボランティア・NPOは、不特定多数の人に対し、非営利で公共的福祉サービスを行うなど社会的な役割を担っている。
行政、民間企業の活動だけでは今日の社会情勢のなかで、あらゆるニーズに対応するためには、制度的にも仕組み的にも既に困難な状況にある。
 自主的・自発的に行われているボランティア・NPOの活動が行政、民間企業が及ばない分野において、迅速・的確かつきめ細やかなサービスの供給が行われておりその存在意義は極めて重要である。
*新たな地域社会の担い手となる
共通の問題意識を持つ住民がボランティア・NPOの活動に参加することにより、その人の持つ社会的関心や問題意識を解決するための行動が結果的に他のボランティアとの連携や、行政との協働に発展すれば、地域のことは自らで解決する、「自己決定、自己責任」という地方分権時代にふさわしい新たな「住民社会」を形成していくことにもつながる。
それは、各分野相互間のみでなく各地域内の活動となり、例えば、過疎化が進み、採算性に乏しい地域における公共的サービスを提供するなど、地域社会活性化の担い手となり、その活動を通じてコミュニティの新たな連帯が生まれ、活性化に寄与していくものと考えられる。

○活動支援についての基本的な考え方について 
ボランティア・NPO活動は自主的・自発的に、自らの責任において行われるものであり、県の支援は団体の自主性・自発性を損なわないよう、間接的、側面的に活動を促進するための環境づくりに配慮すること。
県とボランティア・NPOはお互いに理解し合い、必要以上の制約を与えることなく協働して行くことが求められている。

以上のことから、次のとおり提言を行う。

1 NPOとの協働の推進について
(1)協働を推進するための基本指針の策定
本県におけるボランティア・NPO活動支援の考え方や施策の基本的な方向を示すものとして、平成11年5月「ボランティア等社会参加活動推進のための基本指針」が策定された。
この指針に基づく施策の一環として、活動支援を目的に、平成13年3月に(財)島根ふれあい環境財団21が設立され、活動促進の環境づくりや基盤整備が進められており、ボランティア・NPO活動が一層活発になるとことを期待する。
これからの分権型社会において、県民総参加の地域社会を形成する上で「行政とNPOとの協働」は不可欠である。
そこで、協働を進めていくための考え方や協働を推進していくための環境づくりを定めた基本指針の策定を行い、協働への取り組み姿勢を明らかにすること。 

2 県民総参加のボランティア・NPO活動の推進について

(1)県民への普及啓発活動の強化
人々の価値観が多様化し、我々を取り巻く環境が大きく変化する中で、ボランティア・NPO活動に参加することが交流を深めるきっかけとなり、地域の連帯意識を強め、温かなふれあいのある地域社会の形成に役立つものとして期待される。
県民総参加のボランティア・NPO活動を推進するために、インターネット、情報紙などを活用した広報活動を一層充実するとともに、様々な手段による県民への普及啓発を積極的に行うこと。

(2)災害ボランティア
災害時における行政活動に万全を期することは勿論であるが、日常から災害発生時において災害ボランティア支援の受け入れ準備が重要である。
災害ボランティア受け入れ窓口の整備として、例えば、(財)島根ふれあい環境財団21や日本赤十字社島根県支部、(社)県社会福祉協議会、医療機関相互の連携のもと支援活動促進に向けた体制整備づくりの検討を行う必要がある。

(3)行政職員研修の充実と参加の機会づくり
行政職員を対象とするNPO研修会が昨年から実施されているが、こうした研修により行政職員が活動への認識と理解を深めることは、行政とNPOとの協働の関係構築のうえで不可欠であることから研修をより一層充実させること。
  また、現職や退職後の県職員が、ボランティア・NPO活動へ参加するための情報提供や機会づくりを検討すること。


3 活動拠点の整備について

(1)(財)島根ふれあい環境財団21の機能強化
 県民が行う社会貢献活動の総合的・横断的支援と環境保全活動への支援を目的とする(財)島根ふれあい環境財団21が設立され、交流・連携、普及・啓発、情報収集・提供などの事業を行っているが、社会貢献活動に対する取り組みは十分ではなく検討が必要である。
よって、活動の拠点として、次の機能を充実・強化し、「ボランティア・NPO活動センター」として明確に位置づけることにより県民にわかりやすく利用しやすいものとすること。
1- 人材育成
活動団体の結成や維持していくためのリーダーが不足していると言われることから、NPO入門研修、NPO実務者研修、ワークショップなど研修参加の機会を増やし、リーダーとなる人材の育成に積極的に取り組むと共に、NPOの法人化にむけて積極的に支援・推進して行くこと。
2- 情報システムの構築 
情報基地としての機能を備えること。
活動を促進するために県内外の活動に関する情報や行政、民間企業における情報、各種助成情報、人材バンクなどの情報を一元的に収集・管理・提供を行い、そして情報の循環により自由に出し入れできる双方向の情報システムを検討すること。
3- 相談・コーディネート機能の充実
ボランティア・NPO活動に関する経験者、専門職員、コーディネーターを配置し、ボランティア・NPO活動に関する様々な相談に的確に対応できるようにすること。
本年度、財団に「ふれあい活動・交流室 」が開設されているが、利用者への人的サービスがなく「場」の提供にとどまっているので、効果が上がる利用方法を検討すること。


(2)運営への参画
ボランティア・NPO活動センターの運営にボランティア・NPOの参画を進めると共に、事業の策定や推進への参画も進めること。

(3)団体間の連携強化
団体の力を更に発揮するためには団体相互間の連携強化を図る必要がある。
(財)島根ふれあい環境財団21、生涯学習推進センター、(社)県社会福祉協議会などとの緊密な連携のもとに、幅広い活動分野をもつ団体間の連携強化のための場の提供や研修機会の充実を図ること。

(4)県機関での相談窓口
  県西部地方においても情報提供、相談業務等が出来るよう体制を整備すること。

(5)市町村での活動拠点の整備
  ボランティア・NPO活動は地域に密着した活動が多いことから、市町村、県・市町村社会福祉協議会等と連携を密にして、活動拠点の開設を促進すること。
 
4 NPO法人への支援について
(1)NPO認証窓口の一元化
今後、益々多様化する地域の課題に取り組む団体が増加することが予想される。
現在、認証のための相談窓口は県民課で行い、認証は当該団体の活動を所管する事業課でそれぞれ認証を行っているが、認証事務を集中管理し、相談、認証、認証後の手続きなど一貫した指導ができるよう認証窓口を一元化すること。

(2)NPO法人に対する税の優遇措置
  NPO活動を促進していくうえで財政基盤の強化は重要施策であり、その施策の一つとして税の優遇措置について検討が行われている。
国税については昨年10月から認定NPO法人制度が開始され、税の優遇措置が継続して検討されている。
現在、県税は収益事業を行わないNPO法人について法人県民税均等割の免除があるが、財政基盤を強化し、活動を促進するために法人県民税、自動車取得税、自動車税、不動産取得税などの減免について検討すること。

(3)ボランティア・NPO活動への助成制度の周知  
県では、様々な助成制度を設けてNPO活動の支援を行っているが、これらの制度が十分に県民に周知されていないので、ボランティア・NPOへの助成制度の周知に努めること。

5 行政活動への参加促進について

(1)県事業の業務委託
今後、NPO法人が様々な行政活動の分野に参加することが予想されることから、行政とのパートナーシップ(協働・連携)のもとに容易に参加できる方策や仕組みづくりの検討を行いながら協働の一形態である業務委託を促進すること

(2)業務委託の促進
現在、市町村が行う高齢者介護予防や生活支援は福祉関係ボランティアを中心に配食サービスや、外出支援サービスなどの業務委託が行われているが、更に積極的に進めるとともに、県内各地において各分野での業務委託が可能となるよう検討すること。

 



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