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決算特別委員長報告

 

     決算特別委員長報告     平成24年11月定例会

 

 決算特別委員長報告をいたします。

 

  本年9月定例会において本委員会に付託されました、知事提出第135号議案、第136号議案、及び認定第1号議案から第4号議案の6件につきましては、決算審査の結果を平成25年度の予算に反映させるべく精力的に審査・調査を行ってきたところであります。

 以下、その経過及び結果について申し上げます。  

 

 初めに、平成23年度の決算の概要についてであります。

 一般会計の歳入総額は5,490億円余、歳出総額は5,375億円余であり、主に国の経済対策を活用した事業の減少により、前年度に比べて歳入は2.5%、歳出は2.1%減少しました。翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は51億円余の歳入超過でありました。

 証紙特別会計など12の特別会計を合算した歳入総額は1,588億円余、歳出総額は1,531億円余であり、平成23年度に総務事務集中処理特別会計が新設されたこともあり、前年度と比べて、歳入は8.5%、歳出は9.4%増加し、実質収支額は55億円余の歳入超過でありました。

 

 平成23年度決算に係る財政健全化判断比率については、実質赤字比率及び連結実質赤字比率については該当がなく、実質公債費比率及び将来負担比率については、いずれも早期健全化基準を下回っております。

 実質公債費比率は16.0%、将来負担比率は183.4%と、前年度と比べてそれぞれ1.0ポイント、3.6ポイントの改善となり、平成23年度末の基金残高は245億円余と、財政健全化基本方針で目標とされている額を確保しております。これは、財政健全化の取り組みの成果として評価できるものでありますが、厳しい経済情勢や、国の制度改正等にともなう地方財政への影響が不透明な状況の中、今後も厳しい財政運営が避けられないものと考えます。引き続き、平成24年3月に策定された「今後の財政健全化の取組方針」に基づき、着実に取り組まれるよう求めます。

 

 次に、公営企業会計の決算についてであります。

 まず、病院事業会計についてであります。

 中央病院については、純損失が1億円余であり、累積欠損金は131億円余となりましたが、減価償却費など現金支出を伴わない費用を除いた償却前損益は18億円余の黒字でありました。

 こころの医療センターについては、純損失が2億円余であり、累積欠損金は29億円余となりましたが、償却前損益は1億円余の黒字でありました。

 企業局所管の電気事業、工業用水道事業、水道事業及び宅地造成事業についての各事業会計の営業実績は、電気事業は純利益8,000万円余、工業用水道事業は純損失2,000万円余、水道事業は純利益1億3,000万円余、宅地造成事業は純損失200万円でありました。

 

  本委員会におきましては、全体会及び4つの分科会において、平成23年度に係る予算執行が、議会の議決の趣旨及び関係法令等の規定に従い、適正かつ効率的に行われたか、施策の効果が十分上がったか、また、今後改善を要する点は何か、などの諸点に視点を置いて、関係各部局から各種の資料の提出を求め、詳細な説明を聴取し、また、監査委員からは、決算審査等の意見及び定期監査の結果に関する意見等について説明を受けたところであります。

 以上のような審査の結果、本委員会に付託されました議案6件は、いずれも賛成多数により、可決及び認定すべきものと決定いたしました。

                                                                     

 今後改善すべきものとして指摘する事項は、お手元に配付の「平成23年度決算における指摘事項」のとおり、1点であります。

 

 指摘事項は、公営企業会計決算に係る「病院局の個人負担分にかかる医業未収金への対応について」であります。

 中央病院とこころの医療センターの両病院においては、各種支援施策の周知などにより、未収金の発生の抑制と回収に積極的に取り組まれていますが、平成23年度末における両病院の未収金は、合計で1億5,500万円余に上っております。

 このうち、今後、回収が困難と考えられるものが最大で6,100万円余、また、請求または最終の支払いから3年以上を経過したものが3,600万円余となっております。

 悪質な未納者に対しては、毅然たる法的措置を講ずるなど、回収に努めるべきでありますが、本人の死亡や居所不明など、真にやむを得ないと認められるものについては、一定の基準を設けて債権放棄を行うなど、適切な欠損処理を進めるよう努められることを求めます。

 

 次に、分科会における審査の過程で議論された主なものについて申し述べます。

 

 まず、県立大学の運営に関する県の基本的な考え方についてであります。

 大学には高等教育機関と研究機関という両方の側面があり、大学のあり方を考え、目標を立てる際には、その両方を目指して、どちらも中途半端な結果とならないよう、今後、整合性を考慮しながら進めていってほしいとの意見がありました。

 

 次に、生活保護費の給付事業についてであります。

 近年、厳しい経済雇用情勢の影響による離職者等、稼働年齢層の生活保護受給者が増加しており、再就職できず自立できない状況がある。現在、県内ではハローワークと連携した就労支援事業や、就労支援員の配置等による就労支援を行っているところであるが、今後、これらの就労支援をさらに強化し、この制度が社会的公正を欠くことのないよう運用されるべきであるとの意見がありました。

 

 次に、商店街等への支援についてであります。

 商店街等へは、様々な支援をしているところですが、中山間地域や離島の商店、市街地の商店街等はいずれも厳しい状況にある。それぞれ置かれている状況が異なっており、経営指導員の効率的な活用や他部局との連携も含め、知恵を出し合って、それぞれの商店街等に合ったアドバイス、支援をしてほしい。また、商工会と商工会議所の連携及び交流の促進を図り、地域振興のために効率的な事業実施をしてほしいとの要望がありました。

 

 最後に、公共事業についてであります。

 中山間地域の建設業は大変厳しい状況にあり、このままでは道路の維持、除雪の問題も含め、大きな課題となるので、中山間地域に配慮した取り組みをお願いしたい。また、財源には限りがあり、今後の人口や生産力などを考慮して、県民が安心して暮らせるナショナルミニマムの観点を持ち、どこまで整備をするべきか議論することも必要である。などの意見がありました。

 

 以上、申し述べました指摘事項を始め、委員会審査の過程において出された各委員の意見や要望等について十分に配慮し、本委員会の設置の趣旨を踏まえ、審査の結果等を平成25年度の予算に反映されるよう要請いたします。

 

 本県では、財政健全化基本方針に基づき、平成29年度までの財政収支均衡の達成に向けて取り組んでおります。集中改革期間は昨年度末で終了したものの、本年度からの2年間を経過監視期間と位置づけ、国の動向等を注視しながら、引き続き財政健全化に取り組んでいるところであります。

 一方、今年度は、島根総合発展計画の第2次実施計画期間の初年度であり、「誰もが住みやすく活力ある島根」の実現を目指して、着実に取り組んでいく必要があります。

 日本経済は、円高、欧米経済の低調、新興国の経済の減速などにより、依然として厳しい状況が続いており、本県経済も同様であります。

 また、国政は極めて不透明な状況であり、来年度予算編成などへの影響が懸念されるところであります。

 このような状況のなか、執行部におかれては、今後の社会・経済情勢の変化や国の動向等を的確にとらえ、本県経済や県民生活の安定に向けて、迅速かつ適切な県政運営を行うことにより、「県財政の健全化」と「誰もが住みやすく活力ある島根」の実現の両立が図られることを期待いたしまして、決算特別委員長報告といたします。

 

 

 



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