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文教厚生委員長報告(12月16日)

 

 

文教厚生委員長報平成17年11月定例会(12月16日)

 


文教厚生委員長報告を行います。
文教厚生委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果について、ご報告いたします。
まず、付託議案の審査結果について申し上げます。
今定例会において、当委員会に付託されました議案は、「県立学校の教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」など条例案5件、「平成17年度島根県一般会計補正予算」案及び「古代出雲歴史博物館」の指定管理者の指定にかかる一般事件案であります。
これら議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、請願の審査について申しあげます。
新規に付託された請願第69号及び継続審査中の17件について、慎重に審査いたしました。
審査の結果を申し上げます。
新規請願第69号は、不登校の児童生徒が学校外にある体育施設、社会教育施設など県立施設を利用する際に利用料の減免措置を求めるものであります。
執行部からは、県内の不登校児童生徒数は、小中学校については平成13年度以降1千人を超す状況が続いていること、高校については平成10年度をピークに減少傾向にあるものの、不登校が中退に結びつくケースも多いこと、小中学校の不登校児童生徒の約44%が教育支援センターなどの相談機関を利用し、生活支援や教科指導を受けている等、不登校の現状について説明がありました。
また、現在、県立体育施設を初めとする社会教育施設では、既に小・中・高校生に配慮して利用料を無料又は減免措置しており、さらに不登校児童生徒という理由で減免措置を講じることは受益者負担の適正、他の児童生徒との比較における公平性という観点から不適当と考えること。ただし、現在、教育の一環として教員が児童生徒を引率して、美術館、博物館などの施設を利用する場合は減免措置をとっていることから、今後、教育支援センターや民間の適応指導施設の職員が不登校児童生徒を引率してこれらの施設を利用する場合においても同様の減免措置を検討したいとの意向が示されました。
委員からは、「施設利用料の減免が不登校を助長することになってはならない」、「不登校の子どもたちが学校に行けるような環境づくりが本来である」、「不登校の子どもたちの親はできるなら登校して欲しいと願っているはずであり、そうした気持に配慮すべき」等々さまざまな意見がありました。
最終的には不登校児童生徒への教育的配慮の一つとして施設利用料の減免は必要との認識で一致し、「趣旨採択」すべきものと決定したところであります。
なお、合わせて、委員から、今後、減免措置をとる際には、対応施設に漏れがないよう配慮が必要であること、不登校のこどもたちを出さないために、今後とも学校、地域、家庭が一体となった取り組みが必要である等の意見がありました。
次に、継続審査中の請願第59号についてであります。
本請願は、平成17年度の中学校歴史・公民教科書の調査、検討、選定にあたって、自国を愛する姿勢が最も表れているものが選定されることを願うというものであります。
請願の対象となる平成17年度の中学校歴史・公民教科書選定作業は既に完了しておりますが、全体を流れる願意を踏まえ、また、次回21年度の選定に向け、より適正な調査・選定のあり方を検討していくと言う見地から、引き続き「継続審査」とすべきものと決定いたしました。
その他の継続審査中の請願については、いずれも結論に至る状況にないことから、引き続き「継続審査」とすべきものと決定いたしました。
次に、報告事項など所管事項調査に関連したものについて申し上げます。
まず、教育委員会所管事項についてであります。
小中学生の学力調査、教員の指導力向上に向けた各種事業等を盛り込んだ新たな学力向上プロジェクトの概要案が執行部から示されました。
委員から、いろいろな角度からよく研究されており、その努力を評価したい。教育問題はある意味で行き着くところまできた感があるが、新プロジェクトをきちんと血が流れるシステムにしていくためには、現場の教員が教育の現状をきちんと認識し、子どもたちと真正面に向き合い、全人格をぶつけて取り組むぐらいの覚悟が必要である。教育委員会としては、その環境をどのようにしてつくっていくかが課題であるとの意見がありました。
執行部からは、心の教育や健康教育とも一体となって学力は伸びていくものと考えている。また、現在、新たな教員評価制度に取り組んでいるが、これは教員のランクづけが目的ではなく、いかに教員としてのモチベーションを高め、熱意を持って教育に取り組めるようにするか、その指導はどうすべきかといった方向性を出すための制度と位置づけているとの説明がありました。
次に、石見銀山の世界遺産登録に関し、委員から、現在、道路・下水道、観光客対応など平成19年度登録に向けて環境整備が進められつつあるが、厳しい財政状況の中、部別の取り組みには限界がある。プロジェクトの推進役として教育委員会がリーダーシップを発揮して取り組んで欲しいとの要望がありました。
これに対し、執行部からは、石見銀山の世界遺産登録は、県を挙げて取り組むべき課題として、各部局がスクラムを組んでしっかりやるよう知事から指示されている。政策企画会議での議論はもとより、関係部の次長で構成する次長会議、関係課職員の文化財課との併任発令等により諸課題に取り組んでいるところである。
地元大田市との調整会議も頻繁に持っているが、例えば、道路・交通問題については、関係機関に集まっていただき、登録直後の状態予測など専門的に詰めながら対策を検討しているところである。
また、今年初めには、行政、民間団体の代表者、個人、約200名からなる石見銀山協働会議を立ち上げ、観光客の受け入れ態勢、地域の保全対策など検討しており、いずれ官民協働による行動計画に仕上げたいと思っているとの説明がありました。
また、委員から、広島、栃木において下校時の児童を狙った殺人事件が立て続けに発生するという非常事態だが、通学路の安全確保について、学校と地域、学校と警察などの連携はいまどうなっているかとの質問がありました。
これに対し、執行部からは、現在、学校ごとの危機管理マニュアルの作成、通学路の安全マップ作成等行っているが、この度の事態を踏まえ、12月12日及び14日に、警察やPTAにも参加いただいて、東部、西部の2箇所において市町村教育長を集めた学校安全に関する緊急会議を予定している。そこで各地域の現状を把握したうえで、さらに一歩踏み込んだ対策をとっていきたいとの回答がありました。
次に、健康福祉部所管事項についてであります。
執行部から、当面する重要課題の一つである医師確保問題について、これまで県として諸対策を講じながら、県独自で対策が難しい問題については国への要望活動も行ってきたが、いまだ解決の道は明確に示されていない。全国知事会では島根県からの提案をもとに、年内に再度国への要望活動も予定されているところである。県議会でも積極的に取り組んでいただいているところだが、関係者の努力で少しでも医師確保対策が進展することを願うとともに、引き続き我々にできることは全力で取り組んでいきたいとの意思表明がありました。
最後に、新型インフルエンザに対する県の取り組みについてであります。
執行部から、11月15日に国において新型インフルエンザ対策行動計画が策定されたが、もし島根県において新型インフルエンザが大流行し、米国疾病管理センターの推計と同様、人口の25%が罹患するとした場合、最大値で外来患者数は14万5千人弱、入院患者数は3千5百人弱、死亡者数は1千名強に上るとの予測が示されました。
また、現在、本県においても地域の実情に合わせ、全庁的に連携しながら行動計画の策定を進めているが、具体的には流行の拡大規模により段階区分し、各段階ごとの行動計画案をつくり、市町村、医師会等の意見も聞いた上で12月中に策定したいとの説明がありました。
以上、今定例会での文教厚生委員会における審査及び調査の概要を申し述べ、委員長報告といたします。



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