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感性と知性と…

 イズモコバイモ

 この間の休日に川本町へユキワリイチゲとイズモコバイモを見に行きました。

どちらも彼岸前後に咲く可憐な、また絶滅危惧種に指定されている貴重な山野草です。(※ユキワリイチゲ、イズモコバイモの自生地詳細は画像をクリックしてください

昨年、それまで見てみたいと思っていた思いを果たし、今年は妻にもみせてやろうと連れて行きました。蛇足ながら、私と妻を繋いでいる糸はほんの数本で、そのうちの一本が野山の草花です。

 

 今年読んだ本の中で『スズメの少子化、カラスのいじめ』(安西英明ソフトバンク新書)があります。鳥の習性、バードウオッチングなどを通じた鳥類博物学です。鳥に関心のある方だけでなく、動物、進化論、生命の神秘に興味のある方にもお勧めしたい本です。

 

 その中に「感性を磨けば、人生は楽しい」というフレーズがありました(同書P30)。

ユキワリイチゲ

かねてから「感性・感性…」と、それこそカラスの鳴く声のように言い続けてきた私としては我が意を得たりの思いです。

 私は鳥についてはほとんど知識がありませんが、「鳥類は爬虫類から進化した」が定説であること、空を飛ぶためには単に翼が生えるだけでは不充分で(オオミズナギドリのような不器用な鳥もいます。)、骨格、筋肉まで含めた周到な進化が必要だったこと、環境への適応などによる食性や大きさの違いには興味を持っています。何しろペンギンのように水の中を泳ぐ鳥や、ダチョウのような走る大きな鳥までいるのですから…

 

 鳥と山野草。別に関連づける必要はありませんが、自然、生命の神秘ということからすれば、まさしく創造主のなせる業で、それを神といえば、神が造りたもうたといえる感動を覚えます。

この本の表現を拝借して、私は次のように教育の心髄を語ることとしました。

 

 「感性を磨けば人生が楽しくなる

 知性を高めれば人生が豊かになる」

 

 皆さんもどうか、自らの感性を磨き、知性を高め、それをもとに全人格的に子どもと向き合っていただきたいと思います。

 

 次の拙い詩は少年自然の家の所報に掲載しました。

 

###憶えているかい###

 

憶えているかい

早春のフキノトウとりのこと

春一番が吹き

日ざしに温もりがもどってきた日に

風がまだ冷たい畦道を歩いたね

小さなフキノトウを見つけた

お前は

「春はまだ赤ちゃんだ!」

と表現したね

 

憶えているかい

初夏の大万木山登りの日のこと

風が新緑に匂い

木の間からさし込む日ざしは汗ばむほどで

マツムシも鳴く沢道を昇ったね

まだ十分に沢登りができない

お前を

「ドッコイショ!」

と渡してやったね

 

憶えているかい

初秋の栗山での遊びのこと

カレンダーが九月にめくれ

心もち朝夕に涼しさを感じる頃

栗山の手伝いに連れて行ったね

険しい山道を車で昇降するスリルが

お気に入りで

お前達イトコ同士は

「キャッ、キャッ!」

とにぎやかな声の合唱だったね

 

憶えているかい

初冬のダイコンぬきのこと

山の紅葉が最後の彩りを輝かせ

風に落ち葉が舞い落ちる黒土の畑で

背丈の半分もあるダイコンをぬき

ぬけた満足感で得意気だったね

兄弟で

「ウントコショ!ドッコイショ!」

と大きなかぶらの童話の真似をしたね

 

 

 


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