• 背景色 
  • 文字サイズ 

教育長メッセージ:平成29年度市町村教育長会議(その2)

(「その1」からの続き)

 

 次に、二番目の話題として「特別支援教育の推進」について述べます。
近年、小中学校においては、発達障がいをはじめとして特別な支援が必要な児童生徒が急増しており、また障がいの特性も多様であるため、教員は、児童生徒の特性に応じた個別の指導・支援を行いながら、学級集団をまとめていくことが求められており、その負担が大きくなっています。
インクルーシブ教育の観点から小中学校おける特別支援教育を推進するため、従来、非常勤講師配置(にこにこサポート)や少人数学級編制等の施策を講じてきましたが、平成29年度から、小中学校への支援・相談体制を強化することにより、教員の負担軽減と特別支援教育の質的な向上をめざします。
具体的には、まず、特別支援教育に精通した小中学校等の教員を「支援専任教員」として各教育事務所に配置し、現場が困っていることに対して迅速かつ機動的に相談・支援対応を行います。
さらに、障がいの実態を踏まえた個別の指導・支援方法に関する専門的な相談・支援を強化するため、「センター的機能」を担う特別支援学校の人員配置を充実し、小中学校に出向いての対応を強化します。
従来の施策に加えて、こうした新たな支援体制も活用し、小中学校における特別支援教育の充実が図られるようお願いいたします。

 

 次に、三番目の話題として「教職員の健康管理」について述べます。
これまでも度々お話してきましたが、私は、「教職員のワーク・ライフ・バランスを図っていくことが大切であり、それが島根の子どもたちに質の高い教育を提供する基盤である」と考えています。この基本認識を、県・市町村の教育委員会と学校が共有した上で、教職員の方々の健康管理に取り組んでいきたいと考えます。
昨年3月、教員を対象とする勤務実態調査を実施しましたが、その回答を集計した結果、多忙感を感じている先生が全体の約84%に及び、小中学校では、資料・報告書の作成や部活動指導に負担感を感じている方が多いという実態が浮き彫りになりました。
多くの先生が、このような厳しい状況の中、目の前の子どもたちの成長する姿を励みにしながら日々の指導に当たっておられることに、頭が下がります。
長年の懸案となっているこの課題は、教職員定数が制約される構造的問題の中で生じており、その打開は容易ではありませんが、県・市町村の教育委員会と学校とが共通認識を持って、一歩ずつでも着実に前進を図っていこうという意志を明らかにすることが大切であると思います。
一方、多忙・多忙感の原因は、それぞれの学校が抱える課題によって影響を受ける側面もあります。勤務実態調査の集計結果については、県全体の状況とそれぞれの学校の状況を比較できる形にまとめ、各学校にフィードバックしていますので、実効性のある対策を進めるため、各学校において実態分析に基づいた検討を行ってもらうことが大切です。
各学校においては、昨年度から導入したストレスチェックや、校内衛生委員会等による組織的な対応、評価システムを通じて行われる教員との面談や支援など様々な手法を工夫しながら、教職員の健康管理と職場環境の改善に向けて精一杯努力していただきたいと切に願うものであります。
なお、こうした対策を進める大前提として、まず教職員の長時間勤務の実態を正しく把握することが重要であり、県立学校における調査方法も参考にされ、精度の高い実態把握に努めていただくよう、併せてお願いいたします。

 

 最後の話題として、「島根の教職員に対する信頼」について述べます。
しっかりと子どもたちに向き合い、細やかな配慮のもとで、一人一人の個性を大切にしながら、丁寧に子どもたちを育むという島根らしい教育は、島根の教職員の熱意とひたむきさ、まじめさによって日々教育の現場で実践されています。また、先輩の教職員から後輩の教職員へと脈々と受け継がれて、島根の教育の良き伝統となっています。そして、このことは未来へとつながっていく島根ならではの貴重な財産になると感じます。
私は、島根の教職員を信頼しています。
島根の教育には様々な課題があります。しかし、課題があることは、島根の教育がダメだということでは決してありません。
冒頭述べたように、私は今、島根の教育をめぐって「議論の好循環」が生まれ、教育課題の「見える化」が進み、教育に対する県民の皆様の関心が広がってきたと感じています。そして、このことが、長年の懸案も含め、教育課題を前進させていく推進力になりつつあると考えています。
課題に対処しつつも、島根の教育の良き伝統を見失うことなく、島根らしい教育の魅力をより一層充実していくこと。この大きな方向性を、教育現場と県・市町村の教育委員会とで共有したいと思います。

 

 以上、大きく四つの話題について、私の考えを率直に述べました。

 

 島根の教育をめぐっては、教職員の服務規律の徹底、いじめや不登校の問題、子どもの貧困問題、高校入学者選抜制度の総括など論点は数多くありますが、これらを含め、諸課題の詳細については所管課長から別途ご説明する予定です。

 

 学校と県・市町村の教育委員会が知恵を出し合いながら、島根の子どもたちのために共に働いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。


お問い合わせ先

島根県教育委員会

このホームページに関するお問い合せは

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp