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教育長訓辞:平成29年度県立学校長辞令交付式

 ただ今、県立学校の校長として、24名の方に辞令を交付いたしました。13名の方は、今回初めて校長に就任されました。お祝い申し上げます。

 

 さて、島根県教育委員会では、「第2期しまね教育ビジョン21」に掲げた「島根を愛し世界を志す心豊かな人づくり」の基本理念のもと、「向かっていく学力」「広がっていく社会力」「高まっていく人間力」の3つの力を育てるため、様々な施策を推進しています。県立学校においても、主体的な学びへの授業改善や、地域と連携した魅力化事業など、様々な取組が行われているところです。

 

 このような中、県立学校において取り組んでいただきたいこととして、四点のことをお話しします。

 

 一点目は、「教育の魅力化」についてです。
一昨年、島根県が策定した地方創生の「総合戦略」や「中山間地域活性化計画」の中で、「教育の魅力化」は、人口減少問題に対処するための移住・定住対策を進める上での重要課題であり、中山間地域や離島に住み続けることができる条件を確保するためにも必要であるという考え方が明らかにされました。
ところで、「教育の魅力化」の「魅力」とは一体どのようなものでしょうか。「教育の魅力化」に向けた具体的な取組内容については、引き続き関係市町村とよく協議・調整していきますが、それは、決して「金太郎飴」のようなものではなく、それぞれの地域において、教育に関するどのような取組を進めることが「地域の魅力」につながっていくのか、地方創生や中山間地域の活性化の観点から、議論を尽くしていくことが大切であると考えています。
ただ、これまで市町村と意見交換を積み重ねる中で、見えてきたものもあります。それは、「教育の魅力化」とは、ないものを取って付けるような、全く新しい教育活動を唐突に導入することではなく、それは、もっと地道でステディな取組のことではないか、また、今ある島根らしい教育の魅力をより一層充実するような方向性を考えるべきではないか、といったことです。
大切なことは、「教育の魅力化」とは、誰のためでもない、島根で育つ子どもたちにとっての「魅力」にほかならないということであり、それは、県・市町村の教育委員会と学校現場とが、総力を挙げて取り組まなければ実現することができないもの、言い換えれば、教育の本質そのもののことではないかと思います。
幼・保、小・中学校、高校、特別支援学校を貫いて、一体性・系統性に留意した教育活動により、そして、学校・家庭・地域の連携の中で、島根の子どもたちに本物の「生きる力」を身に付けてもらうために、皆さんがこれまで長年培ってこられた知見や経験を、惜しむことなく注ぎ込んでいただきたいと願っています。

 

 二点目は、「学力の育成」です。
島根の子どもたちに身に付けてもらいたい力とは、これからの変化の激しい社会の中で生き抜いていく力、言い換えれば「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、答えのない課題にも粘り強く向かっていく力」のことであると考えます。次期学習指導要領においても、学びの質を高めていくために、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が示されています。各学校においては、このような学力観や新しい指導法に対する理解を深め、日々の授業の質を高める取組を着実に進めていただくよう、校内研修をはじめとする様々な研修機会を活用しながら、組織的な取組をお願いします。

 

 三点目は、「特別支援教育の推進」です。
障がいがあったり、困難を抱えていたりすることを含めて、多様な個性のある生徒一人一人と丁寧に向き合い、細やかな配慮を行うような、個性と多様性を尊重する人権意識に裏付けられた教育の実践が、島根らしい教育の魅力につながるものと考えます。特別支援学校においては、幼児・児童・生徒数の増加や障がいの多様化・重度重複化に対応するため、各学校における専門性の向上に一層努めていただく必要があります。また、小・中学校、高等学校への支援・相談、情報提供など特別支援学校の「センター的機能」を一層充実することにより、県内すべての学校で特別支援教育の推進が図られることを期待します。

 

 最後は、「教職員の健康管理」についてです。
県立学校の多くの先生方が、多忙感を感じながらも、目の前の生徒の成長を励みにしながら、日々の指導に当たっておられます。私は、「教職員のワーク・ライフ・バランスを図っていくことが、質の高い教育を提供するための基盤である」と考えており、この基本認識を学校と教育委員会とが共有した上で、教職員の方々の健康管理に取り組んでいきたいと思います。各学校におかれても、昨年度から始まったストレスチェックや、校内衛生委員会等による組織的対応、評価システムを通じて行う面接や支援など様々な手法を工夫しながら、教職員の健康管理と職場環境の改善に精一杯努めていただきたいと切に願うものであります。

 

 皆さんには、県立学校の責任と権限を担う校長として、保護者や地域の方々と連携しながら、学校の管理・運営、人材育成など円滑な学校経営を託すことになります。教頭や事務長をはじめ、すべての教職員との意思疎通に努めていただき、組織力・総合力が発揮される活力ある学校、また教職員が悩みを相談し合えるような温かい学校となるよう努めてください。

 

 また、国や県、地域の動向等を注視し、教育関連の情報を敏感に察知したり、自分から出かけて行って情報を得たりと、自己研修に励む管理職となられることを期待します。

 

 終わりに、遠隔地に赴任される方もおられますが、どうかご自身の健康にも十分留意され、生徒や保護者、そして地域から信頼される学校づくりのために、大いに活躍されますことを祈念しまして、訓辞といたします。

 

平成29年4月3日
島根県教育委員会教育長_鴨木_朗


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