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教育長訓辞~平成25年度県立学校管理職辞令交付式

 

 

 ただいま、県立学校の校長として、十四名の方に辞令を交付したところですが、十二名の方は、今回初めて校長に就任されました。ご昇任を心からお祝い申し上げます。

 さて、本県の教育を取り巻く環境は、皆さんご承知のとおり多くの課題に溢れています。

 そうした中で、県立学校において、今年度重点的に取り組むこととして、三点お願いしたいと思います。

 

 まず一点目が「学力向上対策」です。これまでの取り組みにより医学部をはじめとする各大学、学部への進学率の向上、教科リーダー教員の養成、中高連携による教材の作成などの成果がありました。しかし、一方では「島根の将来を支える人材の育成」や「課題解決に向けて主体的に学ぶ態度の育成」、こうしたことについては、まだ十分ではないと思っています。

 そこで、昨年度から始めた一年生の合宿形式のセミナーを今年度も開催しますが、積極的に参加する生徒が増えてほしいものと思っています。

 また、教員向けには、教科別のチームを組んでの合宿形式の研修等により、教員間のネットワーク形成を図るとともに、さらなる指導力の向上に取り組んでまいります。

 

 二点目が「キャリア教育の推進」です。これまでの取り組みにより、専門高校では生徒の地元企業に対する理解の促進やコミュニケーション力の向上につながり、県内就職率も高くなってきています。

 一方では、県内の公立高校の卒業生のうち約八割が進学するわけですが、その多くが県外への進学であり、卒業後はそのまま県外で就職する者が多いと思われます。

 皆様方もご案内のとおり、県の人口は毎年五千人ずつ減少しています。このままでは、島根県全体の衰退にもつながっていきます。

 そうした中で、島根の子どもたちには、将来、どのような立場に置かれようとも、島根のことを思い、ふるさとに貢献したいと思うような人材に育ってほしいと思います。

 そこで、昨年度から、専門高校では課題研究事業等のさらなる充実をお願いしています。

 また、普通科高校でも、各学校独自の工夫を凝らして取り組んでいただくための予算を活用し、三年間を見通したキャリア教育に力を入れて取り組んでいただくようお願いしているところです。

 ぜひ、校長先生方におかれましては、すべての学校で、この「キャリア教育」の取り組みを展開していただきますようお願いします。

 

 三点目は「特別支援教育の推進」であります。

 特別支援教育については、昨年二月に「しまね特別支援教育推進プラン」を策定したところであり、この計画に基づき、施策を進めてまいります。

 特別支援学校においては、各学校における専門性の向上に一層努めるとともに、センター的機能を発揮し、県内の全ての学校において、特別支援教育の推進が図られるよう努めていただきたいと思います。

 また、高等学校においては、発達障がいのある生徒への支援も含め、特別支援教育の充実に努めていただいているところであり、今後も校内の特別支援教育の体制整備をさらに進めていただきたいと思います。

 

 

 教育を取り巻く環境は、ますます厳しくなっています。

 また、昨年、「いじめ」問題が大きく取り上げられましたが、生徒を取り巻く環境も大きく変化し、生徒も様々な悩みを抱えていると思います。

 校長先生方におかれては、教頭・事務長をはじめ、全職員と連携し、総合力が発揮できる学校運営が行われるように配慮するとともに、生徒や保護者の思いを受け止め、さらには、アンテナを高く張り、社会や地域の動向に敏感であって欲しいと思います。

 

 そして、改めてお願いします。

 危機管理意識を高めてください。

 昨年度も様々の形で教職員の不祥事や生徒の安全を脅かす事案が発生しました。

 今一度、原点・基本・基礎を大切にする精神的土壌の醸成に努め、安易に従来の慣行を踏襲することなく事務や事業の点検、情報の共有、コンプライアンスの徹底など、校内体制や指導・研修の充実を図っていただくようお願いします。

 そして、悩みや問題を抱えている教職員が気軽に相談できるような雰囲気作りに努めていただきたいと思います。

 

終わりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうか健康には十分留意され、大いに活躍されるよう祈念いたしまして、訓辞といたします。

 

 平成25年4月1日

 島根県教育委員会教育今井康雄


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