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教育長訓辞~平成23年度県立学校管理職辞令交付式

 最初に、本年3月11日に発生しました日本最大の地震は、東北・関東に甚大な被害をもたらしました。被災をされました方々に心からお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を願っております。

 

 本県におきましては、被災地への物的・人的な救援活動をはじめ、被災地から避難される方の受け入れなど積極的に支援を行うこととしています。

 

 教育委員会におきましても、被災児童・生徒の受入を積極的に行うこととし、特に県立学校においては、受検料や入学料、寮費の負担への支援を含め、受け入れに向けた条件整備の検討を進めているところですので、被災地からの生徒の受け入れに当たって、皆様方のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

 さて、ただいま、県立学校の校長として、21名の方に辞令を交付したところですが、11名の方は、今回初めて校長に就任されました。ご昇任を心からお祝い申し上げます。

 

 この一年間、私も教育長として全力を挙げて様々な教育課題に取り組んでまいりました。

 

 今、島根県の状況を見ますと、少子化の進行に伴う児童・生徒数の減少や学力・体力の問題、不登校やいじめ、厳しい経済状況の中での就職難等教育を取り巻く環境は多くの課題に溢れています。

 

 私は、こうした時代であるからこそ、「知性と感性を育む教育」、「知・徳・体を基礎に据えた心の豊かさを育む教育」、「明るくのびのびとした活力ある学校づくり」など島根県教育の基本的な理念・精神をしっかりと踏まえ、よりよい島根の教育をめざし、皆さんとともに取り組んでいきたいと思います。

 

 さて、県立学校については、今年度から新たな取り組みとして始めたものが主に三点あります。

 

 まず、一点目として、これまで学校司書が未配置であった高校12校に学校司書を配置することとしました。小中学校においては、平成21年度から全ての学校に学校司書やボランティアが配置され、「人がいる」学校図書館が実現したところですが、高校においても調べ学習やキャリア教育等での図書館の活用が図られ、小学校から高校まで連続性のある図書館教育が行われることで、豊かな人間性とともに、情報リテラシーが獲得されることを目指します。

 

 二点目として、離島・中山間地域の高校の魅力化・活性化を推進します。離島・中山間地域の高校については、平成21年度より県外からの入学生を積極的に受け入れることとし、ホームページ等でPRしてまいりました。今年度からは新たに地元市町村等地域と一体となった高校魅力化・活性化の取組を県教育委員会として財政的に支援することにより、地域内はもとより、県外からもさらに生徒が集まるような魅力と活力ある高校づくりを図ってまいります。

 

 三点目が古事記編さん1300年関連事業であります。来年度が本番ですが、「神々の国しまね推進事業」として県を挙げて取り組むこととしており、今年度からいよいよ本格的に準備を始めたいと思っております。県立学校においては、高校生による島根の文化発信事業として、神楽やかるた等の実力校が各種イベントなどで公演や実演を行って、島根の文化・芸能を発信し、高校生が神話に親しみ、理解を深め、ふるさと島根に愛着と誇りをもつことをめざしております。

 

 また、従来から取り組んでおります課題についても引き続き積極的に進めて参ります。

 

 特に学力向上対策、産業人材の育成と県内就職の促進、特別支援教育の充実などが強く求められています。

 

 学力向上については、平成21年度から高校教育課に配置した学力向上対策スタッフの調整監を中心に、義務教育課・高校教育課が連携した学力向上対策を推進することとしています。

 

 今年度も学力向上と医師確保を目指した「夢実現進学チャレンジセミナー」を引き続き実施し、県民の方々の要請に応え、生徒の望む進路が確保できるよう努めます。

 

 今後、各高校と県教委が「チームしまね」として一体となり、高校生の学力がどう変化したのか、その要因は何か、学力向上のために何をどう進めていくべきなのか、十分に議論しながら対応するとともに、できるだけ早く結果を出していくことができるよう取り組んでいただきたいと考えております。

 

 県内就職については、生徒が学校で学んだことが生かせる働きの場の確保が重要なことは勿論でありますが、産業界や地域との連携を深めながら、実践的な産業人材を育成しつつ、県内就職の促進を図ることが重要であると考えています。

 

 

 こうしたことから、平成21年度から専門高校における課題研究の拡充などを図っておりますが、高校生と企業あるいは地元産業との連携・協働により、商品開発などの大きな成果を生み出しております。たとえば、出雲商業高校とファミリーマートとの提携による「ぜんざいスイーツ」、益田翔陽高校と地元のパン屋と洋菓子店との協働による米粉パンと洋菓子の開発、矢上高校と地元農家との協働によるサツマイモプロジェクトなどがあります。また、昨年度からは離島・中山間地域の小規模普通高校にも拡充して事業を実施しているところです。

 

 また、雇用情勢の急速な悪化に伴い、高校生の就職も厳しくなってきており、これに対応するため進路指導代替非常勤講師の配置を拡充しておりますが、こうした措置を十分活用して、生徒の進路確保及び地域と連携した実践的な人材育成に努めていただきたいと思います。

 

 

 

 特別支援教育については、新しい障がい種への対応や高等部の生徒増への対応など、今後の特別支援教育のあり方について、検討委員会を設置し、検討いただいておりましたが、先般、答申をいただいたところです。今後、この答申を踏まえ、新しい計画を策定することとしていますが、今年度当初予算では高等部の生徒増へ対応するため、教室棟の増設など必要な予算措置も行っております。

 

 今後も特別な支援を必要とする子ども達への対応を進めて行くためには、特別支援学校間の連携、特別支援学校と高校との連携が必要不可欠と考えておりますので、校種を超えた広い視野で一体となって課題に対処していただきたいと思います。

 

 このように、島根の教育は対処すべき多くの課題を抱えていますが、県民の方々の県立学校に対する期待はたいへん大きなものがあります。

 

 また、社会や教育を取り巻く環境は急速に変化し、社会や地域のニーズも多様化しており、今までの「常識」や「慣行」だけでは対応が難しくなっています。

 

 校長先生方には、是非こうした状況を十分に踏まえながら、県民の期待に応える学校経営に努めていただきたいと思います。

 

 そのためには、校長・教頭・事務長がうまく機能し、総合力が発揮できる学校運営が行われるように配慮するとともに、アンテナを高く張り、社会や地域の動向に敏感であって欲しいと思います。

 

 そして、改めてお願いします。不祥事の防止であります。昨年度も様々の形で教職員の不祥事が発生しましたが、今一度、原点・基本・基礎を大切にする精神的土壌の醸成に努め、安易に従来の慣行を踏襲することなく事務や事業を点検し、コンプライアンスを徹底していただくようお願いします。

 

 そして、悩みや問題を抱えている教職員が気軽に相談できるような雰囲気作りに努めていただきたいと思います。

 

 冒頭申し上げたこのたびの大震災は、筆舌に尽くし難い被害をもたらしていますが、その中で被災者支援に献身的に取り組む先生方や高校生の姿は我々の心を打ちます。教育の大切さと誇り、教員の使命感の尊さを改めて認識いたします。こうしたことに思いをいたし、今後とも皆さんとともに、島根の教育の推進に取り組んでいきたいと思います。

 

 終わりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうか健康には十分留意され、大いに活躍されるよう祈念いたしまして、訓辞といたします。

 

 

 平成23年4月1日

 島根県教育委員会教育今井康雄

 


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