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教育長訓辞~平成22年度県立学校管理職辞令交付式

 ただいま、県立学校の校長として、14名の方に辞令を交付したところですが、7名の方は、今回初めて校長に就任されました。ご昇任を心からお祝い申し上げます。

 

 皆さんは本日学校のトップとしてスタートを切られました。私も本日が教育長としてのスタートです。

 私の教育に対する考えは藤原前教育長と変わるものではないと思っています。「知性と感性を育む教育」、「知・徳・体を基礎に据えた心の豊かさを育む教育」、「明るくのびのびとした活力ある学校づくり」などの基本的な理念・精神を引き継いでまいります。

 

 さて、県立学校については、特に学力向上対策、産業人材の育成と県内就職の促進、特別支援教育の充実などが強く求められています。

 

 かねてから準備を進めてきた学習時間選択制の宍道高校が初めての入学生を迎え、この4月に開校する運びとなりました。これまでの定時制・通信制にはない新しいタイプの高校として、生徒の多様なニーズに応えられるものと期待しております。

 

 学力向上については、昨年度から高校教育課に配置した学力向上対策スタッフの調整監を中心に、義務教育課・高校教育課が連携した学力向上対策を推進することとしています。

 昨年に引き続き、学力向上と医師確保を目指した「夢実現進学チャレンジセミナー」を実施し、社会的要請に応え、生徒の望む進路が確保できるよう努めることとしています。

 今後、各高校と県教委が「チームしまね」として一体となり、高校生の学力がどう変化したのか、その原因は何か、学力向上のために何をどう進めていくべきなのか、十分に議論し、対応するとともに、できるだけ早く結果を出していくことができるよう取り組んでいただきたいと考えております。

 

 県内就職については、生徒が学校で学んだことが生かせる働きの場の確保が重要なことは勿論でありますが、私達としては、産業界や地域との連携を深めながら、実践的な産業人材を育成しつつ、県内就職の促進を図ることが重要であると考えています。

 こうしたことから、昨年度から、専門高校における課題研究の拡充などを図っておりますが、出雲商業高校とファミリーマートとの提携による「ぜんざいスイーツ」の商品開発や益田翔陽高校と地元のパン屋と洋菓子店との協働による米粉パンと洋菓子の開発など大きく実をむすびました。こうした今までにない研究事業は、地元で周知されることで、地域と高校生の相互理解の好循環を呼んでおります。今年度はさらに、離島・中山間地域の小規模普通高校にも拡充して事業を実施することとしています。昨年度の隠岐島前高校の観光甲子園での優勝はこうした取り組みの好例であります。

 また、雇用情勢の急速な悪化に伴い、高校生の就職も厳しくなってきており、昨年度から進路指導代替非常勤講師の配置を拡充したところです。

 こうした措置を十分活用して、生徒の進路確保及び地域と連携した実践的な人材育成に努めていただきたいと思います。

 

 特別支援教育については、県立特別支援学校に加え、幼・小・中・高校における特別支援教育の一層の充実を図るため、体制を強化することとし、これまで高校教育課の内室であった特別支援教育室を課並みの外室化としたところであります。

 また、新しい障害種への対応や高等部の生徒増への対応など、今後の特別支援教育のあり方について外部の委員による検討組織を立ち上げて検討することとしています。

 今後も特別な支援を必要とする子ども達への対応を進めて行くためには、特別支援学校間の連携、特別支援学校と高校との連携が必要不可欠と考えておりますので、校種を超えた広い視野で一体となって課題に対処していただきたいと思います。

 

 現状や課題に真正面から向かい、状況を打開し、解決していくには「スピードとパワー」を持った対応が必要であり、全職員が一丸となって島根の教育に取り組んで欲しいと願っております。

 しかしながら、近年、教職員の不祥事や不適切な事務処理が起きていることは誠に残念であります。

 昨年度は一昨年の反省を踏まえて、県費外会計の取扱要綱を見直し、一丸となって信頼回復に努めていた矢先に、再び教職員による同様の横領事件や不適切な事務処理が発生し、学校教育に対する信用が厳しく問われています。

 私は、学校運営については、現場を信じ、現場を励ますことが教育改革につながると信じています。

 皆さんは、教育に対して熱い思いを持ち、教育について生徒や保護者に様々な言葉で語りかけて来られたと思いますが、こうしたことが続けば、どんな言葉も遺憾ながらパワーを持たない空言にしかなりません。

 教育に対する信頼を回復するためには、重心を前にかけ一歩前に足を踏み出す積極的な姿勢、いわば「前傾姿勢」で様々な課題に取り組んでいくことが必要であり、校長も自らの身を律し、組織の責任者、リーダーとして、「プロ」の教職員の育成と資質の向上に努めるとともに、教職員への目配りにも十分配慮し、学校の組織マネジメントにあたっていただく必要があります。そして、悩みや問題を抱えている教職員が気軽に相談できるような雰囲気作りに努めていただきたいと思います。

 校長・教頭・事務長がうまく機能し、より機動的、機能的、効率的な学校運営が行われるように配慮するとともに、今一度、原点・基本・基礎を大切にする精神的土壌の醸成に努め、安易に従来の慣行を踏襲することなく事務や事業を点検し、コンプライアンスを徹底していただくようお願いします。

 

 今ひとつお願いしたいのは、情報の受信力についてであります。学校経営にあたっては、アンテナを高く張り、社会や地域の動向に敏感であって欲しいということです。

 社会や教育を取り巻く環境は急速に変化しており、今までの「常識」や「慣行」だけでは対応ができなくなっています。

 また、社会や地域のニーズも多様化しています。

 アンテナを高く張り、そうした点に注意を払いながらも、一方で、流行に過度に動ずることなく、これまで培ってきた教育についての不易の信念に自信をもつこと、そして、四季の移ろいや自然、生命などに感動する感性を磨き、知性を高め、全人格的に子どもと向き合う学校経営を行っていただきたいと願っております。

 

 終わりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうか健康には十分留意され、大いに活躍されるよう祈念いたしまして、訓辞といたします。

 

 平成22年4月1日

 島根県教育委員会教育今井康雄

 


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