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絲原議員(自民)

(問)教育の振興について

1.学校の耐震化にどのように取り組むのか伺う。

2.第1回「しまね数リンピック」の成果を伺う。

3.小中高等複数の校種に籍をおく教員の兼務発令の推進など、現行制度を活用して工夫する必要があると思うが所見を伺う。

4.本県の一貫教育への取り組みの現状を伺う。

5.キャリア教育部門、食育関係部門、地産地消活動部門等を系統的・組織的に「ふるさと教育」の一環として組み込み、さらに一歩踏み込んで推進する考えはないか伺う。

6.文部科学省の定数改善による本県への影響を伺う。また、来年度の本県における教職員定数配当の重点について伺う。

7.本県の期限付き教員や講師の実態を伺う。

8.いわゆるシニア枠を設け、講師経験等を活かした採用試験を実施したが、そうした試験を行った考えや結果等について伺う。

9.財政状況が厳しい中にあっても、今こそ教育に投資すべきと考えるが、知事の意気込みを伺う。

 

(答)教育長

1.まず、公立小中学校の耐震化についてであります。

 この小中学校の耐震化については、財政状況や対象となる棟数が非常に多いことから、二一年四月時点では、六〇・八%にとどまっています。

 しかしながら、平成二〇年六月の地震防災対策特別措置法の改正によりまして、公立小中学校の建物についての耐震工事の補助率の嵩上げが行われました。

 また、昨年度の補正予算、そして今年度も五月の補正予算で、耐震対策の予算が大幅に増額されております。

 この結果、県内の市町村では、事業量が急激に増大いたしておりまして、昨年度は九市町の一四校、今年度は一〇市町の二八校で工事が行われております。

 県といたしましては、これまでも、国の財政支援措置の活用方策についてのアドバイスや、要請がありますれば県の技術職員の派遣を行ってまいっております。これからも、こうした支援策を続けまして、耐震化の推進に努めてまいります。

 

2.次に、「しまね数リンピック」についてであります。

 学力向上対策の一つとして、「しまね数リンピック」を始めまして、350名近い参加希望がありました。インフルエンザの流行がありましたので、266名が参加をいたしまして、算数・数学の難問に挑みました。

 参加者は、

「難しかったが、解けたときにすごくうれしかった。」

「普段できない問題に挑戦できて楽しかった。」などの感想を寄せております。

 また、保護者からも、

「スポーツは苦手だけども、得意の分野で挑戦できてよかった。ぜひ、またやってもらいたい。」

などの意見が寄せられております。

 優秀な成績を修めた131人を表彰いたしました。算数や数学で表彰される機会はほとんどありませんので、受賞者は算数・数学で認められたことが、大きな喜びや自信となったようであります。

 今年度はこの他に、科学に対する興味を深めるための「理科フォーラム」というものも実施しておりまして、これらの取組については、来年度予算について増額をいたしまして、推進してまいりたいと考えております。

 

3.4.次に、小・中・高の一貫教育についてでありますが、島根県の教育課程審議会の答申をもとに、昨年度三月に作成いたしましたリーフレットでも、「幼稚園・保育所、小学校、中学校、高等学校の連携」を重点項目に掲げまして、現場のほうでの取り組みを要請いたしております。

 こうしたことから人事異動についてみますと、今年度の場合では、小学校から中学校は52名、中学校から小学校へ83名、小中学校から高校と特別支援学校に43名、高校・特別支援学校から小中学校へ23名の人事交流を行っております。引き続き促進をしてまいりたいと思っております。

 各市町村における小中一貫への取り組みについても活発に行われておりまして、校種間の円滑な接続に向けて徐々に成果をあげていると思っております。

 例えば松江市においては、中学校区を学園と見立てまして、中学校区の中の小学校と中学校の連携を図るということを目指しております。小中の9年間を見通した教育のカリキュラムの作成でありますとか、中学校区で子どもを育てる町づくりなどを積極的に取り組むということにしております。

 また、八束小・中学校においては、平成22年度に小学校と中学校が一体化した校舎が完成する予定であります。

 

5.次に、ふるさと教育によって、より一層キャリア教育あるいは、食育を進めるべきであるとのご意見であります。

 ふるさと教育では、子どもが地域の自然や歴史・文化に触れる実体験や、地域の人々とのふれあいを通じまして、生き方や豊かな心を養うものでありますが、キャリア教育の観点からは、地域に出かけての職場体験あるいは、地域の人を招いての講話等が、中学校を中心に行われております。

 例えば、雲南市は、「夢発見プロジェクト」。益田市の匹見中学校は、東京の「にほんばし島根館」において特産物の販売を行っております。

 また、食育や地産地消の観点から見ると、米や野菜、地元の特産品などを地域の人と一緒に作っていく活動が小学校を中心に各校で行われております。ものを作る大変さや厳しさ、収穫する時の喜びを味わうことによりまして、食の在り方や大切さを身をもって感じる体験だと思っております。

 食育基本法ではその三条で、「国民の食生活が自然の恩恵の上に成り立っており、また食に関わる人々の様々な活動に支えられていることについて、感謝の念や理解が深まるよう配慮されなければならない」とうたわれております。

 自然への畏敬の念や食の生産にかかわる人々への感謝の念を大切にして人間形成を図ろうとするこの理念は、まさしく、ふるさと教育と軌を一にするものでありますし、また、私ども地方や中山間地域、漁村がよって立つべき理念でもあり、その振興にもつながっていくものだと考えております。

 県としても、こうした松江市をはじめとします取り組みを評価するとともに、その成果に期待をしております。

 

6.次に、教員定数改善の島根県への影響についてであります。

 来年度の国の定数改善では、理数教科の少人数指導と通級指導教室などの充実を重点に、四千二百人の増員を計画されております。

 本県については、少人数指導のための教員九人、通級指導担当の教員十九人、計二十八人の配置を予測しております。特に通級指導については、要望の多かった中学校、それから従来未配置の町に通級指導教室が開設できるなど、支援が必要な子どもたちへのきめ細かな対応ができるようになると思っております。

 その他の来年度の教員定数配当の重点につきましては、学力向上、いじめや不登校、特別な支援が必要な児童生徒への支援など、現場が抱えます教育課題への対応を最優先に考えております。小学校では、引き続き小学校一・二年生での三十人学級編制、これには百三十一人を予定しております。

 また、にこにこサポート事業に七十人、クラスサポート事業に四十人、学びいきいきサポート事業として八十五人の非常勤講師の配置を予定をいたしております。

 

7.次に、期限付き講師の状況であります。

 今年度、全教員に対します期限付き講師の割合は小学校が十六.一%、中学校は十五%であります。本県の割合が五県と比較いたしますと、やや高い傾向にあります。

 これは、今年度末に小・中学校合わせて九校が統廃合によって減になること、また、来年度以降も統廃合がいくつかの市町村で見込まれておりますので、中長期的な定数管理ということで、ある意味やむを得ない部分があると思っております。しかしながら、来年度については、雇用の場の確保と経済対策の面も含めました雇用対策も含めました雇用の場を確保するということで、約三十人の前倒し採用を図った結果で、この割合が下がりまして、およそ十一%を見込まれております。

 また、講師の採用状況についてであります。今年度の採用試験で見ますと、この四月に採用予定でありますが、これで見ますと、全体小中学校合わせますと、講師経験者が、他県の正式の教諭も含めますと、八十二%になります。名簿登載者の大部分の者が、講師の経験者だということが言えるのではないかと思います。

 

8.次に、そうした講師の採用の関係で新たに設けました、シニア枠についてのご質問がございました。

 今年度の採用試験から、新たに、本県の講師として五年以上勤務していること、あるいは、他県の教員で島根県のU・Iターンを望む者を対象にいたしまして、四十歳以上五十五歳未満をシニア枠として枠を設けました。この枠の受験者は、一次試験の内の筆記試験の一般試験、教職の教養試験、それから面接試験の免除を行っております。

 若干名の募集を行いましたところ、四十七名の出願がありまして、計十二名を名簿登載をいたしたところでありまして、年齢で見ますと四十歳から一番高い年齢、五十三歳の名簿登載を現在いたしております。

 

(答)知事

9.財政状況が厳しい中にあっても、今こそ教育に投資すべきではないかというご質問でございます。私も同意見であります。投資には色々なやり方がありますが、最も単純には、金銭的・予算的に教育の分野のために資金を活用していくということだろうと思います。

 そういう観点から来年度の予算等で措置しているところをみてみますと、宍道高校が四月に開校することになります。松江工業高校、大東高校、横田高校の校舎整備も現在計画的に進められております。そして、新たに浜田高校の整備に着手するとともに、出雲工業高校の改築に向けて調査を開始をするということになっております。それから耐震化等についても国の助成を受けまして進めることとしております。

 さらに、子どもの教育に学校図書館を利用する、読書をするようにすすめるという事業を昨年から進めていますが、本年も子ども達が利用しうる図書の充実等につきましても一定の配慮をするということになっております。また、たとえば、専門高校の生徒が地域の企業との課題研究を行うといった事業、あるいは学力の向上対策、それからふるさと教育の充実など、そうした面につきましては、教育委員会からの要請も受けまして、県として出来る限りの努力をしていくこととしている次第であります。

 


 

(問)スポーツの振興について

1.本県の総合型地域スポーツクラブの創設・育成状況と県としての取り組み状況を伺う。

2.本県のスポーツ少年団などの活動状況を伺う。

3.生涯スポーツ振興施策の中でのスポーツ少年団などの活動の位置づけと今後の取り組みについて伺う。

 

(答)教育長

1.次に、生涯スポーツの振興についてであります。

 島根県のスポーツ振興計画では、平成二十三年度末までに全市町村での設立を目標にしております。現在のところ、松江市、出雲市など六市町に二十クラブが設立済みであり、こどもから高齢者まで、五千五百名を超える方々が会員となっておりまして、世代間交流や地域の活性化などにもつながっていると思います。

 本年度末には浜田市、東出雲町、斐川町および隠岐の島町で、また、来年度には残りる十一市町村において設立を予定しておりまして、県内のクラブ数が四十近くまで増加する見込みであります。

 

2.3.最後になりましたが、スポーツ少年団の活動状況についてであります。

 平成十四年度から学校五日制の完全実施に伴いまして、小学生の活動の場が学校の部活動から地域のスポーツ少年団に移行しました。

 このスポーツ少年団は、子どもたちの心身の健全な発達と豊かな人間性の育成を図る上で有意義でありまして、生涯にわたってスポーツに親しむ心を養うとともに、仲間や地域の方々との関わりを深め、社会性を育む活動でもあります。

 県内には昨年度末で、野球や剣道など三三七の少年団があり、約二千名の指導者と約八千名の小学生がスポーツ活動にいそし励んでおります。

 スポーツ少年団などの運営に際しましては、教育的視点も持ちながら、学校と地域の指導者が連携を密にしていくことが必要であると考えまして、「小学生のスポーツ活動の手引き」を昨年三月に作成しました。過度な勝利至上主義の抑制や、子どもをはじめとする指導者や保護者の負担軽減等を留意事項として示しておりまして、地域の中での健全なスポーツ少年団の活動を目指しております。

 県としましては、今後も、県体育協会とともに、スポーツ少年団などの活動を支援してまいりたいと考えております。

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

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