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須山議員

(問)高校の再編成計画について

1.今後の県立高校の在り方について、教育長としてどのような基本方針を持っているのか、所見を伺う。

2.浜田・江津エリアで開催された地域公聴会を聞いて、教育委員会としてどのような感想を持ったのか伺う。また、「今後の県立高校の在り方検討委員会」が開催する地域公聴会の考え方について、所見を伺う。

(問)教職員の長時間勤務の改善について

3.長時間勤務の改善には教育職員の時間外の正確な実態把握が急務と考えるが、所見を伺う。

4.今年3月に行われた教職員の勤務実態調査の結果について伺う。

5.今回の調査の結果をどのように分析しているのか、今後具体的にどのような対応策を検討するか、所見を伺う。

6.教育職員の健康管理を徹底するためにも、面接指導のルール化が必要と考えるが所見を伺う。

 

(答)教育長

1.6点のご質問にお答えをいたします。

 まず、「今後の県立高校の在り方検討委員会」についてであります。

午前中の答弁と重複いたしますが、私は県立高校の在り方を議論する際には、次のような観点が重要になると考えております。

 第一に、「小さな拠点づくり」の一環として、中山間地域における教育機能をどのように確保していくのか。

 第二に、移住・定住対策を進めるための、地域の魅力づくりの重要な要素である「教育の魅力化」をどのように進めるのか。

 第三に、技術革新や国際環境の変化によって社会の先行きが見通しにくくなる中、島根の子供たちにどうやって「生き抜いていく力」を身につけさせるのか。また、県内産業や医療・福祉等が求める人材ニーズにどう対応していくのか。

 議員から先ほど浜田市が設置した検討会のご紹介がございましたが、今年4月、県の教育委員会が設置いたしました「検討委員会」における議論は、いよいよこれから本格化していくことになります。先ほど述べましたような重要な論点について検討が深められていくことを期待するものであります。

 また、「検討委員会」は、現在、浜田・江津エリアにおける高校の在り方を、次期計画の基本理念を探るためのリーディング・スタディと位置付けて、集中的に議論を進めておられますが、その考え方は、次のとおりでございます。

 まず、浜田・江津エリアでは、平成21年に策定した現行計画の基準や考え方をそのまま適用して統廃合の検討が行われるのではないか、というような懸念の声が多いため、こうした誤解を早い段階で払拭しておく必要があること。

 また、次期計画に向けた検討に際し、人口減少問題がより厳しい石見地域において、先ほどの三つの重要な観点からの議論を深めていくことで、県内それぞれの地域の実情や課題に配慮した高校の在り方が見えてくるのではないか。

 このような考え方による検討委員会の議論の進め方につきましては、適切なご判断ではないかと受け止めております。

 

2.次に一昨日の地域公聴会の感想と今後の開催についてのご質問にお答えを致します。

 代表的なご意見の紹介は、午前中の答弁と重複いたしますので、繰り返しはいたしませんが、浜田・江津エリアの地域公聴会については、検討委員会の委員の皆様が、地域の方々のご意見を、直接丁寧に聴取していただいたものであり、貴重な機会であったと考えております。

 また、他のエリアでの地域公聴会の開催については、今後の議論の進展に応じて、検討委員会が適切に判断されるものと考えています。

 

3.次に教育職員の時間外勤務の実態把握についてお答えをいたします。

 長時間勤務の改善を図るためには、その大前提として、実態把握が必要であります。

 時間外勤務の把握方法については、県立学校は、各教育職員が一月ごとの出退勤調査表に出勤時刻と退勤時刻を自ら記録し、学校長に提出することで把握をしております。

 一方、公立小中学校では、服務監督者である各市町村教育委員会の判断により、それぞれのやり方で実態把握を行っておりまして、把握の方法やその精度には、バラツキがございます。

 県教育委員会は、今年度から、公立小中学校における長時間勤務の実態及び医師による面接指導の実績について、毎年度、市町村教育委員会から報告を求めることにしたところでありますが、さらに、より精度の高い実態把握に向けた検討がなされるよう促していきたいと思います。

 

4.次に、勤務実態調査の結果についてお答えをいたします。

 3月に行った勤務実態調査について、公立小中学校及び県立学校の教職員のデータを集計した結果は次のとおりとなっております。

 「自分の職務について、忙しいと思いますか」という設問に対しまして、「はい」38.7%、「どちらかというとはい」45.0%、これら二つの回答を合わせますと、83.7%の教職員が「多忙感」を感じております。

また、「多忙な状況を軽減するために、校内での対応によって改善の余地があると考えられることはどれか」という複数回答の設問に対し、多かった回答は、次のとおりであります。

 「資料や報告書の作成」36.2%、「校務分掌にかかる業務」36.0%、「会議・打合せ」35.1%であります。

 

5.次に、調査結果の分析と今後の対応についてお答えいたします。

 同一校種の中でも、学校ごとの差違が大きいため、一般化することは難しい面がありますが、全体を集計した結果としては次のとおりでございます。

 「負担感の強い業務」について回答が多かった項目は、小学校は、「資料や報告書の作成」。中学校・高校は、「部活動の指導」。特別支援学校は、「校務分掌に係る業務」であります。

 ただし、それぞれの学校の抱える課題によって、負担感の原因は大きく影響を受けておりまして、それが学校ごとのばらつきにつながっていると考えられます。

 次に、長時間勤務の改善について、そもそも長年の懸案となっておりますこの課題は、教職員定数の制約という構造的問題の中で生じており、その打開は容易ではありませんが、今後、次のような考え方で取り組んでいきたいと思っております。

 まず、「教職員のワーク・ライフ・バランスを図っていくことが大切であり、それが、島根の子どもたちに質の高い教育を提供する基盤になる」という認識を、県教育委員会・市町村教育委員会・学校の管理職の間で共有することが大事であり、このようなメッセージを教職員に向けて明らかにしていくことから始めたいと考えております。

 次に、実態調査の結果については、市町村教育委員会及び県立学校に対し、県全体の状況と比較できる形でフィードバックしておりますので、学校ごとの実態をそれぞれの立場でよく分析し、それを個別具体的な業務改善などに結びつけていくよう、地道な取り組みを積み重ねていってもらいたいと思います。

 その際、労働安全衛生法の趣旨を踏まえ、学校の管理職・教職員・学校医の三者がよく話し合う中で、改善に向けた取り組みを組織的に進めてもらいたいと考えております。

 以上のような対応につきまして、今後、様々な機会をとらえ、市町村教育委員会や各学校の管理職に助言・要請を行っていきたいと考えます。

 

6.最後に、医師による面接指導についてお答えしをいたします。

 議員からご指摘がありましたように、月100時間を超える時間外勤務を行った教育職員のうち、実際に医師による面接指導を受けた者の割合が極めて少ないという現状については、改善が求められると認識しております。

 長時間勤務は心身の健康に悪影響を及ぼすことが知られており、たとえ短期的に無理を通したとしても、中・長期的に見れば、活力に満ちた質の高い教育活動を継続できなくなる恐れがあります。

 長時間勤務による健康障害の防止を図ろうとする労働安全衛生法の趣旨に照らせば、月100時間を超えるような場合は、可能な限り医師の面接指導を受け、心身への影響の程度を専門家の目でチェックしてもらうことが望ましいと考えます。

 したがいまして、まず、県教育委員会が労働安全衛生法の事業主の立場にある県立学校において、改善に向けた検討に着手することとしたいと思います。

 具体的には、面接指導をより受け易くする制度運用のあり方などについて、学校の管理職や学校医など関係者との協議・調整を進めていきたいと思います。

 その上で、次のステップとしては、市町村教育委員会への情報提供なども検討してみたいと考えます。以上であります。

 


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