• 背景色 
  • 文字サイズ 

細田議員

(問)水産振興について

1.浜田と隠岐の二つの水産高校の存在意義や水産教育の将来展望について伺う。

2.今年8月には浜田市において、全国高等学校水産教育研究会の全国大会が開かれたが、その感想を伺う。

3.島根の子どもたちに、島根の水産を託していける教育の実施について、考えを伺う。

(問)隠岐牛突きについて

4.平成に入って隠岐選出の議員が、牛突きについて質問されているが、その後の文化財指定に向けた動きについて伺う。

 

(答)教育長

1.4点のご質問にお答えをいたします。

 まず、浜田・隠岐二つの水産高校の存在意義や水産教育の将来展望についてであります。

 島根県における水産教育の基本的なあり方を方向づけた平成21年の検討委員会提言では、次のような三つの基本理念が掲げられております。

 第一に、県の基幹産業である水産業を支える人材を育成する水産高校を、島根の宝と位置づけること。

 第二に、全国から生徒の集まる水産高校を目指し、県内だけでなく、わが国の海洋関連産業の発展に貢献できる人材を育成すること。

 第三に、そういう水産高校を水産業界や行政が連携して支援していくこと。

 このような提言を受けまして、その後全国最大規模となる水産練習船「神海丸」を建造し、また、全国から集まる生徒数も、平成21年度に28人だったのに対しまして、平成28年度は67人へと大幅に増加しております。

 また、今後の水産教育の方向性につきましては、加工技術や商品開発の面で、より付加価値を高めていくこと「神海丸」の特性を活かした漁業生産技術、航海技術を高めていくことさらに、専攻科のもつ特性を活かして、専門性のさらなる深化、関連資格の取得を推進することこのような方向性をもって、今、学校現場は様々な教育活動を展開しております。

 その結果として、たとえば食品加工業や行政と連携した新商品開発の中で、今年7月、全国の水産高校で初となる、特許取得に至った事例が出ております。

 県教育委員会としては、今後も、このような学校現場の積極的な取り組みを支えていきたいと考えております。

 

2.次に、全国高等学校水産教育研究会についてお答えをいたします。

 水産高校における教育上の諸課題について研究協議を行う、全国高等学校水産教育研究会全国大会は、全国から122名の教員が参加し、浜田市において8月8日から10日まで開催されたところでございます。

 「新しい時代をリードする、創造的な水産・海洋教育はどのようにあればよいか」というテーマのもと、高度化する水産技術を先取りした教育、地域産業界との連携、担い手の育成などの実践事例や提案が発表されたところでございます。

 水産業の魅力や、地域の発展に貢献したいとの思いを熱く語る参加者の姿に、私自身、水産教育の重要性を再認識することができました。

 

3.次に、小中学校の段階からの水産教育についてお答えをいたします。

 小学校の社会科では、たとえば水産業の盛んな地域では、その仕事に携わる人々から直接学ぶような学習が取り入れられております。

 また、ふるさと教育や環境教育の一環として、地域の水産業の関係者と一緒に行う稚魚の放流などの活動が県内各地で行われており、子供たちが水産業に親しみを持つきっかけになっております。

 浜田・隠岐の水産高校におきましても、保育所・幼稚園の子供たちや小学生を対象とした小型船舶による体験航海、水産練習船「神海丸」による中学生の体験航海、さらに地元の中学生には、水産高校の生徒たちによる水産実習など、出前講座を行うなど、子供たちに水産業に関心を持ってもらうための工夫を、さまざまに行っております。

 今後も、学校現場におけるこのような取り組みを積極的に進めてもらいたいと考えております。

 

4.最後に隠岐の牛突き習俗の文化財指定へ向けた取り組みについてお答えいたします。

 隠岐の島町は、国の文化財指定を目指して、平成27年度から島内外の専門家で構成する「隠岐の牛突き習俗調査委員会」を設置し、文化庁の補助事業としての採択を受けて、3年間の総合的な調査を実施しております。

 この調査では島内各地の牛突き習俗の記録採集、隠岐における牛突きの発祥や変遷に関わる古文書の調査等が行われており、県も現地へ同行し調査技術の支援を行っております。

 また、文化庁も調査官を派遣し調査の方向性等について指導を行っております。

 この調査結果は平成29年度に報告書としてまとめられることとなっておりますが、これまでの調査を通じて、農耕祭祀に基づく習俗であるなど、既に県指定となっている壇鏡神社八朔祭の牛突き習俗と同程度の由来や価値付けが、他の牛突き習俗についても判明するなど、少なくとも県指定の要件に合致するのではないかとの感触が得られつつあるところでございます。

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp