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藤原議員

(問)家庭教育支援について

1.島根県の家庭教育支援について、現在の取組み状況を伺う。

2.今後、家庭教育支援の必要性はますます高まっていくと思うが、県としてはどのような考え方で進むのか伺う。

3.不登校の現状をどのように評価しているか伺う。

4.保護者からの相談について、学校や教育委員会の適切な対応が求められるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.家庭教育支援における現在の取組み状況についてであります。

 県では、家庭教育を支援するための学習プログラムとして、いわゆる「親学プログラム」の開発に平成19年度から着手し、年数を重ねる中で、その熟度を高めてまいりました。

 この「親学プログラム」は、主に乳幼児から中学生を持つ親を対象にいたしまして、親としての役割や子どもについての気づきを促すための参加型学習プログラムであり、親同士が悩みや不安など、うまくいかない子育てを本音で語り合いながら学習することで、自身の子育てを客観的に見る心の余裕を取り戻し、より良い子育てに向けた気づきや学びを促そうとするものであります。

 また、交流による親同士の関係づくりや家庭教育を支援する側の人材のネットワークづくりにも役立っております。

 平成25年度からは、親だけでなく地域で子育てに関わる全ての大人を対象にいたしまして、「いじめ」「児童虐待」の未然防止などに特化した「親学プログラム2」の開発を進め、昨年から実践活動に入ったところでございます。

 こうしたプログラムの開発にあわせまして、参加型学習を企画・実施できる人材の養成にも取り組んでおりまして、平成27年度末時点で県内全市町村に総勢440名の「親学ファシリテーター」を配置しております。

 この二つのプログラムは、県内の保育所、幼稚園、小中学校、公民館、子育てサークル、企業内研修等、様々な場所で使われておりまして、平成27年度には235回の研修会が開催され、延べ6,266人の方々が参加されております。また、開発時からの累計では27,000人を超える方々にご参加をいただいております。

 

2.家庭教育支援の今後の進め方についてお答えします。

 県内では、例えば、公民館や地域婦人会、ボランティア等の力を借りながら、ふるさと教育の推進、ふるまい向上、通学時の見守りなど、地域の人材が学校の教育活動に協力する形での学校支援が各地で盛んに取り組まれてきているところであります。

 一方、こうした学校支援に携わってきた方々からは、そもそも学校支援のあり方として「家庭を支援すること、家庭教育を支援すること」こそが、今の学校にとって必要なのではないかというような声も聞かれております。

 県では、同様の考え方に立ちまして、平成20年度からの3年間、松江市、出雲市、雲南市、海士町の4市町におきまして、社会教育関係者が核となって8つの家庭教育支援チームを立ち上げました。地域の力で家庭や子どもを支えていく体制づくりに取り組んだことがございます。この取組みは、不登校の児童が登校できるようになったり、親の意識改革が進むなど一定の成果が見られましたが、課題を抱えた家庭との接点のつくり方や課題の深刻さが手に余るといった面で壁に当たり、事業を拡大するに至らず、平成23年度以降中断しております。

 今後の家庭教育支援のあり方につきましては、こうした経緯も検証しながら、健康福祉部と連携して具体化に向けた検討を行ってまいりたいと考えています。

 

3.次に、不登校の改善に向けた取り組みについてお答えをいたします。

 まず、不登校の未然防止の取り組みとして、学校現場では、子どもたちが学校生活の中で自己有用感が持てるよう、授業や日々の学級活動、学校行事の中で、子ども同士がつながりを感じられるような学級集団づくりに努めております。

 また、学校には登校できるが教室には入りにくいなど、不登校傾向の児童生徒に対しましては、保健室等の別室で対応したり、スクールカウンセラーを配置し、その専門性を生かした相談対応などを行ったりしております。

市町村の教育委員会におきましても、市町が設置する教育支援センターにおきまして、不登校児童生徒の生活リズムの改善や学習指導を行うなど学校復帰への支援を行っております。

 しかし、依然として、島根では全児童生徒に占める不登校児童生徒の割合が、全国的に見ると高く、引き続き、細やかな対応が求められております。

 このため、アンケートQUと言っておりますが、これは具体的には、学校生活における児童生徒ひとりひとりの意欲や満足感、そして学級集団の状態を質問紙によって測定するやり方でございます。このアンケートQUをさらに活用するなど、未然防止の取り組みに重点を置いて、今後の取り組みを進めていきたいと考えております。

 

4.最後に、不登校に関する保護者からの相談への対応についてお答えをいたします。

 近年、不登校の要因は多岐にわたっておりまして、これまで多く見られた友人関係、学業不振といったものだけでなく、発達障がいや家庭環境に起因するものなど、学校だけでは対応が難しいケースも増えておりまして、関係諸機関との連携が重要となっております。

 県の教育センター、及び浜田教育センターには、専任の教育相談スタッフとして、それぞれ3名の指導主事と4名の相談員を配置をいたしまして、不登校やいじめ等の相談にあたっております。また、東西に設置されました発達障害者支援センター、これはウィッシュとウィンドでありますが、この2か所におきましては、発達障がいの相談・支援を行っております。さらに県内4カ所の児童相談所におきましても、ひきこもり等の相談にあたっております。

 したがいまして、こうした専門性の高い関係機関に蓄積された知見を生かすためには、保護者からの相談を、必要に応じて学校から関係機関へつないでいく力を高めていく必要があると考えております。このため、研修等様々な機会を使いまして、管理職を中心に認識を深めているところであります。保護者からの相談に適切に対応していくことが求められていると、このように考えております。以上でございます。

 


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