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白石議員

(問)DV防止について
1.小学校から自分も他人も大切にする力やコミュニケーション力を養う教育の取り組みを進めることについて、所見を伺う。
2.中学校、高校における有効なDVD教材の使用とそのための研修について、所見を伺う。
(問)県立図書館について
3.現時点で、県は県立図書館の役割をどう考えているか伺う。
4.「県立図書館は市町村図書館のリーダー役であり、図書館の地位向上を図っていく役割がある」という考え方について、所見を伺う。
5.県立図書館と古代出雲歴史博物館や2つの県立美術館、県庁各課との連携の現状と今後進めていく上での課題について伺う。
6.読書活動の普及のためには、共同展示やイベントの相互協力など、県立図書館と地元書店との連携も有効だと思うが、所見を伺う。
7.地域との連携やネットワークの構築についてどう考えるか伺う。
8.レファレンスという言葉は一般的ではないので、分かりやすく工夫をして表示してほしいが、考えを伺う。
9.結局、図書館を「困った時には図書館へ!」と思ってもらえる場所にするのかどうか、ということだと思うが、所見を伺う。
10.県民に求められる図書館になるためには、予算も人も必要であり、予算と人の措置の可能性を伺う。

 

(答)教育長
1.DV防止について2点、県立図書館について8点の質問にお答えします。
まず、自分も他人も大切にする力やコミュニケーション力を養う教育の取組についてです。
人権意識を醸成していくこと、自分を大切にすること、コミュニケーション力を高めることなどは、子どもが成長していく上で欠くことのできないものであり、それは、小学生の頃からの地道な取組の積み重ねの中で培われていくものと考えます。
また、これらの意識や力を高めることによって、円滑な人間関係が作られ、いじめや不登校の未然防止やDV防止につながることから、学校教育の中で大切にして取り組むべきものと考えております。
現在、学校では、人権意識の醸成やコミュニケーション力の育成を図るための様々な取組が行われております。例えば、授業の中で小グループによる学び合いの場面を積極的に設定し、お互いの考えを出し合う活動を行ったり、特別活動などの時間において人間関係づくりに着目した学級集団づくりに取り組む中で、「自分のことを大切にしながら相手のことを想像し、相手に共感しながら自分の主張を行う」活動に取り組んだりしているところです。

 

2.次に、中学校、高校における有効なDVD教材の使用とそのための研修についてです。
デートDV予防教育は、現在、DVD教材の視聴をはじめ、講演会の実施やリーフレットを活用した保健の授業など、それぞれの学校の実情に応じて行われているところです。
DVD教材活用の有効性を広く周知し、教職員向けの研修などでの活用も含め、積極的な活用がなされるよう働きかけてまいります。

 

3.県立図書館の役割としては、島根県立図書館振興計画にも掲げているとおり、地域の図書館の支援や全ての県民に知識・情報を提供する役割、島根県が提唱している「子ども読書県しまね」の実現のため、子ども読書活動を推進する役割、全国に誇れる島根の歴史や文化を次世代に継承する役割、様々な情報を入手できる拠点としての役割、入手した情報を活用して、県民や地域が抱える様々な課題の解決に向けた活動を支援する役割があると考えております。

 

4.県内の市町村立図書館は、3町村で未設置であり、16市町に37館設置されております。規模が小さな図書館が多く、29館は非正規職員のみで運営されているところです。
こうした状況の中、県立図書館が、県内の図書館サービスを牽引するリーダー的な役割を果たしていくことは極めて重要であると考えており、市町村立図書館への資料貸出や人材育成のための研修などを行っております。
今後も市町村立図書館に対する支援を充実するとともに、県内の図書館の役割や必要性が、県民の方々に理解されるよう取り組んでまいります。


5.県立図書館では、今年度、博物館、美術館、県庁各課など31機関と連携し、64の取り組みを実施しております。古代出雲歴史博物館の「琉球王国」、県立美術館の「猫まみれ」、県立石見美術館の「森英恵」などの企画展に併せて、関連するパネル・図書の展示や、講演会を開催したほか、文化国際課との連携により「島村抱月とロシア」に関する資料の展示や講演会なども行いました。
今後連携を進めていく上での課題は、県民の関心が高い、よりタイムリーな情報の提供や、県民への周知を図るための積極的な広報やPRが必要だと考えております。

 

6.書店は主に新刊の書籍や雑誌を、図書館は書店では手に入りにくい多様な資料を提供しています。それぞれの特徴を活かしながら読書の普及を図る観点から、地元書店との連携は重要であると考えています。
現在、県内の図書館と書店商業組合が加盟している島根県図書館協会において、読書普及のための県外講師を招いた研修会の開催、幼児・児童に読んでもらいたい図書リストの作成や配布、読書体験記の募集・表彰などで連携しております。
議員ご指摘の共同展示、イベントの相互協力をはじめとする更なる連携については、どういった取組ができるのか、書店商業組合と相談しながら検討してまいります。

 

7.県立図書館では、松江赤十字病院や日本政策金融公庫などの団体と合同で、医療や経営に関する展示や講演会を行っているほか、親子読書の普及のための「親子読書アドバイザー」や「絵本の読み聞かせ」などのボランティアと連携しているところです。
来年度には、起業したい方が、地域の購買力など市場の分析評価をされる場合に役立つデータベースを新たに導入することとしています。そして、利用者からの起業などの相談に応えていくため、しまね産業振興財団や経済団体などと連携していく予定です。
また、図書の選定などの際に、理系の教員などとの連携も図りたいと考えております。
図書の整理や修理など日常的な図書館活動を支えるボランティアについては、先進県の受け入れ状況や課題を調査し、その受け入れについて研究してまいります。

 

8.利用者の求めに応じて資料・情報の調査・提供を行うレファレンスサービスは、課題解決支援のためには重要であり、積極的な広報が必要であると考えております。県民の方への周知を進めるとともに、議員ご指摘の分かりやすい館内表示について工夫してまいります。

 

9.県民や市町村立図書館の方が、困ったり悩んだりした時に相談してもらえるよう、県立図書館が地域社会から信頼され、県民から役に立つと思われるような図書館であってほしいと考えております。
そのためには、図書館機能やサービスの充実とその周知、市町村立図書館や学校図書館へのきめ細かな支援などの取組を更に進めてまいります。

 

10.財政状況、人員確保ともに厳しい状況ではありますが、来年度は、嘱託職員1名を増員することとしました。また、必要に応じて、収蔵施設の拡充、耐震化、図書館情報システムの更新などの予算措置を行ってきております。
今後とも、予算の効率的な執行を図るなどの工夫をしながら、図書環境の整備や充実に向けて、必要な予算・人員が確保できるよう、努力してまいります。


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
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