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池田議員(自民)

(問)教員採用試験について

1.子供を教育して社会に送り出す、いわば人材育成のプロである「教員」という仕事について、近年どういう資質が必要となってきたか、伺う。

2.現在の採用試験の内容について伺う。

3.必要な資質を持った教員を採用するために、どういう点に注意しているか、伺う。

(答)教育長

1.島根県では、まず教員として求められる基本的な資質・能力でございますが、豊かな人間性と教育に対する使命感、それから子どもの心身の発達と心の動きに対する理解と対応、それから3つ目に職務にかかわります専門的知識・技能及び態度、こうしたことは普遍的に必要だというふうに思っております。

 加えまして、近年の学校をとりまく環境の変化でございます。周囲の人と協力をして組織的に課題に取り組むためのコミュニケーション力でありますとかソーシャルスキル、こういうことが特に大切になってきているというふうに思っております。

2.現在、新規採用職員の選考でございますが1次、2次の2回の試験によっております。

1次試験では、筆記試験といたしまして一般教養・教職教養試験、それから校種や教科別の専門と教養試験を実施をいたしております。また、面接試験も1回実施をいたしております。

2次試験では、2回の面接試験を中心といたしまして、小論文、実技試験、模擬授業等を実施をいたしております。

3.ただいま試験の内容を申し上げましたが、特に今、議員からございましたコミュニケーション能力でありますとか、子どもたちの生きる力を育むと、そういった観点で教員の力というのが大変大事になってきているというふうに思っております。

 採用試験のほうでは、従来からそういった能力・資質を確認するといいますか、評価をするために筆記試験のほかに面接試験に力を入れて取り組んでおります。

 特に面接試験では、豊かな人間性あるいは教職に対する使命感、こういったものを確認をしております。

 特に1次試験の集団面接、ここでは、先ほど申し上げました集団としての面接ということで、他人との関わり合いとかコミュニケーション能力、こういったものも確認をしようということで取り組んでおります。

 それから2次試験では、教育委員会の職員だけではなくて、他の方にもお願いをいたしまして、一緒になって教員としての試験を行っております。

 その中で教員としての人柄・態度、思考力・判断力、社会性などについて把握するように努めております。

(問)教育センターにおける教員の研修について

1.教育センターにおける研修について、近年どのように変わり、今後どうするか、伺う。

2.子供たちの進路選択は大変重要。研修によって教員の意識を高めることが大切だが、教育センターで子供たちの将来に対する教員の意識調査をする必要があるのではないかと思うが、所見を伺う。

3.宍道高校はどのような経緯で設立されたか、伺う。

4.宍道高校に入学した生徒の状況について伺う。

5.多様な目的や悩みをもって入学してくる生徒たちに、どのように対応しているのか、伺う。

6.今後、宍道高校ではどのような事に力を入れていくのか、伺う。

 

 

(答)教育長

1.私どもも、研修は大変大切なことだというふうに思っております。

 教育センターの研修ですが、毎年、研修の担当者会議を開くなどいたしまして、現状あるいは最近の教育課題を踏まえて、逐次研修の見直しを図ってきております。

 たとえば近年では、特別支援教育、それから組織マネジメント、それからキャリア教育、こういったことに係る研修の充実を図ってきております。

 特に、キャリア教育につきましては、県立学校のキャリア教育担当者研修、これを新たに創設をいたしました。それから、11年目研修、管理職研修、指導主事の研修においても、そういったキャリア教育の内容を取り入れてきております。

 それから、やり方といたしましても、座学だけではなくて、ロールプレイやディベートといった、参加・体験型、こういった研修、それから、教育センターでの集合して集まってやる研修だけではなくて、学校に出かけていっての出張研修、こういったことも取り入れてきております。

 今後も、より研修効果が上がるように、内容や方法の改善に努めていきたいと思っております。

 

2.今、議員からございましたが、私どもも教育はやはり子どもたちが社会で生きる力を育てるということだと思っております。県内の学校を出てすぐ就職する子もおりますし、上級の学校に進む子もおります。その際、学力をつけるということは、当然、一番大事なことだと思っておりますが、さきほど申し上げました総合的な人間力を育てるということも、大変大事なことでごさいます。その点は、常々研修等で教員にも言っていることでございます。

 その上で、教育センターの研修ですが、現在、いろんな研修が終わりました段階で、教員からアンケートをとっております。その中で、教員が研修を受けてどのような発見があったのか、あるいは自分の意識がどう変わったのか、あるいは成果をどう生かしていくのか、こういったアンケートをやっております。

 このアンケートは、教員にとりましても、研修が自分の指導のあり方を見つめ直すよい機会となっていると思います。

 今後も、このアンケートの分析を元にしまして、研修の改善に努めていきたいと思っております。

 

3.定時制、あるいは通信制の高校に期待される役割でございますが、近年変わってきてまいりまして、従来の勤労青少年だけではなくて、自分のペースや興味・関心にあわせてじっくり学びたい生徒、あるいは生涯学習の場を求める社会人、このように様々な学習の履歴や動機を持つ生徒たちを受け入れることに変化をしてまいりました。

 こういった状況の変化も踏まえまして、この宍道高校は、生徒の多様なニーズに対応した柔軟な教育課程を備え、午前部・午後部・夜間部の3部制で、学びたい時間帯が選択できる高校といたしまして平成22年4月に開校したところでございます。

 

4.この宍道高校には、生徒たちが多様な課題や学びの目的をもって入学をしてきております。

 宍道高校は単位制の高校でありまして、生徒は自分で科目を選択をして、単位修得を目指すわけでありますが、設立からこの3年で、講座への出席率、あるいは単位修得率、上昇してきております。子どもたちは前向きに勉学に取り組んでくれているというふうに思っております。

 ただ、学校生活になじめないなどの理由で学校を離れる生徒が一定数いると、これが課題であるというふうに思っております。

 

5.宍道高校では、先ほど申し上げました学習時間選択制を採用いたしまして、少人数指導でありますとか、個別指導、こういったきめ細かい対応で、一人ひとりの学びを支援をいたしております。

 また、教員OB等の教育相談員を配置をいたまして、生徒や保護者の相談への対応や、教員とのチーム・ティーチング、あるいは、中学校や関係機関との連携を図ったりしております。また、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、こういった方々を派遣をいたしましたり、島根大学の院生の協力によりまして、子どもたちの学習のサポートをするなど、生徒一人ひとりの状況にあわせた指導に努めているところでございます。

 

6.まずは、入学した生徒たちが、意欲をもって学校生活を送って、自信をつけて巣立っていけるように、取り組んでまいります。

 また、中途で学校を離れようとする生徒に対しましても、保護者との一層の連携を図り、専門機関の協力も仰ぎながら、適切な支援に努めてまいりたいと考えております。

 今後も、学校全体で情報の共有を図りますとともに、先ほど申し上げました教育相談員、スクールカウンセラーなど、専門家の協力を求めまして、教員自身の生徒理解、指導力の向上にも努めていきたいというふうに思っております。

 

 

(問)キャリア教育の普及について

1.宍道高校をはじめとするキャリア教育の優れた取組をどのように全県に広めていくのか、伺う。

2.各校でキャリア教育を推進していくためには、管理職がキャリア教育の重要性について十分に理解していることが必要と考えるが、どのように学校の管理職の意識を高めていくのか、伺う。

 

(答)教育長

1.宍道高校でいろいろなキャリア教育の実践を積んでまいりました。この取組内容、あるいは成果を実践報告書にまとめて、県内高校や関係機関に配付することとしております。

 それに加えまして、宍道高校に限らず、県内の高校では多くの優れた取組をしております。

 こうした取組につきましてもあわせまして、県内で研修会等を開きまして、そこで事例発表をすることによりまして、県内全体の高校がこういったキャリア教育について、意識を共有していく取組をしていきたいと考えております。

 あわせまして、本年度から雲南・江津の2地域において、小学校、中学校、高校の12年間をつなぎまして、地域ぐるみで人材育成を図るための「キャリア教育モデル事業」を始めたところであります。こうしたモデル地域での有効な取組もまた今後、県内に波及させるよう努めていきたいと考えております。

 

2.これまでも、管理職研修にキャリア教育の内容を取り入れたり、あるいは、毎年、各学校で「キャリア教育全体計画書」を作成することにしておりますが、このようなことによりまして、管理職の意識の徹底を図っているところであります。

 また、近年、各学校においても、企業の方々、地域の方々と協働した教育活動が活発になっております。そうしたことを通じて管理職のキャリア教育に対する理解も年々高まっていると認識しております。

 

 

(問)キャリア教育推進体制の充実について

1.キャリア教育推進スタッフのメンバーを更に充実させ、商工労働部をはじめ、他部署との連携、職員交流を密にし、これから島根で必要とされる人材育成と子供たちの進路に対する適切な指導が徹底されるよう、体制を整えてほしいが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.人材育成のために、知事部局と連携を図っていくことは、大変重要であると思っております。

 現在、商工労働部とは教育庁との併任発令の職員を配置しまして、連携・交流を図っているところであります。

 また、商工労働部に配置されております産業人材育成コーディネーター、現在4名いらっしゃいますが、この方々が、学校現場と企業を結び付ける様々な取組を行っていただいております。

 そういった中、昨年から、PTAを巻き込みまして、企業関係者と生徒・保護者との意見交換会、あるいは企業ガイダンス等、こういった取組を行う学校も出てきております。

 そういう意味でも、今後ともこういった連携を一層図って、人材育成に努めていきたいと思っております。

 

 

(問)離島中山間地域の高校魅力化・活性化事業について

1.離島中山間地域の高校魅力化・活性化事業について、内容と状況を伺う。

2.計画策定の状況と、途中経過の分析、評価はどのようになっているか、伺う。

3.島根中央高校におけるしまちゅうステーションで毎月「働く人inしまステ」なるものが開催されているが、内容について伺う。

4.3年で終了したらせっかくの積み重ねが無駄になる。成果の出た取組に対してだけは継続すべきと思うが、所見を伺う。

5.責任のある立場の者が3年間という期間を通して責任を持って計画、実行、検証すべきと考えるが、その体制はとれているか、伺う。

 

(答)教育長

1.この中山間地域の高校の魅力化・活性化事業ですが、平成23年度から始めた事業でありますが、中山間地域の高校と地元の町村が協力をいたしまして、高校の魅力化・活性化を図る取り組みに対しまして、1校当たり3年間で1500万円を限度に支援をするものでございます。

 対象校は8校でございます。平成23年度から5校、それから翌年度の平成24年度から3校が、この事業に現在取り組んでいるところであります。

 

2.対象となります学校では、地元の町村と一緒になりまして事業を実施する組織を設立をいたしまして、地域と連携した事業計画の策定をいたしまして、事業に取り組んでいるところであります。

 教育委員会のほうでは、学校訪問、あるいは年2回関係者が集まります研修会、こういったものを通しまして、事業の進捗状況の把握、評価に努めているところであります。

 現在のところ、各学校では、地域の資源や人材を活用した様々なユニークな取り組みが行われていると評価をいたしております。

 

3.ご紹介のございました島根中央高校ですが、JR駅前の空き店舗を利用いたしまして、学校の情報発信拠点、また地域住民とのふれあいの場所ということで、今ございました「しまちゅうステーション」、「しまステ」と通称呼んでおりますが、そういう場所を設置しております。

 この「しまステ」では、ご質問がございました事業として、町内で働く社会人を講師に招いて、体験談を聞いたり、先生たちと意見交換をしたりしておりますし、また、生徒たちが文化部等で作成をいたしました作品の展示、こういったことも行っております。

 生徒にも自信になりますし、地域においても島根中央高校の存在を知っていただけると、いい場所になっているというふうに思っております。

 

4.先ほども申し上げましたが、各校、各地域でそれぞれ特色を生かしながら、ある意味、学校の存続をかけて様々な取り組みが行われているというふうに承知をいたしております。

 今後の事業の取り扱いでございますが、今申し上げましたような各学校・地域の取り組みの状況、それから成果・課題、いろいろ地域によって異なりますが、そういったものを整理した上で、来年度に向けて検討を進めていきたいというふうに考えております。

 

5.学校の方では、校長がこの事業の3年間の展望を持ちながら事業の責任者を決めまして、また複数の担当者を置くと、こういったことで組織的に対応できる体制をとっていると承知をいたしております。

 また、地元の町村の方でも、地域振興を担当する部署、あるいは教育委員会内に専任の職員を置いていただきまして、この事業に一緒になって取り組んでいただいているというふうに聞いております。

 このように、学校と地域が協力して計画し、実行し、そして検証できるこういう体制ができているというふうに思っております。

 

 

 

 


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