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尾村議員(無)

(問)人権・同和問題について

1.教育内容に序列や順位をつけるのは、誤りであると考えるが、所見を伺う。

2.同和教育指導資料の「部落差別をはじめ、あらゆる差別」との表現は、差別に序列をつけること自体が人権侵害につながるものと考えるが、所見を伺う。

3.同和教育指導資料は廃止し、人権教育指導資料に再編すべきと考えるが、所見を伺う。また、県の「同和教育をすべての教育活動の基底に据える」との立場は、本来の教育をゆがめるものであり、正すべきと考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.2.3.島根県では、人権施策推進基本方針及び人権教育指導資料に基づき、人権教育の推進を図り、さまざまな人権問題の解決に向けて取り組んでいる。

 そうした中で、同和問題は、これまでの長年にわたる取組により着実に解消に向けて進んでいるものの、差別意識等、今なお、その解決が十分とはいい難い状況にあり、県としては同和問題を人権問題の重要な柱と捉え、同和教育指導資料等に基づき、同和教育を進めてきた。

 同和教育は、すべての人の一人ひとりの人権を大切にするとともに、差別をはじめとするさまざまな困難を克服しようとする意欲や態度を育む教育であると認識している。

 「同和教育をすべての教育活動の基底に据える」とは、このような考え方やこれまでの取組の成果を同和問題のみならず他の人権問題の解決や人権教育の推進に活かしていこうとするものであり、県教委としては、けっして教育内容や差別に順位を付けるという考えは持っていない。

 人権施策推進基本方針で示されている人権課題については、それぞれに大切な課題であり、子どもたちの発達段階や地域の実態に応じて適切に指導していく必要があると考えている。

 

(問)教育問題について

1.中学生を中心に生徒による暴力行為・問題行動が激増しているが、こうした子どもの生活背景にまで踏み込んだ対応、指導が必要と考えるが、所見を伺う。

2.中学校「武道必修化」に伴う柔道などの授業の実施における現在の具体的な問題点、課題を伺う。また、担当の体育職員や保護者の声をどう把握しているのか伺う。

3.小学校一・二年生への三十五人学級導入という国の動きを受け、島根県における少人数学級をさらに拡大すべきと考えるが、その検討状況と課題を伺う。

4.特別支援教育を充実するために、学級編制基準を見直し、コーディネーターの兼務を解消すべきと考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.中学生を中心にした生徒による暴力行為・問題行動への対応についてであります。

 県内の中学生による暴力行為・問題行動は、本年度、大幅に増加をいたしております。

 その内容を見ますと、対教師に対する暴力、生徒間の暴力、器物損壊、こういった事案が増加をいたしております。

 こうした行動の背景には、様々な要因が考えられますが、その要因に応じた対応を生徒個々に応じて、きめ細かく進めていくことが大切であるというふうに考えております。

 県内の事例から窺えますのは、一つには社会環境や家庭の状況、二つには学力不振、進路への不安、三つには人間関係づくりの未熟さ、これらが大きな要因として考えられます。

 そのための対応といたしまして、一つには家庭環境への改善へのはたらきかけといたしまして、福祉、警察等関係部局と一体となったサポートチーム会議を設置をいたしまして、経済的側面を含めた、必要な支援を行うことや、あるいは福祉の専門家や児童相談所等と連携を図りまして、保護者への相談等の支援を行ってまいります。

 二つ目に学力不振や進路への不安を解消するために、学校におきまして、個別指導を含め、きめ細やかな学習支援を行ってまいります。

 それから、三つ目の生徒の人間関係づくりの力を高めるためでございますが、基盤となる学級が、生徒の安心できる居場所となるような、学級集団づくりに努めるとともに、スクールカウンセラーの活用などによりまして、生徒の相談に対応してまいります。

 

2.それから、大きな質問の三つ目でございます。中学校の武道の必修化についてであります。

 御質問にもございましたように、来年度から中学校の体育におきまして武道が必修となります。現在の各学校の計画によりますと、柔道が全体の九割、それから剣道が約一割という実施予定となっております。

 なお、これまでも必修ではございませんが、九割以上の学校で武道の授業を実施をしてきておりまして、そのほとんどが柔道に取り組んでいるという現状にございます。

 御質問の設備でございますが、武道場が設置されている学校は、全体の四割でございます。その他の学校は、体育館等に柔道畳を設置をして実施している現状にございます。

 それから、指導者につきましては、ほとんどの学校で実施されます柔道において見ますと、指導経験のない教員が数名おります。ただ、安全に配慮した指導ができるように、これまでに武道指導者研修を受講させてきたところであります。さらに、今後新任の教員や経験の浅い者につきましては、外部の指導者に授業補助に入っていただいたり、複数の教員で授業を行うよう指導してまいります。

 それから、さきに実施した教員のアンケートにおきまして、指導マニュアルや実技研修の受講、こういったことを望む声がございました。したがいまして、今後指導マニュアルの作成を行いますとともに、先ほど申し上げた研修を継続して実施をしてまいりたいと考えております。

 次に、万一事故が発生した場合の対応でございますが、既に全部の学校におきまして、校内の対応マニュアルが作成されております。緊急時には、このマニュアルに従い、適切に対処できるものと考えております。

 最後に、保護者の方々の声でありますが、報道等によりまして、武道必修化に伴う安全性への不安が伝えられたことから、県内各市町村教育委員会に照会をいたしましたところ、何件かの問い合わせはあったようであります。そういう方に対しましては、安全面での対応等を御説明をし、御理解を得ているということでございました。

 いずれにしても、今後とも授業の安全には万全を期してまいります。

 

3.ご質問にございましたように、国におきましては、今年度と来年度で、小学校一・二年を三十五人学級とすることにいたしております。それから、島根県におきましては、すでに小学校一・二年生の三十人学級を実現をいたしております。

 小学校三年生以上につきまして、例えば三十五人学級、これを念頭にたしまして現状の生徒の数をみてみますと、三十六人以上の学級を有する学校でございますが、小学校で全体の二十三%、それから中学校で全体の三十六%ということでありますが、その多くは市部の中規模以上の学校ということでございます。

 それから、仮に、小学校三年から中学校の全学年に今申し上げました三十六人以上の学級に、三十五人学級を導入した場合には、新たに必要となる教員数は約百七十人という試算をいたしております。

 少人数学級は、ご質問にもございましたように、よりきめ細やかな教育指導を行いましたり、家庭、保護者との連携を密にする、こういった面で、効果が期待されるというふうに考えております。

 ただ一方で、教育全体につきまして学校現場や市町村教育委員会からは、特別支援教育への対応、あるいは不登校等への対応、こういった面での人的配置といった施策も強く求められております。

 ちなみに、来年度の現在議会に計上しております予算ですが、その中で、例えば特別支援教育につきまして、にこにこサポート事業の拡充でありますとか、あるいは、通級指導のための教員の増員、あるいは不登校対策のための相談員の増員、これらについて今審議をお願いしているところでございます。

 いずれにいたしましても、少人数学級について、今後も国の学級編制にかかります動向、あるいは市町村教育委員会の意向、学校現場の状況、こういうものを踏まえながら、少人数学級編制も含めまして適切な教育施策を検討してまいりたいと考えております。

 

4.まず、特別支援教育の学級編制でございますが、現在の学級編制基準でございますが、障害種にかかわらず一学級八人というふうになっております。こういったことから、複数学年の児童生徒が同一学級にいる、あるいは、近年重度の障害を有する児童生徒、こういった生徒が特別支援学級に入級する場合も増加をいたしておりまして、教員の負担も増えてきているといった事実も承知いたしております。

 こういったことで、従来から国に対しましては、この八人という学級編制の基準を引き下げてほしい、特に重度障害を有する児童生徒、こういった生徒が入っている学級については、例えば学級編制を一人とするような要望もしてきたところであります。先般、国の方でも中教審の提言でこの点について検討する必要があるという提言も出ております。こういった点も含めまして引き続き国に対して強く要請をしてまいりたいというふうに考えております。

 それからもう一点、特別支援教育コーディネーターでございますが、これもご質問にございましたように、現在、県内のすべての学校におきまして、教員の中からこの特別支援教育コーディネーターを指名をいたしまして、校内の研修あるいは学級担任への支援、こういった任務を担っているところであります。この特別支援教育コーディネーターは、通常業務をしながらの業務でございますので、教員の負担もあると思われます。

 また、資質の向上といいますか、そういったことも図っていく必要があると思っておりまして、ご質問にございましたように専任化のための加配というのは現時点では困難だというふうに思っておりますが、できるだけその職務を支援するために、たとえば特別支援学校に地域の小中学校の先ほど申し上げた学級担任の相談、あるいは助言を行う教員、これを特別支援学校に配置をいたしておりますが、その数を来年増員してまいりたいというふうに思います。それから、特別支援教育コーディネーターを助言援助できる人材、これについて研修等でそういう人材の養成に努め、将来的にはそういった人材を特別支援学校に配置したいというふうに考えております。

 

 

 

 


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