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三島議員(無)

(問)貧困問題の要素ともなる、不登校、引きこもりについて。

1.高校で困難を抱える生徒への対応についての基本的な考え方を伺う。

2.通級や特別支援学級を受け持つ専門知識や経験を必要とする教員の養成の現状と課題について伺う。

3.3年生以降への少人数学級の拡充について伺う。

4.困難を抱える児童・生徒への支援の現状への評価と今後の考え方について伺う。

5.個々の児童生徒の状態を的確に把握し適切な支援を考えていくためのケース会議の充実が不可欠と思うが、現状と今後の取組について伺う。

6.また、フリースクールの現状について所見を伺う。

 

(答)教育長

1.私から大きく二点について御質問にお答えをいたします。

 まず、不登校・ひきこもりについてでございます。六点ほど御質問いただいております。

 まず、高校で困難を抱える生徒への対応についての基本的な考え方ということでございます。

 高校での不登校などの困難を抱える生徒につきましては、まずは生徒の状況把握をきめ細かく行い、その生徒に関わりのある複数の教員によりまして、具体的な対応を決め、支援を行っていくように努めておるところであります。

 そうした中で、高校では、高校で不登校やひきこもり等に至ってしまう生徒の中には、発達障がいの二次障がいが要因の一つであるということも考えられます。こうした障がいについての理解を含めまして、生徒理解の能力を高めるなど、教員の資質を向上させる必要があると認識をいたしております。

 また、中学校の時から、不登校やひきこもりがちであった生徒に限らず、気にかかる生徒につきましても、中学校と高校の間で、情報交換を丁寧に行っていくなど、連携を十分に図っていく必要があると考えております。

 

2.通級や特別支援学級の担当者には、障がいにつきましての知識や理解、個々の障がいに応じた専門的な指導力が求められております。

 このため、国の研修機関や教育センター等での研修、特別支援学校教諭免許状を取得するための免許法認定講習の実施、さらには、特別支援学校と小・中・高校との人事交流などによりまして、特別支援教育を担う教員の養成に努めているところでございます。

 ただ、特別な支援を必要とする児童生徒が増加をし、障がいの多様化も進んでおります。

 そうした人材が十分に確保されているという現状にはないと思っております。

 今後とも、専門性のある教員を確保し、様々な障がいの種類に対応できる力量を高めていく必要があると認識をいたしております。

 

3.この少人数学級は、よりきめ細やかな教育指導を行うこと、あるいは、家庭、保護者との連携を密にできる、こういった面で、効果が期待されるものと考えております。

 そういった中で、学校現場や市町村教育委員会からは、特別支援教育への対応あるいは不登校等への対応、こういったこと等のために、人的配置といった施策も強く求められているところであります。

 

4.困難を抱える児童生徒、特に、不登校児童生徒に対する支援といたしまして、教員の指導に加えまして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、あるいは子どもと親の相談員、これらを配置をして活用して取り組んでいるところであります。

 近年、こうした取組の成果も現れておりますが、一方では、未だ、そうした子どもたちが多くいることも事実であります。引き続き重要な課題であると思っております。

 このため、来年度は、不登校や引きこもりがちな児童が多い二十五の小学校に主幹教諭や子どもと親の相談員を重点的に配置をいたしまして、家庭とも十分な連携を図りながら、学校全体で、教育相談、生徒指導ができる体制を整備することといたしております。

 

5.困難を抱える児童生徒の現状を把握し、支援策等を検討するために、各学校では、ケース会議が設けられております。

 ケース会議には、また、状況に応じまして、児童相談所、警察、あるいは、保健所等の関係機関の方にも参加をしてもらいまして、また、小・中・高校間での情報共有も行われていると聞いております。

 このケース会議によりまして、例えば、福祉関係者の参加によりまして、幼少期からの児童生徒の様子が確認できましたり、協力関係が難しくなった保護者に対するキーパーソンが発掘できる等、問題解決の糸口となる成果もあると聞いております。

 今後とも、児童生徒一人一人に対しまして、関係機関等との連携を更に進めまして、様々な専門家の知見を結集させ、実効性のあるケース会議が実施をされまして、適切な支援が行われるように市町村や各学校に働きかけてまいります。

 

6.フリースクールとは、学校教育法で定める学校とは別に、民間におきまして、学習支援でありますとか、相談、居場所の提供、その他保護者からの相談等に応じている、そういった場所であると認識をいたしております。

 県内におきましても、特に都市部の方で、こうしたフリースクールがいろいろな工夫をこらしながら設置をされているということでありますが、その運営につきましては、議員からもございましたように、居場所の提供が主体の施設から、高卒資格取得が可能な施設まで様々あります。

 このようなフリースクールは、不登校やひきこもりの児童生徒等にとりまして、一人一人の実態に応じて貴重な受け皿の一つとしての役割を担っているというふうに考えております。

 

(問)学力観について

1.「今時の若者」の特徴についてどのように認識しているのか伺う。

2.島根の教育は、どんな人を育てようとしているのか、テスト学力主義との関係について、考えを伺う。

 

(答)教育委員長

1.三月の一日の山陰中央新報「明窓」の欄に、席を譲った女性に席を譲った高校生の話が出て載っておりましたが、なかなかできる事ではございません。彼のような若者も沢山いると思いますけれども、全体的には私もおっしゃるような印象を持っております。更に加えるとしたら、諦めが早いような気が致します。

 「指示待ちが多い」と言われましたが、私も初めて職に就いた時はやはり指示待ちでございました。仕事柄かも知れませんけれども、指示を待たずに勝手なことを、勝手に事を進めてしまうと、失敗をしなかったとしても「勝手なことをするな」というふうに怒られたり、大体良いことはありませんでした。ですから、先輩のやることを一生懸命見ながら、顔色を見て少しずつ動いていたように思います。

 今は勝手に事を起こして、注意をされたり、怒られたりして自分の思うようにならなかったりしたら、ふてくされるか、キレてしまうか、しょぼくれてしまうような若者が多くなってきたように思います。いきおい、指示待ちになりがちなのかというふうに思っております。

 しかし、顧みますとそんな大人も多くなってきたような気がします。今の若者に影響を与えているのは、少なくとも大人であるというふうに感じております。

 

2.知・徳・体のバランスが取れ、そしてこの島根を愛してやまない子に育てるのが理想だと思っております。

 また、学力についてでございますが、学力主義についてですが、私はそもそも学校とはそうしたものだと思っております。学校は学ぶ所であり、集団の中で学力を養いながら、「徳」や「体」も育てていくものだと思っております。

 学びの確認がテストであり、テストをすれば、良い子も悪い子もいるのは当たり前の話であります。点数によって進路も振り分けられることも当然の話です。

 でもテストの点で人生の善し悪しが決まるなんて誰も思っていないということもまた事実でございます。テストで良い点を目指させることで、努力とか忍耐、また挫折や競争の厳しさを教えることにも繋がると思っております。

 うろ覚えで恐縮ですけれども、マリナーズのイチローが、「小さいことを重ねることが、とんでもない所に行くただ一つの道である」と言うふうなことを言っていたと思います。

 スポーツであれ勉強であれ、どんなことでも平凡なことをコツコツ積むことで努力を怠らない、人間としてバランスの良い子どもを育てることに繋げる事ができると思っております。

 

(問)文化芸術振興について

1.後継者を指導する文化芸術に優れた指導教員の任用や育成に対する所見を伺う。

 

(答)教育長

1.それから、大きな二点目でございます文化芸術についてでありますが、島根県の将来の文化芸術活動を担う人材の育成にも、この文化部活動は資するものであると考えております。こうした文化部活動を指導することのできる教員の確保は大変重要なことであると思っております。

 このため、これまで教員の任用につきましては、例えば文化芸術活動等に特に優れた実績・資格等を有していることに配慮いたしますとともに、

 今年度は、近年、生徒数・クラス数の減少で芸術教員の数も減ってきたという状況にございましたが、例えば複数の学校の芸術科目を兼務する教員の配置、それから新たに美術を担当する教員の採用試験を実施しております。来年度から配置することにいたしております。

 一方で、育成の方でございますが、島根県高等学校文化連盟、ここがいろいろな組織を持っている訳でございますが、それぞれの専門部において講習会を行っております。そういった講習会や、教育センターにおきます教科教育に関わる研修、こういった所で、該当教員の指導力の向上に努めているところでございます。

 今後とも、学校におきます文化活動につきましては、外部の人材の活用も含めまして、工夫を凝らしながら取り組んで参りたいと考えております。

 

 

 

 


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