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須山議員(民主県民)

(問)特別支援学校及び寄宿舎について

1.これまでの「今後の特別支援教育の在り方に関する検討委員会」における検討経過と、答申を受けて策定する基本計画のスケジュールを伺う。

2.平成十九年に策定した「転換基本計画」を踏襲するとしたことと、保護者が感じる違和感とに距離感を感じるが、所見を伺う。

3.今後、浜田ろう学校、浜田養護学校の統廃合を視野に入れているのか伺う。

4.特別支援学校と小中学校等との人事交流の考え方について所見を伺う。

5.県内の寄宿舎の実態と、新築や統廃合について何らかの計画があるのか伺う。

 

(答)教育長

1.「今後の特別支援教育の在り方に関する検討委員会」の検討経過と今後のスケジュールについてであります。

 この検討委員会は、昨年五月に第一回を開催して以来、先月を最終回といたしまして、延べ九回にわたり審議が行われて参りました。

 この間、県内各地で広聴会を開催したり、或いは特別支援学校等の視察も行われてきたところであります。

 現在検討委員会の会長のもとで、諮問をいたしました十項目に対する答申に向けて最終調整中でございますが、先月の第九回で協議をされました答申案の内容につきまして、二、三申し上げますと、

 例えば、近年増加傾向にあります発達障がいの対応について、高等学校においても、小・中学校で実施をしております、通級指導教室のような新たな仕組が必要であるというようなことが示されております。

 それから、卒業後の就労対策につきまして、知的障がい特別支援学校高等部への職業コース制の導入、これらが提案をされているところでございます。

 今後の予定でありますが、今年度中には答申をいただき、この答申内容を踏まえまして、県教育委員会としての基本計画案を作成をし、パブリックコメントを経た上で、夏までには新しい計画を作成したいというふうに考えております。

 

2.平成十九年の学校教育法の一部改正に伴って策定した「転換基本計画」についてでございます。

 この転換基本計画は、平成十九年の学校教育法の一部改正、これを踏まえまして、各特別支援学校において、現在の専門性を確保しながら、できるだけ他の障がい種にも対応できる体制を整えていくこと、或いは多様な相談にも対応できる、こういったことを目指すものでございます。

 この計画に基づきまして、平成十九年度から、浜田ろう学校で視覚障がいの教育相談を実施をいたしております。また、今年度は、江津清和養護学校に新たに病弱教育部門を設置したところでございます。

 今回の答申案では、この計画の中で、まだ実施をされていない、また保護者からの要望も強い、出雲と益田の養護学校に早期に肢体不自由教育部門を設置するということが示されております。

 今後、県の計画を策定するに当たりましては、この趣旨に沿って、取り組んで参りたいというふうに考えております。

 

3.浜田ろう学校と浜田養護学校の統廃合を視野に入れているのかというご質問がございました。

 議員ご照会のように、この答申案には「隣接する浜田市内の特別支援学校においては、老朽校舎の建て替えの際には、校舎の共同利用にも配慮する」というふうにされております。

 現在両校の建物の状況でございますが、老朽化が進んでおります。浜田ろう学校につきましては、管理棟と寄宿舎、それから浜田養護学校につきましても、高等部棟と屋内運動場が、築後四十年以上経過をしております。いずれ建て替えが必要になるというふうに考えております。

 一方で浜田ろう学校と浜田養護学校、学校が隣接をしております。この特徴を活かしまして、これまでも学校行事での交流や合同学習が行われてきたところであります。

答申案は、こうした状況や、或いは両校の児童生徒数の在籍状況などを踏まえまして、教育環境を整えていくと、こういう視点で記載をされていると理解をしております。したがいまして、両校を統廃合すると、そういった考えが示されているものではないというふうに考えております。

 今後、県として基本計画を策定するに当たりましても、こうした趣旨を尊重して参りたいというふうに考えております。

 

4.特別支援学校と小・中学校等の教員の人事交流の考え方についてであります。

 人事交流につきましては、双方にとりましてメリットがあることが要件であると考えております。

 例えば、特別支援学校の教員が、小・中学校へ赴任する場合は、赴任先での特別支援教育の充実が期待をされます。

 また、小・中学校から特別支援学校に赴任する場合には、小・中学校に在籍をいたします発達障がい等のある児童生徒の日常の様子について、特別支援学校の教員に対して情報提供が期待をされます。また、赴任した教員本人も、特別支援学校での専門的な知識を取得し経験を積むことで、人事交流後に小・中学校におきまして特別支援教育の充実に活かすことができるというふうに考えております。

 小・中学校等の教職員の特別支援教育に対する知識や経験をより幅広いものにするためには、研修のメニューや機会の充実、これらに併せまして、こうした人事交流も有効な手段であるというふうに考えております。

 もとより、人事交流にあたりましては、交流を希望する本人の意欲や適性を十分に踏まえた上で、学校や市町村教委と協議を十分に行いながら進めて参ります。

 

5.特別支援学校寄宿舎についてでございます。

 現在特別支援学校の寄宿舎は、通学が困難な児童生徒のために設置をしておりまして、盲・ろう学校三校、それから知的障がい特別支援学校のうち、隠岐以外の五校、計八校に設置をいたしております。

 今年度の入舎率でございますが、盲・ろう学校三校は約十八%であります。それから知的障がい特別支援学校五校では、約八十三%となっておりますが、中身は男女によって入舎率に差異が生じております。また、体位の向上によりまして舎室が狭くなっているといった状況もございます。

 また、八校の寄宿舎のうち、盲・ろう学校三校の寄宿舎は、いずれも築後三十年以上が経過をいたしております。

 現段階におきまして、具体的に新築や統廃合、こういった計画を決めているわけではございませんが、今後の整備に当たりましては、今申し上げましたような状況や、今後の入舎数の見込み等、これらを勘案して検討して参りたいというふうに考えております。

 

(問)高校生の就職について

1.特別支援学校の卒業者のうち、就職希望者の数や企業からの求人数、就職内定率、また、就職内定率をアップするための取組を伺う。

 

(答)教育長

1.特別支援学校の卒業者の就職状況と、内定率アップへの取組についてであります。

 今年度の特別支援学校高等部それから専攻科の卒業見込み者数、百六十三名でございます。うち就職希望者数は六十名でございます。二月一日現在の、就職内定率でありますが、六十八%でございます。

 なお、求人数についてお尋ねがございましたが、特別支援学校の場合、学校側から企業に依頼をいたしまして、現場実習体験を行い、その上で採用になるというケースが多ございます。それが実情でございます。

 それから就職内定率アップへの取組についてであります。近年生徒の障がいの状況が多様化しております。一人一人の生徒の力に応じた職業教育が必要となっております。そこで、早期から職業教育を積み重ねていくために、小・中学校段階からのキャリア教育の充実が必要であるというふうに考えております。

 また、議員ご指摘もございました、生徒数の増加に伴いまして、実習先の拡大が必要となっておりますので、新たな職種の開拓や、企業への理解・啓発に一層努めて参ります。今後とも、福祉・労働等関係部局と密接な連携を図りながら、障がいのある生徒の就職をより一層進むよう努めて参る所存でございます。

 

 

 

 


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