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小沢議員(自民)

 

(問)教科書問題について

1.教科書の採択地区について、できる限り縮小を図る、あるいは教育委員会単位とし、単独採択地区化を推進してはどうか、所見を伺う。

2.すべての教科書の採択における審議を公開すべきと思うが、所見を伺う。

3.教科用図書選定採択審議会の専門調査員は、現場教員やOBに偏ることなく、広く各界各層から求めるべきではないか、所見を伺う。

4.本県の「教科用図書採択基準と選定資料」には、教育基本法の改正ポイントが反映されているのか伺う。

5.この夏の中学校教科書採択に際し、どのような「教科用図書採択基準や選定資料」が作成されていなければならないのか、また問題点の改善を含め、どのように当該資料の中に反映していくのか伺う。

 

(答)教育委員長

1.「各市町村単位で単独採択をしては」というご意見でございますけれども、お気持ちは、私は解るような気が致しますけれども、島根県の中学校の数は約百校でございます。そういった中で、ばらばらと言うのは大げさかも知れませんけれども、別々な教科書では、統一した教育環境にはならないのではないかという風に危惧をしております。

 また、県内の町村は東京や大阪や埼玉県等とは違う訳でございまして、小規模であり、単独では全学年の全ての教科書について調査・研究を行うことは、そういう人、要員を確保するのは非常に難しいと言うような状況ではないかと危惧しております。

 実際、今年度事務局が行った調査によりますと、「市町村単位では、調査員の選定が難しい」とか「採択地区の規模を県単位にむしろして欲しい」と言う風な意見もあるようでございますので、やはり私と致しましては、島根県においては、ちょうど良い適正な規模ではないかと考えております。

 

2.今の世の中でございますので、「全てを公開に」というお気持ちは私も解る気がしますし、理解もできます。しかし、ご承知のように、教科書採択につきましては、世間で非常に注目を浴びる事件・事項だと思いますし、殊に社会の教科書の採択に至っては、その傾向が強いという風に感じます。

 審議会や協議会を構成する人は、幅広くバランスのとれた人を選ぶようにしておりますけれども、その中では、必ずしも衆目にさらされることに慣れている人ばかりであるとは言えないと思います。ことに保護者である若いお父さんであるとか、若いお母さん方はそうではないかと思うところでありますけれども、そういう方たちが、その衆目にさらされる中で、自分の意見を堂々と言えるかどうかと言うのは、私はちょっと危惧をするところでありまして、むしろ意見が言えないと言うことは、マイナスなイメージに繋がりかねないと思っているところでございます。そういう理由から、市町村教育委員会においては、審議そのものについては非公開とされているのではないかと考えます。

 なお、協議会の委員や議事録、採択のために作成した資料、採択結果やその理由は公開もされておりますので、私としては今のありかたで妥当ではないかという風に考えております。

 

3.採択にあたっての調査員を広く各層から求めるべきというご意見には、賛成であります。

 しかし、専門調査員を教職員としているのは、教科書の特徴でありますとか、調査・研究するためには、やはりその科目に良く精通している、或いはまた豊富な知識やそういった情報が集められている、また興味を深く持っている、そしてその教科書を実際に使っている、という風な経験が求められることは、私としては当然なことではないかなと思います。

 個々の専門調査員の人選について、私が承知をしている訳ではございませんが、それぞれふさわしい教職員が調査員として選任されていると思っております。

 教育委員の立場と致しましては、一人一人の調査員の思想であるとか考え方であるとか、そういったところに斟酌出来る訳はございませんので、委員としては「事務局を全面的に信頼をして任せるしかない。」とそういう風に考えております。

 

4.来年度から使用されます小学校用の教科書については、教育基本法の改正を受けて作成され、検定を通過している訳でございますので、いわゆる「新しい学習指導要領」に沿ったものであり、私は、一冊一冊を細かく見ている訳ではございませんけれども、当然いずれも改正のポイントが反映されたものであると思っております。

 「道徳心」や「公共の精神」、「伝統と文化」、「我が国や郷土を愛すること」が教育の中でも重要であるということは、学校教育ばかりではなく、家庭でも地域でも、常日頃から大切にしなければならないことということは常日頃から思っているところであります。

 本県の採択基準といたしましても、新しい学習指導要領のねらいを踏まえるということはもとより「豊かな感性を育てること」や「ふるさと教育」など島根の教育で大切にしたいということはちゃんと押さえられていると思います。

 

5.個人的にはいろいろな思いもあります。あまり詳しくお話しをすることは、差し控えさせていただきますけれども、例えば、小学校の社会の教科書につきましては、竹島の記述が少ないものが多く、個人的に少々残念な気がしており、また歯がゆい思いもしているところでございますけれども、我が島根県の教育の現場では、独自にDVDを作成するなどして、また領土問題にも触れながら丁寧に指導されており、それについては評価をしているところでございます。

 教科書は、広く意見を集約して作成されるものであり、採択基準や選定資料の作成にあたっては、学習指導要領に沿った、殊に議員が何度も言われておられます「国を愛する心を涵養するなどということが、そういう指導が抵抗なくできる内容を反映したものにすべきと思っております。

 中学校の教科書採択はこれからでございますが、教科書は、教育の現場にとってとても大切なものだというのは私も同じ意見でございます。教科書の採択にあたるということは、「教育の興廃この一戦にあり、いや失礼しました、教育の興廃この採択にあり」とそれくらいの気構えは大げさかも知れませんけれども、それくらいの気持ちを持ってこれにあたる方々には、「各員奮励努力せよ」と言う旨の気持ちを伝えたいと思っております。

 

 

 

 


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