絲原議員(自民)
(問)「たたら」を中心とした文化観光施策について
1.「たたら製鉄」の世界遺産登録への準備を含めた情報発信について、県自ら取り組む考えはないか伺う。
(答)教育長
1.「たたら製鉄」の世界遺産登録への準備を含めた情報発信についてのお尋ねでございます。
「たたら製鉄」は、日本古来の伝統的な製鉄技術でありまして、島根の歴史を語るうえで大変貴重な価値をもった世界に誇れるものと認識いたしております。このため、古代出雲歴史博物館の常設展示で現在、重点展示と位置づけまして、「鉄の炎・島根の鈩」として展示を行っているところであります。
また、現在、古代文化センターにおきまして、雲南市と共同で「たたら製鉄」の研究を進めております。今年の秋に、その成果を古代出雲歴史博物館で企画展「たたら製鉄と近代の幕開け」と銘打って公開する予定としております。今後も、その価値を県内はもとより全国に向けて情報発信していきたいと考えております。
一方で、世界遺産登録のお尋ねもございましたが、この登録を行うためには、何よりも、その「顕著な普遍的な価値」を証明する必要があるということであります。言いかえますと、たたらの場合、他県も含めてかなり広範囲で生産が行われております。そういった範囲の指定も含めまして、その文化的な価値を世界的に認めてもらう、そのための証明をする必要があるということが、ひとつございます。
それから、世界遺産の対象となります遺跡、建築物、文化的景観、これらが例えば史跡の指定を受けるなど、国内法であります文化財保護法によって保護されていることも必要でございます。こういったことが必要でありますが、今の世界遺産の登録状況を見ますと、実は、日本から推薦されたものは「石見銀山」以来ございません。例えば、岩手県の「平泉」は候補となりましたが、登録延期となっているという状況でございます。因みに、現在の世界遺産に日本から出されたものが十四件登録されておりますが、その予備軍であります日本の暫定リストに登載されているものも、同じく十四件でございます。
このように、世界遺産の登録に当たりましては、現在様々な課題があることも事実でございます。そういう中で現在、奥出雲町では、「たたら製鉄」が残した文化的景観につきまして、国の「重要文化的景観」の選定を目指した取り組みを進めておられます。
今後は、たたらに関する調査研究を積み重ねる中で、今申し上げましたような文化財保護法に基づく保護措置に向けての取り組みを着実に進めていくことが大切であろうと考えております。県としましても、関係市町と連携、協力して取り組んでまいりたいと考えております。
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