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中島議員(自民)

 

(問)ふるまい向上プロジェクトについて

1.「ふるまい」が十分に身についていない子どもたちが増えているのは、子供たちだけの問題ではないと思うが、その状況について、所見を伺う。

2.実際の教育現場での子どもたちの「ふるまい」の状況について伺う。

3.「ふるまい向上プロジェクト」の目的、推進体制について伺う。

4.このプロジェクトにおけるPTAや地域社会の役割について、所見を伺う。

 

(答)教育委員長

1.「ふるまい」が十分に身についていない子どもたちが増えているのは、子供たちだけの問題ではないと思うが、どう考えているのかということでございますが、私の所見を述べさせて頂きたいと思います。

 近年、老いも若きもまた男女を問わず「ふるまい」が十分身についていないということが社会現象として取り上げられるようになってまいりました。我が島根県は、豊かな自然や歴史、文化に恵まれた環境にあり、「ふるまい」に関しても、そういった環境の中で自ずと身についてきたように思います。しかしながら、全国的な流れと同様、僅かずつではありますが、気になる行動が見受けられるようになってきた気が致しております。

 率直に言いまして「ふるまい向上」といった事に県が取り組まざるを得ないという状況は寂しい思いがありますが、何もしなければ良くならない訳でございますので、県教育の中で率先して取り組むことは非常に意義があることだと感じております。以前は、「他人に迷惑をかけないように」と常日頃から大人から子どもへ言われてきたものでございます。当時の大人は、「社会に迷惑をかけてはいけない」という事をモラルの第一に捉えていた事の現れではないかと思います。それに比べ、現在の社会は、個人の利益が優先されるのが当たり前となり、一人一人が社会の一員であるという意識や自覚が不足しているように思います。「迷惑をかけさえしなければ少々のことは良いのではないか」という風潮や社会現象もあり、おっしゃるように個人を注意されると逆にキレてしまうのではないかと思います。学校のクラスや家庭、そして職場や地域なども含めた大きな視野で「ふるまい」を考えれば、自ずと我慢するべき場所が解るのではないでしょうか。

 まず身近なところでは、子どもばかりではなく大人も一緒になって、家庭でのあいさつでありますとかゴミが落ちていたら拾う、割り込みや、空き缶・たばこのポイ捨てをしないなど、世代を超えてちょっとしたことから取り組むことが必要と思います。自分さえ良ければといった世の中、自分以外の人にも思いを馳せることが出来る世の中にしたいとそういう風に感じております。

 

(答)教育長

2.ふるまい向上の取組についてお答えします。

 教育現場での子どもたちのふるまいの現状でございます。私は島根県の児童生徒は、素直で思いやりのあるやさしさを備えた子どもが多いと思っています。県全体といたしましても、学校は比較的落ち着いた状況にあるというふうに考えています。これは、先ほど委員長からもございましたように、島根県の歴史や自然、文化、こういったことにふれる機会も多く、挨拶やマナーなどを学びやすい環境にあり、こういったことが子どもたちによい影響を与えているものと考えております。

 しかし、一方で情報化の進展でありますとか、あるいは核家族化、地域の連帯感が薄れてくる、こういったことを背景といたしまして、全国的な課題とされております規範意識の低下やコミュニケーションが取れない、あるいは、すぐにキレる、こういった自己中心的な言動がみられる子どもたちも増えてきているのも事実であります。

 また、先ほど議員からもございました早寝・早起き・朝ご飯といった基本的な生活習慣につきましては全国に比べますと、島根県の方は、よくできていると考えておりますが、携帯電話、あるいは、インターネット、こういった情報化に過度に依存するというようなことで、生活のリズムが整わないといった子どもたちも見られるようになってきております。

 

3・4.次にふるまい向上プロジェクトの目的推進体制それからPTAあるいは地域社会の役割についてでございます。

 この「ふるまい向上プロジェクト」では、子どもたちが将来社会人として身に付けておくべき規範意識、マナー、思いやりの心などいわゆるふるまいを乳幼児期から身に付けさせることを目的といたしております。そして、子育てに悩みや不安をもつ若い親世代への支援を充実することもこの事業の目的の一つでございます。本来、子どもがふるまいを身につける上で重要な役割を果たすのは家庭であります。保護者のかかわり方は大きな影響力を持つと思っております。そういう意味でPTAの活動、これは子どもの健全な発達に寄与しふるまい向上の推進に大きな力を発揮してもらえるものと期待をいたしております。

 また、地域社会でありますが、子どもに手本を示す大人でありますとか、あるいは子育てに悩む親の相談役、こういった存在など、ふるまいを向上させるために必要な人材がたくさんあります。こうした地域の人材を有効に活用して、地域全体で「ふるまい向上」に取り組んでいただきたいというふうに思っております。こうしたことから今年度、「ふるまい向上推進県民会議」を設置いたしましたが、この中にはPTAや地域の代表者の方にも委員をお願いし、参画していただいているところでございます。また、庁内の体制でありますが、教育委員会、健康福祉部、警察本部、これが連携いたしまして具体的な課題ごとにチームを編成するなど取組を進めているところでございます。

 今後、先ほどの県民会議で委員のみなさんから意見をいただきながら取組の方向性を確認し、県民の中に広がりのある運動にしていきたいと思っております。

 

 

 

 


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