（問）公民教員採用について

１．十六年間、公民で教員採用しなかった理由を伺う。また、今後の採用計画の考えを伺う。

２．今までも計画的に公民免許を持った教員を採用すべきではなかったのか所見を伺う。

３．免許を持っていても、専門外の場合、高度な授業となりうるのか伺う。

４．地歴の教員採用に当たって、隔年で公民採用とし、「地歴免許所有者を考慮します」としてはと思うが、所見を伺う。

５．当面、大規模校では地歴・公民科教員のうち一人は公民免許を持った教員を配置し、小規模校では、加配で公民教員を配置する措置が必要と思うが、考えを伺う。

（答）教育長

１．今議員がおっしゃいました平成六年にそれまでの社会科が「地理歴史科」と「公民科」というふうに二つに免許制度が分かれました。その際、島根県におきましても教員採用試験の区分を従来社会科一本としておりましたのを「地理歴史」と「公民」というふうに二つの採用区分に分けました。今議員からございました平成七年度三名の「公民」の採用をしたということであります。

　一方ですね、いわゆる社会科、今申し上げました地理歴史科、それから公民科、いわゆるそれまでの社会科を教える教員のうち現在でも八割程度が公民の授業ができる免許状を所有しております。これは、平成六年までは、社会科の免許ということですが、平成七年以降は公民の免許ということでありますが、そういう免許を取得している方が八割以上いらっしゃるということ、それから、生徒数の減少が続いておりまして、教員数全体の採用が非常に少なくなっております。特に社会科関係、近年は一名程度の採用でございます。そういった中で地理歴史と公民を合わせて授業担当してもらうということをしておりまして、これは免許を持っておられますので現実に授業に支障をきたすような状況にはないというふうに考えまして、今議員の方からありましたように平成七年度以降「公民」としての採用は現在はしていないということでございます。

　それから今後の採用でございますが、今後の退職者数はどうなるのか、あるいは各学校の教科別の教員配置をどういうふうにするのかということを十分に踏まえて採用の方は考えていきたいというふうに思っております。

２．今議員からございました、平成十二年に七名採用したこともございましたが、全般には先ほど申し上げましたように毎年一名から最近は一名ですが、多くて三名から四名という時期が続いておりました。ということで全体の数が少ない中でどうするのかという判断をしてきたわけであります。

　ちなみに平成六年度以降でありますが、この「地理歴史」と「公民」四十三名の採用をいたしておりますが、そのうち先ほど申し上げた公民の授業ができる免許状、これをもっておられる方が、半分の二十一名いらっしゃいます。そういったことで、当面は公民の授業にも支障をきたさなかったのではないかということでこういう採用状況になっているというふうに理解しております。

３．なかなか高度な授業というのが、どこからが高度な授業なのか難しいところがございますが、私どもといたしましては、一応公民の免許を持って教えていただいている先生方、これは生徒の進路希望等も勘案しながらきちんとした授業をやっていただいているというふうに思っております。

　先ほど申し上げましたように採用の仕方、社会科の中でいろいろあるわけですが、現状の少ない採用人数の中では、今の公民の免許を持っている方にも配慮しながら採用していく現状はそういう方がよいのではないかというふうに思ってきたわけであります。今後については、先ほど申し上げましたように今後の退職者、あるいは社会科全体の教員数の中で勘案して進めて対応していきたいと思っております。

４．ご提案のやり方もあるかなあという気がしますが、いずれにしても全体の社会科、先ほど申しましたように歴史と地理、公民とございますので、やはり県内全体の各学校の科目の選択の仕方、それら全体を勘案して、その採用についても地歴、公民それぞれ考えていきたいというふうに思っております。

５．今ございました現在も教員の配置につきましては、各学校の要望に応えながら、また専門性にも配慮して配置をしているつもりでございます。

　今後でございますが、先程来申し上げておりますが、生徒の希望、あるいは各学校の状況、こういったことに十分配慮しながら適切な教員配置を行ってまいります。いずれにいたしましても、今議員の方からございました生徒の不利益にならないようなそういう配慮は十分しながら教育体制を作っていきたいというふうに思っております。