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宮隅議員(自民)

 

(問)学力向上対策について

1.学力調査について、調査問題を教育委員会で作成し、調査を毎年実施する考えはないか伺う。

2.学力調査を活用し、教師が自分の力量を認識し指導力を向上させる仕組みを考える必要があると思うが所見を伺う。

3.授業時間の確保のため夏休みの短縮が各地で行われているが、県内の状況と所見を伺う。

(答)教育長

 1.まず、問題作成と調査の継続実施についてであります。

 今年五月に実施した「島根県学力調査」は、問題作成及び分析資料の作成などにつきまして、県が実施のねらいとしていた内容を十分に反映さるべく事前に調査したうえで業者に委託して行いました。

 委託の理由としては、業者の専門的な視点から詳細な分析データが得られること、集計処理にかかる時間が短縮されること、全国的に調査を実施していることなどの点から高い費用対効果が見込めると判断したからであります。

 現在、調査結果を基に学力向上に向けた取組を行っているところですが、児童生徒の学習や生活の改善状況、教員の指導力の向上などについてその成果を検証するためには、経年比較や全国における本県の状況を把握することが必要であります。

 市町村教育長からも継続の要望を受けておりますので、来年度以降の継続実施について、検討しております。

 2.次に、教師の教育力を向上させる仕組みについてであります。

 七月下旬から八月上旬にかけて、各学校、市町村教育委員会を対象に、学力調査結果説明会を開き、各学校の課題を分析し解決するための着眼点や方法を探る実践的な研修を行いました。

 この研修を受けて、それぞれの学校においては、各学年、各学級の結果を詳細に分析することにより、学校や教員一人一人の指導の成果と課題を明らかにし、指導力の向上に取り組むこととしております。

 この指導力向上の取組には、各学校の中核となって推進するリーダーを育てる必要があります。そのため、授業改善を学校全体で進める方法を学ぶ「リーダーセミナー」を開催します。加えて、中学校、高校教員を対象とした「授業力向上セミナー」や、学力向上の優れた取組を紹介する「学力向上フォーラム」を開催いたします。

 なお、学力調査の詳細な分析・考察については、六月議会で九月末を目途に「報告書」として第二次の公表を予定しているとお答えしておりましたが、集計分析の遅れにより、十月末となりますので訂正いたします。

 3.次に、小・中学校における夏季休業日の短縮についてであります。

 長期休業日の期間については、各市町村教育委員会の学校管理規則によって定めることとなっております。県内の各市町村では、夏季休業日については、七月二十一日から八月三十一日までと定められており、春、夏、冬の休業日の年間の総日数は、六十九日となっております。

 現在、この学校管理規則を改め、授業時数の確保のために夏季休業日を短縮している市町村はありません。

 なお、年間の授業時数を確保するため、夏季休業中に、各市町村教育委員会の承認の下で、宿泊学習や職場体験学習等を実施し、実質的に夏季休業日を短縮している学校もあります。

 夏季休業日を短縮して授業日を設けることについては、各市町村教育委員会の判断で対応されるべきことではありますのが、暑い時期に設けられた夏季休業の趣旨はありますが、工夫次第では、柔軟な対応が可能であり、またそうあってほしいと考えております。


(問)郷土を愛する教育について

1.教育が次世代の人間を作るのであり、島根のために、郷土を愛する教育や人としての基本をもっと教えるべきと思うが所見を伺う。

(答)教育長

 1.次に、郷土を愛する教育や人としての基本を教えることについてであります。

 自らが育っていく郷土や風土は、人格形成にとって大きな影響を及ぼすもので、その後の人生の精神を規定することとなります。

 このような考えを基に、「ふるさと教育」を推進し、ふるさと島根への愛着を深め、ふるさとに誇りをもつ子どもを育てる教育活動を展開しております。その中で、「他人をやさしく思いやる心」、「美しいもの、気高いものに感動する心」、一言で言えば豊かな心の醸成も図っていくこととしています。

 現在、子どもたちが「ふるさとが好きになった」「地域の一員としての自覚をもち、積極的に地域の行事に参加するようになった」「地域の人とのふれ合いや自然とのかかわりを通して、人とのかかわりの楽しさを感じ、人としての基本を学んでいる」との評価もいただいております。ふるさとは、自然や歴史、あるいは伝統文化などとともに、こうした地域の人々とのふれあいがあって、愛着が深まるものと考えております。

 今後もふるさと教育を中心として郷土を愛する心を育てて参りたいと考えております。


(問)次期高校再編について

1.産業界とも十分に協議することが必要と考えるが、次期再編計画を策定する基本的な考え方、方向性について伺う。

(答)教育長

平成二十一年度以降の県立高校の再編成については、本年三月に、県内産業界等の有識者や学識経験者から成る委員会を設置したところであります。

 本年度においては、まず、学校の実情を把握するため、県内各地の高校を視察していただき、先般、第2回委員会を開催し、魅力と活力ある県立高校づくりの観点から、検討を進めているところであります。

 ご指摘のとおり、県内産業を支える人材育成のあり方についても、様々な方々の意見を聴取するとともに、本県の地理的状況や、生徒数の今後の推移を十分踏まえ、検討してまいりたいと考えております。


(問)不登校について

1.県は不登校問題をどのように捉え、どういう対策を考えているのか伺う。

2.教員採用の際には知識偏重の試験ではなく、人間性や教育に対する情熱などの視点を重視すべきと考えるが所見を伺う。

(答)教育長

 1.次に不登校問題についてであります。

 平成十七年度の公立小中学校の不登校者数は小学校では減少していますが、中学校では増加し、合計一〇一八名です。統計の取り方としては、例えば、不登校と病欠やその他の理由との明確な概念区分が困難であり、一概に全国との比較をしずらい面がありますが、いずれにしましても極めて憂慮すべき状況にあります。

 不登校の要因は、児童生徒一人一人によって様々ですが、平成十七年度「不登校の状況等に関する調査」のまとめによると、対人関係への不安や集団生活に対する強い緊張感、生活リズムの乱れ(昼夜逆転の生活)などがきっかけと思われるものが最も多くなっております。

 不登校の要因は様々でありますが、不登校の未然防止には、家庭と協力した教員の日頃の指導、支援が大切であり、一日のうち多くの時間を子どもたちと過ごす教員が、子どもから信頼されていることも大切です。

 信頼される教員とは、専門性に長け、楽しくわかる授業のできる教員、生徒の思いを聴き、適切な指導、支援ができる人間味のある教員であると思っています。そのために、コミュニケーション能力やカウンセリングマインドを身に付けさせる各種の生徒指導研修も継続しております。

 不登校の未然防止については、学校だけでなく、家庭と地域社会との連携が重要であると考えておりますので、そうした視点で様々な取組を強化していきたいと考えております。

 2.次に、教員採用試験についてお答えします。

 今月はじめに、教員採用試験の第二次試験を無事終了することができました。初日の専門教養試験、適性検査、実技試験に続き、二日目からは、面接試験等を実施しました。受験者は、朝から一日かけて、面接試験、実技試験、そして模擬授業に取り組んでおりました。

 また、第一次試験においても、一般教養・教職教養試験だけでなく、全員に面接試験を実施しております。さらに、第三次試験においても、面接試験、模擬授業を課しております。これらの試験において、一人の受験生が関わる試験委員は、面接試験だけでも十名を越し、模擬授業や実技試験まで含めると、二十名近くにまでなる受験教科もあります。

 このように、採用試験においては、島根県の教員として求められる資質・能力を備え、教職に対する熱意を持つ優れた人材を選考するために、受験者の多面的な評価に努めています。

 受験者にとっては、負担の多い、一見酷とも思える試験を課しておりますが、受験者数の少ない島根県だからこそできる、人間性を重視した丁寧な採用試験により、優秀な人材の確保に努めるとともに、さらに工夫改善を加えていきたいと考えます。


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
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