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矢野議員(自)

(問)中学生の学力低下について

1.中学生の学力低下に対する県教委の見解と、現在及び今後の対策について伺う。

2.来年実施が検討されている学力調査の目的、効果について伺う。

(答)広沢教育長

1.2.まず、中学生の学力問題についてお答えします。

 ご指摘のように、高校一年生が受験する模擬試験では、特に英語と数学において、成績が下降傾向にあり、また、本県において平成十五年度に実施した教育課程状況調査の結果によりますと、数学において理解が十分でない生徒が、他の教科に比べて多いことなどが明らかになりました。

 しかし、これらのペーパーテストによる試験や調査のみでは、学ぶ意欲とか、問題解決能力などの多面的な要素からなる「確かな学力」のすべてが測れるものではなく「確かな学力」を測るためには、児童生徒の学習への取組の様子や作品等を評価するなど、様々な評価方法を工夫する必要があり、現在、各学校で研究が進められているところです。

 このような現状のもとで、県教育委員会としては、全体として学力が低下傾向にあることは看過できない憂慮すべき課題として受け止めており、小中高をとおして、学力の向上を図ることが重要であると考えております。

 現在、学力向上プロジェクトチームにおいて、特に数学と英語のワーキングチームを発足させて、中高連携のあり方を検討したり、小・中学校への指導主事の訪問により、児童生徒一人一人に応じた指導の改善が図れるよう、教員への指導に努めているところです。

 次に、学力調査についてであります。

 先ほど申し上げた指導の効果を一層高めるためには、前回の抽出による調査では把握できなかった児童生徒一人一人の学力や学ぶ意欲、生活の実態等を把握する必要があり、来年度、改めて規模を拡大して、学力調査を実施することを検討しております。

 調査結果を活用することによって、個々の児童生徒の学力の実態に即した指導が可能となり、また、指導法の改善が図られるとともに、データを共有することにより、教員が連携し学校全体としての指導体制が構築できるものと考えております。さらに、県として事例集を作成するなど、他校の優れた取組を情報提供することにより、各学校独自の意欲的な取組も期待しております。

 このような効果が十分反映できる調査となるよう努めてまいります。

(問)外国語教育について

1.本県の外国語教育の現状と他県も含めた先進的な取組、また今後の取組について伺う。

(答)広沢教育長

1.次に、外国語教育についてであります。

 中学校の英語の授業においては、「使える英語」を身に付けることを目的として、スピーチやインタビューなどの話す活動を毎時間行ったり、外国語指導助手とのティームティーチングを積極的に取り入れ、コミュニケーションの手段として実際に英語を聞いたり話したりするなどの学習活動を展開しております。

 このような中、平成十六年一月に実施した教育課程状況調査においては、本県の生徒は、英語を聞いたり読んだりして、概要や要点を理解する力は概ね良好ではありますが、正しい語順に従って英文を書いたり、与えられたテーマに沿って複数の英文でまとまりのある英語の文章を書く力は不十分であるという分析結果となりました。

 したがって、今年度は、「聞くこと」「話すこと」の活動を進める中においても、文法事項に配慮する指導に心がけるよう、学校訪問指導や研修会において指導しております。

 次に、小学校における英語教育についてであります。

 現在、本県においては、年間の実施時間数は全般に少ないものの、総合的な学習の時間における国際理解に関わる学習の一環として、英語活動、例えば英語による会話等の活動がありますが、全小学校の九十一%にあたる二百四十二校において実施されております。

 なお、韓国語や中国語の学習については、実施学校数はきわめて少ない状況にあります。

 県教育委員会といたしましては、本年十月、小学校における英語教育の充実を図るため、大学教授などの学識経験者や、英語活動実施校代表者、教育委員会関係者等を構成員とする、島根県小学校英語教育推進協議会を設置いたしました。

 この協議会からは、学校現場での取組、例えば、週二時間の英語を教科として実施し、一つの英語表現に時間をかけ、学習した表現を実際に使って、劇や絵本づくり、ストーリーテリングや外国人へのインタビューなど学年段階に応じた表現活動に取り組んでおります、文部科学省の研究開発学校、浜田市立雲城小学校の先進的な取組や、総合的な学習の時間における英語活動の充実に、地域全体で取り組んでいる出雲市と雲南市の取組、及び今後の本県の小学校英語教育推進について、この協議から提言や意見をいただくこととしております。

 今後、この提言や意見を学校現場の実践に生かすとともに、先進的な取組の成果を県内の全小学校に紹介し、英語に慣れ親しむ時間を増やしていけるよう支援してまいります。

 さらに、小学校におきましは、児童が英語に楽しんで取り組めるよう、活動内容や指導方法には十分配慮しつつ、中学校における英語学習に意欲的に取り組む素地をつくっていくことが重要な課題となっております。

 このような課題からも全県的に小学校英語教育を推進する体制づくりのため、来年度から新たに、本庁に小学校英語教育担当指導主事を配置し、カリキュラム案の提示や、教材開発、小学校教員への研修等を進め小学校英語教育への積極的な対応をしていくこととしております。


お問い合わせ先

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