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中村議員

(問)県立高校における教育の質の向上について

1.「教員の多忙」の解消と「教育の質の向上」という二つの課題の解決を図る新たな教育改革が県立高校に求められてきており、できるところから一つひとつ取り組む必要があると考えるが、所見を伺う。

2.「魅力化校」における教員の県単加配など何らかの確保・充実はどうしても取り組んでいかなければならない課題であると考えるが、所見を伺う。

 

(答)知事

1.県立高校における「教育の質の向上」についてのご質問であります。

 議員からは、県立高校について、大きく二つの課題解決を図るために、施策を充実すべきとの指摘でありました。

 1点目は、県立高校の教員の多忙の解消を図っていくこと。2点目は、次期学習指導要領への対応を含め、高校教育の質的な向上を図っていくこと。

 これらの点は、いずれも県立高校が直面する重要な課題であり、学校現場の積極的な取り組みに期待するだけでなく、県としても、必要な施策を検討していく必要があると考えております。

 県立高校におきましては、多様な個性のある生徒一人一人の力を伸ばし、それぞれの進路希望を実現するために、従来にも増して、丁寧できめ細やかな指導・支援が求められております。

 こうした教育の方向性は、多忙を極めている現場の教員にとって、業務の負担を一層増やすことになりかねないという面があります。

このため、「教員の多忙の解消」と「教育の質の向上」を両立させるためには、二つの課題を一体的にとらえ、有効な施策を総合的に講じていく必要があるのではないかと考えております。

 この問題につきましては、教育委員会と意見交換を始めたところであり、具体的には次のような観点から、検討を進めております。

 教員が生徒と向き合う本来の教育活動に専念できるように、教員が担っている事務的作業を教員に代わって処理するための人員配置を導入できないか、ということ。

 2番目に、ICT機器を有効活用することによって、授業準備や授業自体を効率化するとともに、教育効果を高めることができないか、ということ。

 3番目に、これまで小中学校に対して導入してきました教員の県単加配や非常勤講師の配置なども参考にしながら、県立高校に対しても、教員配置を充実していく方法は考えられないのか。

 こういうことでございますが、こうした観点から、来年度の予算編成に向け、県立高校に対する施策の在り方を検討していく考えであります。

 

(答)教育長

2.「魅力化高校」における教員の確保・充実に関するご質問にお答えをいたします。

 中山間地域・離島の高校が、地域とともに、魅力ある教育づくりに取り組むことで、地元の中学生や県外の意欲の高い中学生たちが進学し、優れた教育活動を通じてさらに高校の魅力が高まっていくような好循環が生み出されつつあります。

 こうした好循環を持続させていくために、「しまね留学」が重要な取組の一つとなっております。

 「しまね留学」は、県内生にとりまして、県外生徒と触れ合うことで、これまで狭い人間関係の中で経験できなかった多様な価値観との出会いや、切磋琢磨を通しての視野の広がり、交流の拡大や、コミュニケーション力の向上、地元島根の良さの再発見という教育上の効果、そして県外入学者数の増加を通じての学級数の維持など地域の教育力の確保、こうした2つの側面において、大きな意義を有しております。

 これまでも、県外生を募集するため、合同説明会の開催、中山間地域の高校をまわるバスツアーの実施、「しまねU・Iターンフェア」への参画などに取り組み、今年度は県外から184名の中学生が入学いたしましたが、来年度入学に向けて、全国からの注目度・関心が一層高まっております。

 一方、島根県と同じように県外から生徒を募集する取組が全国的に広がりつつあり、こうした状況の中で、更に「しまね留学」をめざす意欲の高い中学生に応募してもらうためには、「魅力化高校」の教育の質をより一層高めていく必要があると考えております。

 こうした状況の中で、中山間地域・離島の「魅力化高校」の現場からは、特に、次のようなことに対する期待が強くなっております。

 一つ目は、多忙を極める県立高校において、新たな「学力観」に基づくバランスのとれた資質・能力の育成に向け、高校魅力化を加速するための、学校内の核となる専任教員の配置であります。

 二つ目は教員定数が限られているため、開設できていない教科・科目の解消や、一部の教員が必ずしも精通していない教科・科目の指導も行わざるを得ない実態の改善などであります。

 こうした現場の切実な声に応えまして、高校魅力化の取組を将来にわたって持続的に発展させていくため、来年度の予算編成に向けて、議員ご指摘の県単加配の可能性も含めて、検討してまいります。以上であります。

 


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