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小沢議員(自民)

 

(問)体罰問題について

1.財団法人島根県体育協会副会長の立場も踏まえ県空手道連盟をこのまま島根県体育協会の傘下団体にしておいて良いのか、所見を伺う。

2.体罰についての所見を伺う。

3.しっかりした精神力を養うためには、道徳教育あるいは宗教教育が必要と考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.今回の松徳学院空手道部の体罰問題に関しましては、先ほど総務部長からもございましたが、部活動におきまして生徒がけがを負うなどの被害が出たと、遺憾に思っております。

 既にこれまでに、校長会、高体連、県体育協会の会議等の場において、体罰に関する研修などを行ってきておりますが、

 今回改めまして、県体育協会に対しまして、競技団体から事情を聴き、必要があれば、適切な指導を行うよう伝えてまいりたいと考えています。

 

2.昨年末の大阪の高校での事案を発端といたしまして、体罰について様々な報道がなされておりますが、その中では、教育で、体罰はある程度容認すべきではないかという国民の方の意見がある、ということも承知はいたしております。

 ただし、学校教育法におきましては、「教員は、児童生徒に体罰を加えることはできない」と明確に規定をされているところであります。

 私は、そもそも子どもの教育には、悪いことは叱る、良いことは誉める、これが、こうした当たり前のことが、原点であるというふうに思っております。

 子どもたちに、社会の一員としてルールを守り、他の人と協調して生活していくことを教えることが大切であると思っております。教師には問題行動に対しては、毅然として適切な指導を行ってもらいたいというふうに思っております。

 ただそのためにも、子どもたちから信頼される教師であってほしい、というふうに思っております。また、児童生徒の指導に当たりましては、教育者として愛情や使命感を持って、全人格をかけて、子どもに向き合ってほしいというふうに思っております。

 学校では部活動や授業等、さまざまの生徒指導上の場面があり、その指導のあり方もそれぞれの場面で違ってくると思います。また、どこまでの指導の行為が教育的指導として許されるのか、難しい面もございます。この点につきましては、先般、文部科学大臣が、近く「部活動における許されない指導」あるいは「体罰と懲戒についての現場の対応」について見解をまとめ、周知を図るという、定例記者会見で発表がされております。私どもはそのことに注視をしていきたいというふうに思っております。

 

(答)教育委員長

3.人間力の基本についての質問だと思っております。

 近年子どもたちを取り巻く環境というものは非常に劣悪化になっております。特に、少子高齢化の進展、さらには核家族化などの社会状況の変化、そしてまた家庭や地域の教育力の低下、さらには体験をする自分の環境が減少している中での、命を尊重する心の不十分さ、また自尊感情の乏しさ、それから基本的な生活習慣などの未確立などなど、子どもたちが今必ずやっていかなければいけない人間関係を形成する力というものも低下しているというふうに言われておりまして、子どもたちの忍耐力、さらには命を大切にする心、社会性などが十分に育まれていないのではないかということを今非常に懸念をしているところであります。

 私は、子どもたちが、社会や地域のために何ができるのかを考え、自ら未来への夢や目標を抱き、その実現に向けて自らの意志で粘り強く行動する力を身につけて欲しいというのをとくに思っております。

 そのために、道徳教育を通じまして基本的な生活習慣、それから人間関係を築く力、社会参画への意欲や態度、それから伝統や文化を尊重する態度、さらには規範意識というものに十分注意をしながら、自分で身につけ、他人を思いやる気持ちなどを養っていくことが大変重要だと思っておりますし、この道徳教育におきましても、発達段階にしたがって個人的なこと、さらには集団の一員としてすること、さらには高学年になれば社会との関わりというものを十分考えていかなければいけないと思っております。

 もちろん、道徳教育は、学校だけでなく家庭や地域とともに社会総がかりで取り組んでいく必要があるとも思っております。

命を尊重する心、他者への思いやり、正義感、公正さ、重んじることなど、こころの教育というものが非常に人間を育成するのに中核になるものだと思っておりますし、一般的にこころの教育については、身近におる大人の感化と体験を通して子ども自身が学ぶということが大切だと思っております。

 先ほど、いじめの問題、マナーの悪さなど日本人の道徳心や公共心が欠如しているというふうに話がありましたけれども、二年前の東日本大震災の際に、海外のメディアが驚きをもって取り上げたことがあります。

 この困難の時に日本人が示した他者を思いやる気持ちや節度、良心は、日本人の特性として確実に息づいておったということであります。

 この日本国民の特性は、日本に生まれ育つ、そして自然に備わるというものではなくて、やはり親が子に愛情をこめて伝える、そういうことを伝えるということ、また社会全体が高い倫理観をもって脈々と次世代へとつないでいくということが必要だということを痛感したところであります。

 子どもの生きる力をつくりあげていくというには、醸成するには、とくに家庭の力が大切でありまして、例えば、家族で食卓を囲んだり一家だんらんをするなど、家庭の支えがあってはじめて子どもの心の基盤というものは強く大きく育つものだというふうに思っております。

 

 

 

 


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