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池田議員(自民)

(問)雇用のミスマッチ及びキャリア教育について

1.ここ五年の高卒就職内定率の推移を伺う。

2.現在の県内の高校と企業間における複数応募に係る就活ルールはどうなっているか伺う。

3.離職する子どもが多い中、現在の就活ルールは学校・企業双方にとって有効であるか伺う。

4.離職を防ぐために高校ではどのような取組を行っているか伺う。

5.毎年この時期になっても就職が決まらない高校生に対して、どのような指導や支援が行われているか伺う。

6.教員の三年目研修で課せられている五日間の企業研修は、どのようなものか伺う。

7.企業研修を受けた教員の感想を伺う。

8.実際に生徒が就職していく企業等での教員の短期研修を考えて欲しいが、所見を伺う。

9.宍道高校におけるキャリア教育について伺う。

10.研修後のアンケート結果の概要と教育長の感想を伺う。

11.宍道高校の取り組みを全高校に広げて欲しいが、どのようにするか伺う。

12.教育センターにおけるキャリア教育研修は、どのように行われているのか伺う。

13.子供たちのことを思えば、キャリア教育については、中高一貫であるべきと考えるが、教育委員会として今後どのように取り組んでいくのか伺う。

 

(答)教育長

1.県内の公立、私立を併せました高等学校の三月末時点での就職内定率でございますが、過去五年間、平成十九年度から二十三年度までですが、九十五%台から九十七%台の間で推移しております。

 

2.現在の県内では、経済団体、労働局、教育委員会で、島根県の高等学校就職問題対策会議というのを設けております。ここで高校生の就職に関して申合せをいたしております。

 それによりますと、十月末までは高校生一人一社のみの応募ということにしております。十一月一日以降は、高校生一人二社までの応募を可能とすると、こういう申合せでございます。

 

3.県の高卒の就職でございますが、基本的にその学校に届きます求人を生徒に紹介をいたしまして、希望を募って応募すると、こういう仕組みにしております。

 この仕組みによりまして、生徒側のメリットですが、生徒は応募企業が一つであるということから、入念な企業調べができる、或いは応募前に職場見学ができる、或いは先輩などと情報交換もできる、こういったことによりまして、自分の希望する企業に対しまして、集中した就職への取組ができるというメリットがあると思っております。

 それから企業側のメリットですが、企業側にとりましても、自分の会社を深く研究をした第一志望の生徒が受験をすることで、内定の辞退が生じないということから、計画的な採用につながるというふうに思っております。

 こうしたことから、結果的に、内定辞退や先程ございました早期離職の抑止力になっているのではないかというふうに、私も考えております。

 

4.今ございましたように、離職を防ぐには、就職段階でのミスマッチを避けるということが、大切なことだというふうに思っております。

 そのためには、生徒一人一人が、自分の適性や能力を十分に把握をいたしまして、企業や職種を理解したうえで、やる気を持って仕事のできる就職希望先を決めていくことが求められると思っております。

 そのために現在行っているおります取組ですが、一・二年次から企業見学を行う、或いは二年次を主体としたインターンシップを行う、或いは年齢の近い卒業生の企業人を招いてアドバイスをもらうとか、就職希望者には応募前の職場見学を勧める、こういった取組を進めております。

 加えまして、学校の進路担当者が中心となりまして、卒業した生徒の就職先を訪問いたしまして、企業の担当者、或いは卒業生本人に直接会いまして、就職後のフォローアップにも努めていると承知をしております。

 

5.各学校では未内定者ゼロということを目指して努力しておりますが、毎年この時期、未内定者は五%程度おります。

 この未内定者に対する指導・支援でありますが、たとえば各地区のハローワークの高卒就職ジョブサポーターがいらっしゃいます、こういう方によります個別の相談、それから改めまして本人の適性や希望を再検証する、それから企業に対しまして一般求人から高卒求人への切替を要請している、生徒によりましては、この時期就職を前提とした技能訓練を促す、こういった形で、生徒の実態に応じた指導や支援に努めているところであります。

 

6.ご質問がございました研修でございますが、教職経験三年目に達しましたすべての教員を対象といたしまして、所属校の近隣の民間企業に五日間の研修を行うものでございます。

 目的といたしましては、社会人としての視野を広げるとか、対人関係の能力の向上、あるいは高校がございます地域を知る契機とする、こういったことを目的といたしまして行っているものでございます。

 研修先は各自が選定をいたしまして、最終的に校長が決定するということで、いろいろな業種の企業を研修先に選んで行っているということでございます。

 

 

7.いろいろございますが、研修の報告書を見ますと、例えば、自らのこととして研修を通して企業の姿勢や考え方について身をもって学べたとか、あるいは見て、触れて、直接話を聞くことで得るものが大きかった。あるいはこの体験を児童の好奇心や価値観を揺さぶる一つのきっかけとなるように教育活動に生かしたいということ、あるいは教科指導も大事であるが、生徒の人間性を高めること、こういったことも大事だと改めて感じた。あるいは子どもに対しましては、これから社会に出て行く子どもたちにとって、将来に我々責任を持つことが重要だ、でありますですとか、厳しい雇用環境の中で社会に出る生徒にたくましさを身につけさせてやりたい。といった形で、学校と異なる社会を経験することによりまして、自らの今後の教育のあり方、それから生徒に身につけて欲しいこと、こういったことを改めて各教員が感じているのではないかという思いがしております。

 

8.先ほども申し上げましたが、教員が企業で研修することは大変意味のあることであるというふうに私どもは思っております。そこで先ほど申し上げた五日間の研修、それから初任者研修でも三日間の企業研修をやっております。まずはこれらの研修の成果が得られるような内容の充実を図っていくことがまず必要ではないかというふうに思っております。

 今ご指摘のございました、例えば研修の目的、これを改めて教員に意識をさせる、あるいは研修先の選定でございますが、今各自が研修先を選ぶというようになっていますが、ここの辺をどうしたらいいのかとこれを検討課題であると思っております。それから研修成果につきましても、今後の教育センターの研修等で、広く全体の教員に知ってもらう、お互いに勉強する、そういった活用方法があるのではないかというふうに考えております。

 加えまして、教員による企業見学あるいは職場訪問等によりまして、企業についての理解を促進していきたいというふうに考えております。

 

9.宍道高校は、三年前に開校し、この三月に初めての卒業生を送り出すという学校でございます。この宍道高校では、外部の人材をキャリアコーディネーターとして採用いたしまして生徒達に職業人の話を聞くとか、あるいは企業別のガイダンスを行う、こういった取組が行われております。

 それから教員に対しましても、外部の方から企業の状況や企業側の思いを聞くことで、キャリア教育に対する意識改革を図ることを目的といたしまして年三回研修会を開催いたしております。

 このように、定時制・通信制課程の生徒が社会人・職業人としての資質や能力を身につけていくため、社会や企業と連携を図った取組が行われていると承知しています。

 

10.アンケートでございますが私も結果を見させてもらいました。総括的に申しますとこの研修によりましてキャリア教育の意義の理解が深まったと感じています。

 具体的な教員の感想でありますが、二・三申し上げますと、開校三年目を迎えて本校のキャリア教育の取組が体系的に行われるようになったと感じている。あるいは、生徒にとってもキャリア教育手厚く取り組んでいると感じている。全教員で取り組んでいる成果だと思っている。それから、教員の方も学校の中だけではなく社会との関わりを持つ必要性を強く感じた。こういった感想がございました。

 宍道高校は、三年前に様々な学習の経験、動機をもった生徒が学ぶ定時制・通信制を併せ持つ新しいタイプの普通高校としてスタートしました。その目的が教員に理解されまして地域と連携しながら生徒指導等に着実に実践されていることを私も頼もしく思っているところでございます。

 今後、今春初めて出ます卒業生のフォローアップも図りながら、キャリア教育が一層推進されるよう取り組んで参りたいと考えている。

 

11.宍道高校では、今申し上げましたような取組を冊子にいたしまして、県内の他の高校、あるいは関係機関に発信していきたい、と聞いている。

 県内の各高校においても、各学校の独自のキャリア教育の課程を組む訳ですが、そういったことを考える上で、こうした教員の意識改革が深まることにつながる宍道高校の取組をぜひ参考にしてもらいたいと思っている。

 

12.キャリア教育についての教育センターの研修についてですが、まず全ての対象教員が受講いたします、新規採用研修、教職経験三年目、六年目、十一年目それぞれの年度の研修におきましてキャリア教育に係る研修を行っております。

 また、各学校でキャリア教育を担当している教員につきましては、小中高、特別支援学校それぞれを対象とした専門的な研修を実施いたしております。

 また、管理職を対象とした研修には、企業の経営者の方々を講師とした講話を取り入れた研修なども行われております。

 

13.中高一貫のキャリア教育の取組は私どもも大変重要なことだと思っております。

 こうした観点から、来年度でございますが中高一貫のキャリア教育を進めるために、県内の二地域を指定しまして、小中高が一貫し、また、学校、企業、家庭、地域が一体となったキャリア教育の推進を図るためにモデル事業を計画しております。

 具体的には、地域で一体となったインターンシップやボランティア活動、あるいは、小中高をとおした、ご紹介いただきましたポートフォリオ、キャリアノートの導入に向けた研究、こういったことを行っていきたいと思っております。

 こうしたことを今後も積極的に実施いたしまして、中高一貫した取組が進むように取り組んでいきたいと思っております。

 

 

 

 


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