• 背景色 
  • 文字サイズ 

珍部議員(民主県民)

(問)島根の教育について

1.教育県島根の復活に向け、現状をどうとらえ、どう切り拓いていこうと考えているのか伺う。

 

(答)教育長

1.大学入試センター試験の自己採点の集計結果、おっしゃいますように、大変低位に低迷しておる状況がございます。

 いろいろな要因はありますが、そういうことは別といたしましても、過去10年程度さかのぼってみますと、全国的に中位ぐらいだったのが、最近では一番下のところに低迷しているという状況にあるということで、極めて憂慮すべき状況にあると考えています。

 そういうことがございますので、平成18年度から小・中学生の学力調査を県単独で実施し、学力向上対策ということを取り組んでまいっているところであります。

 いろいろな対策については、繰り返し申し上げておりますが、1点にだけに絞って申しますと、とにかく家庭での学習の時間の確保というものを、まずはしっかりやっていこうということが一番だと考えております。

 

(再質問)

1.学力向上対策について、学校の中での問題と、それをどう解消すれば生徒達の学力向上につながるかについて伺う。

 

(答)教育長

1.家庭での学習時間を確保するということも、学校での教育で進めるべきことだと思っています。

 要は、ひところゆとりをもたすというふうな考えもありまして、できるだけ宿題を出さないというような、少し行き過ぎた感じになったこともあります。

 また、宿題をなかなかみてやるだけの暇がないという現状もありますが、まずもって家庭で学習をしてもらうためには、教師の方が、これだけは家庭で勉強してきてね、ということを誘導していくことが必要だと思っております。

 そのためには学習プリント配信システムというものを昨年度から導入しております。こうしたものも使いながらやっていく、あるいは、そういうふうな学習に誘導するところの教師一人一人の指導力もつけていくことが必要であると考えております。

 


(問)教員の多忙感について

1.教員の多忙感を解消するための対策について伺う。

 

(答)教育長

1.教員の多忙あるいは多忙感ということにつきましては、私もまさしくそうだというふうに思っております。いくつかの学校を訪問した際にも実感いたしましたのは、例えば給食の時間あるいは休憩の時間であっても、生徒達が語りかけてくればそれに対応する必要があります。そういう意味では、子どもが学校にいる間はなかなか気の休まる暇がないなというのが実感だなというふうに思っております。

 また、特に中学校の場合には、土日も含めましたところの部活動の指導もあります。あるいは、保護者への対応とか報告の作成とか、様々な用務が重なっているというふうに思っております。

 これを解消するということにおいては、教員の定数を改善するのが一番いいわけでありますが、残念ながら現在の国や地方の財政は、それはままならないという中での厳しい状況だと思っております。

 そうした中で、今年度、国は7,000人の外部人材の活用事業というのを久しぶりに予算化いたしました。本県でも非常勤講師の37人配置に結びついております。また、従来から30人学級編成やスクールサポート事業でありますとか、にこにこサポート事業とか、あるいはクラスポート事業というふうな名称をつけておりますが、定数外の非常勤の講師のこうした配置等によりまして、直接のねらいはそれではありませんが、結果的に多忙の緩和につながっていると考えております。

 私もできるだけ学校の現場がゆとりを持つようにということは就任からずっと語りかけてきております。ものによりましては、思い切ってメリハリをつけようとも申しておりますし、また、校長あるいは教頭の皆さん方との意見交換には、毎回必ずこの問題を取り上げながら、問題意識を共有しながらやっていこうというふうに考えているところであります。

 

(再質問)

1.県の教育委員会として、多忙感について調査等をしたことがあるか伺う。

 

(答)教育長

1.具体的な数字についてはそれぞれの市町村ではやっておりますが、全体としての数字のものについては、私が教育長になってからは行っておりません。

 


(問)小中学校の学校事務について

1.「教員が多忙感を抱いている事務は、学校行事や教育に関わる調査物、研修・指定校等の報告書などで、事務職員が行っている事務、つまり旅費、教員の福利厚生、諸手当の支給といった業務とはかかわりがないので、教員の部分でしか改善できない。」という答弁の真意を伺う。

 

(答)教育長

1.学校で申します事務処理というものを少し整理させていただきますと、例えば授業とか授業の準備というものとの対比の中で、事務処理というふうな概念で、学校の方では考えているというふうに考えております。

 従いまして、この事務作業というもののなかには、例えば学校行事の企画でありますとか、あるいは教育課程に関する調査でありますとか、あるいは学期末での生徒達の学習の状況についてのレポートでありますとか、こうした事務がかなりあると。それに加えまして、様々な調査物というふうなものも行われているし、また各会議の資料も作っていくというふうな、その重なりの中で多忙であるというふうに感じていると考えております。

 従いまして、先ほど申しましたように、もしも許されるものならば、教員の確保を図るというのが、一番現場でも望んでおることだというふうに思っております。

 事務職員につきましては、先般、何人かの小中学校の事務職員の研究会の役員の皆さんと意見交換する機会がありました。異口同音に皆さんからおっしゃってもらったのは、自分たちも教育に関わる業務についても、学校の現場で教員と一緒にやらしてほしいと、是非そういうふうな教育に関わるような仕事についても考えてほしいというような、大変前向きな、ありがたい意見も伺っております。

 是非そうした教員と事務職員が連携しながら、補完しながら取り組んでいくようなことも考えていきたいというふうに考えております。

 また、出雲市では来年度から事務の支援センターを発足させまして、集中的に処理ができるものについては、支援センターに職員を配置してやっていくというふうなことの取り組みを今計画されております。こうした取り組みについても、県として必要なことがありますれば、支援していきたいというふうに思っているところであります。

 

(問)学校事務職員の研修制度について

1.事務職員同士による研修方法を、県内全域で行うしくみを検討する必要があると考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.多忙、多忙感につきまして、私の方での調査を行っていないということを申し上げましたが、例えば国の方で全国的にやった調査、あるいは職員団体が行った調査のデータについては、もちろん私どもも提供を受けておりまして、承知しております。調査よりもまず、少しでも多忙あるいは多忙感の解消するためにどういうことをやっていくかということについて考えていきたいと思っております。

 研修につきましては、先程紹介がありましたようなことについては、現場の判断で臨機応変にどんどんやってほしいと思っています。

 ちなみに現在、県内では、中学校区を基本にいたしまして、学校群と言いますか、小中学校大体5校程度で構成します「事務グループ」を県内で62グループ化しております。こうした事務グループの中で「事務リーダー」がおりまして、この事務リーダーが管轄の中での指導助言や、資質向上に努めたり、情報交換などを行っております。

 新規採用の事務職員の研修についてでありますが、

 まず4月1日の辞令交付については、教員と事務職員いっしょに行っておりまして、その交付の後に一人一人の職員の皆さんと握手をいたしまして、一緒に感張ろうねと、職員としての自覚を高めるということでお願いしているところであります。

 その後のオリエンテーションに続きまして

5月には「服務」「旅費」「給与・手当」などにつきまして3日間の研修を行っておりますし、8月には、教員の初任者研修に合わせまして、同じように事務職員についても、4日間の三瓶の青年の家での宿泊研修を行っております。採用の時点では、誰でも不安があると思います。もう40年前になりますが、私にしてもそうでした。考えてみますとみんながそういう時代を経て一人前になっていくものだなと考えております。

 いずれにいたしましても、今後大量な退職が出ることになりますので、新しく採用した職員の皆さんにできるだけ早く事務に慣れてもらうために、それぞれの配置のところの教頭とかを中心としましてのアドバイスなり、あるいは先程申しましたような研修とか、教育委員会の事務局の方からも、ときどきは現場の情報を調査しながら、やっていきたいと考えております。

 


(問)教育行政について

1.県として各地域の実情をしっかりと把握した上で、地域のニーズに添った教育行政を市町村と共同して、きめ細かに展開すべきと考えるが所見を伺う。

 

(答)知事

1.先程来のやりとりをお聞きしておりまして、学校の現場が大変忙しい状況にあることをよく感じたわけであります。学校は、あるいは教育は、非常に大きな課題を抱えておるわけであります。学力の問題も、先程来の質問にもありました。あるいは体力上昇教育、あるいはふるさと教育等々、いっぱいあるわけでございます。

 こうした課題に対応するためには、学校だけではなかなかできないわけでありまして、家庭はもちろんでありますけれども、地域の方々も一緒になってやっていかなければならない課題だと思います。

 また、そういうことを進めるためにも、文科省以下、一つの行政の仕組みがあるわけでございます。県には教育委員会があり、市町村にはまた教育委員会があるわけでございます。

 我々行政に携わるものとして、教育は大事な課題でありますから、そうした現場をよく見る必要もあると思います。私に限りません、これは議員の方々もそうでしょうし、あるいは父兄はもちろんそうでしょうが、地域の方々もそうだろうと思います。それから教育委員会の委員の方々も、現場に出かけておられると思いますけど、もっと現場をよく知るということが大事な課題ではないかと思います。

 そういうことをいたしまして、島根の教育がゆたかになるように、あるいは子どもたちがゆたかに育つように努力してまいりたいと思います。

 


(問)古代出雲歴史博物館について

1.1年間の運営にかかる予算を伺う。

2.支出の削減策について伺う。

3.収益を増やすための考えについて伺う。

 

(答)教育長

1.2.平成19年度の決算ベースで言いますと歳出が3億3千4百万円余、入館料収入など歳入が1億9千4百万円余であり、差引は1億4千万円弱でありまして、一般財源からの支出となります。

 歳出の主なものは、指定管理に出しております運営にかかるものが大半でありまして、展示室やエントランスホールはもとより、国宝や重要文化財を保管する収蔵庫などについてはそれを保護するために常時空調を行っており、一定の水準を確保する必要があります。そのため、光熱水費・メンテナンス費用については、ある程度かさむものと考えています。

 開館2年目でありますが、常に経費縮減に努めながら、サービスについては、最高のものを追求していくことが必要と考えております。

 

3.古代出雲歴史博物館の収入を増やすための対策としては、考え方としては2つあると考えております。

 1つには、団塊の世代の方々など歴史文化に関心の高い層を対象として、古代出雲そのものを展示する博物館に対する高い評価を得ることが必要と考えています。

 そのため、本年度は、島根大学シニアカレッジや島根県立大学のシニア短期留学など滞在型の出雲学セミナーというべきものを共同で実施したり、「伊勢神宮と出雲大社の遷宮に学ぶ」と題した連続講座を皇學館大学との共同事業として開催したところです。

 また、来る10月26日には「天皇の前で語られた出雲神話」というテーマで神在月シンポジュームを開催することとしています。

 加えて、今井書店のご協力により出雲店の一角に博物館のPRコーナーを設置していただきました。現在は、「秘仏の旅フェア」を現在行っているところです。

 インテリジェンスの高い層に対する地道な活動が必要と考えております。

 もう1つは、博物館単体で考えるのではなく島根県の多数の魅力ある観光資源を構成する1つとして博物館に来館していただく取り組みが必要であると考えています。

 建設の目的そのものが、単体としての歴博と言うだけではなく、島根県の魅力アップも目的として建設したものですので、そういったことも1つの考え方として持ちながら行っていく必要があると考えております。

 

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp