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石倉議員(無)

 

(問)教育問題について

1.特別支援教育の県内の現状、実態について、特に高校における課題を含め伺う。

2.通常の学級における障害と健常の境界に位置する子どもたちに対するわかりやすい授業をはじめとした特別支援教育の在り方について所見を伺う。

3.相次ぐ事件の再発防止を含め、課題が多い中で、島根の将来を担う子どもたちとまっすぐ向き合うことが求められるが、規範意識や倫理観の涵養を基礎に据えた教育の推進につき決意を伺う。

 

(答)教育長

1.まず、特別支援教育の現状についてであります。

 本県でも、昨年4月1日施行の「学校教育法」の改正に伴い、これに対応するため基本計画を策定し、それぞれの特別支援学校において、県の東・西部ごとに、できるだけ身近な場で専門的な相談や教育が受けられる体制がとれるように取り組んでいます。

 また、近年、小・中学校の通常の学級では、特別な支援を必要とする児童生徒が増えております。そのため通級指導教室の充実を図るとともに、小学校においては、非常勤講師配置事業(にこにこサポート事業)を活用し、できるだけきめ細かい対応ができるように、適切な指導や支援にも取り組んでいるところです。

 特別支援教育の推進体制ですが、各校においては、子どもへの指導・支援の検討を行う校内委員会の設置や、保護者からの相談窓口となる特別支援教育コーディネーターの指名を進め、この春、すべての小・中・高等学校及び特別支援学校で整備を完了しました。

 高等学校にもLD・ADHD・高機能自閉症などの発達障害があり、支援を必要とする生徒が在籍しております。

 現在はこれらの生徒に対して、校内コーディネーターが特別支援学校から派遣されたコーディネーターとともに相談や支援を行っています。今後は、校内研修の充実や教職員の理解啓発を進めながら、各校で整備された校内体制の活性化を図るとともに、多様化する障害への対応を行ってまいります。

 

2.次に、通常の学級に在籍する発達障害等のある子どもへの対応についてであります。

 障害のある子どもが在籍している学級においては、まずは互いが認め合い、受容的雰囲気に包まれた学級づくりが、基盤として重要であると考えます。

 その上で、授業は、障害の有無にかかわらず、子どもたちの学習状況を把握しながら進めることが基本ですが、障害のある子どもが在籍する場合には、特に配慮した授業が行われています。

 例えば、発達障害の子どもは、聴覚を活用して情報を入力するよりも、視覚を活用する方が得意であることから、文字や絵、図をかいた紙や写真を掲示して、視覚的に理解できるようにしたり、消えることばを文字などに残して見てわかるようにしたり、長い説明をするよりも短い言葉で話すようにするなどの工夫が行われています。

 また、次にどのようなことが起こるのかを想像することが難しいため、一時間の授業で学習することの内容や学習活動の順序を文字や写真等で示すことで、活動の見通しがもてるようにするなどの配慮が行われています。

 こうした、子どもの学び方を考慮した授業改善や工夫は、特別支援教育を進めるにおいて、特に重要であると考えております。

 

3.次に、規範意識や倫理観の涵養のための教育をどういうふうにするかという決意であります。

 教育の目的、目標を表現して「知育・徳育・体育」とよく言われますが、私は、心の部分については、「徳育」だけでは少しもの足りないと感じております。この「知育・徳育・体育」の基本、基礎となる部分に、美しいものや生命の神秘に感動する心、弱いものをいたわる心、卑怯を恥じる心など、心の豊かさをおきたいと考えています。

 また、「知育・徳育・体育」は、個々それぞれ別々に進めるものというよりも、それぞれ密接に関連づけて行って行く必要があります。「体育」の中でも「徳育」、あるいは「知育」の中でも「徳育」というような関連が必要だと感じております。

 人格形成の最も多感な時期において、こうした教育を推し進めることは、毎日報道される事件・事故や自分さえよければといった社会的風潮、過度な市場原理主義など我が国が陥ってしまった社会病理から抜け出す道だろうと思っています。

 道徳教育につきましては、小中高を通じまして、基本的な生活習慣や人間として持つ規範意識、自他の生命の尊重、自尊感情というような点につきまして、先ほど申し上げましたような視点から、道徳の時間ばかりでなく、全教育活動を通じて進めていくべきと考えています。

 その中でも特に、「ふるさと教育」では、単にふるさとの認識を高め、ふるさとの自然、歴史などを愛する心を育むだけでなく、地域の人々とのふれあいを通じたコミュニケーション力や、ふるさとの素材を通じて感動する心や考える力を育んでいくというような総合的な取組が必要だと感じております。また、そうした教育を進めていきたいと考えております。

 

 


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